Amazon広告の基礎知識|広告の種類、特徴から費用対効果を上げるポイントまで徹底解説!
Amazon上で効果的に商品の露出を高め売上を拡大していくためにも、Amazon広告の活用は必要不可欠な手段の一つとなっています。
しかしAmazon広告を活用している出品者は多く、戦略的に運用ができなければ広告利用によるメリットが得られないどころか、ただコストだけが嵩んでしまうといったことになりかねません。
そこで、広告運用で成果を出すためにも、広告ごとの種類や特徴を理解し、最適な広告戦略と予算配分を考えていきましょう。
この記事では、Amazon広告の種類と特徴、基本的な運用の戦略などをご紹介します。Amazon広告で売上を伸ばしたい方や広告の費用対効果が合わなくてお悩みの方は是非参考にしてください。
1. Amazon広告の基本知識
Amazonの巨大な市場を制する上で、Amazon広告は欠かせないマーケティングツールであり、その基本知識を理解することは非常に重要です。そのためには、Amazon広告とは何か、またその種類や機能、さらにそれにかかる費用など、広告戦略を立てる上で基礎的な要素を網羅していかなければなりません。
1.1. Amazon広告とは
Amazon広告とは、Amazonプラットフォーム上で商品やブランドの認知度を高め、販売促進を行うことを目的とした広告サービスです。とりわけ、Amazonの購買意欲が高いユーザーにリーチすることが可能で、そのための様々な広告フォーマットが提供されています。
例えば、特定の商品を前面に打ち出すスポンサープロダクト広告や、ブランドの認知向上に貢献するスポンサーブランド広告など、目的に応じた広告戦略を展開することができます。
Amazon広告は、検索結果や製品ページ、さらにはAmazon外部のウェブサイトやアプリケーションでも表示されることがあり、広範なターゲットにアプローチすることが可能です。
1.2. Amazon広告の種類とそれぞれの機能
Amazon広告は大きく4つのカテゴリーに分けられます。
スポンサープロダクト広告は、特定のキーワードに応じた商品を検索結果に表示させるサービスです。第二に、スポンサーブランド広告は、複数の商品とブランドオーナーのロゴなどを含む広告を表示し、ブランドの視認性を高める機能を持っています。第三に、スポンサーディスプレイ広告は、Amazon内外の様々なウェブページで、関連性の高い広告をターゲットに届けます。最後に、Amazon DSPは、プログラムによる広告購入を通じて、より広範なオーディエンスにリーチすることができる広告形態です。それぞれの機能と目的を理解し、適切な広告戦略を立てることが、効果的なマーケティングには必要不可欠です。
1.3. 広告にかかる費用と一般的な料金体系
Amazon広告の料金体系は主に「コストパークリック(CPC)」方式が採用されており、広告がクリックされる度に料金が発生する仕組みです。
広告にかかる総費用は、キーワードや製品カテゴリーによって競合他社との入札結果、また広告のクオリティやオーディエンスへの関連性によって大きく変動します。
一般的な料金体系の理解を深め、予算に合わせた適切な広告プランを策定することが、コストパフォーマンスを最適化する上では重要です。また、広告の成果を定量的に測定し、継続的な最適化を行っていく必要があります。
以下では各フォーマット毎の特長を解説していきます。
2. Amazonスポンサープロダクト広告の詳細
Amazon上での販売戦略において、スポンサープロダクト広告は重要な位置を占めています。スポンサープロダクト広告は、下記のようにAmazonの検索結果や商品詳細ページに表示されます。
検索結果ページに表示された広告
キーワードに基づいてターゲットユーザーの検索結果や関連商品ページに表示されることにより、購買意欲の高い顧客にリーチできるメリットがあります。対象となる商品を適切に選択し、効果的な広告文を用いることで、販売促進につなげていくことが期待されるでしょう。
2.1. スポンサープロダクト広告の仕組み
スポンサープロダクト広告は、Amazonの検索結果や商品ページに、特定のキーワードに連動して商品が広告として表示されるサービスです。商品詳細ページにおいては、その商品に関連する商品として表示されます。
広告主はキーワード、商品、および入札額を設定し、この入札競争に勝つことで自社の商品が優先的に表示されるようになります。例えば、「ワイヤレスイヤホン」をキーワードに設定した場合、その単語で商品を検索した顧客に対し、関連性が高いと判断された商品が広告として表示されることになります。
スポンサープロダクト広告では、広告のクリックが発生した場合にのみ費用が発生するCPC(コスト・パー・クリック)モデルが採用されているので、低予算から運用が可能です。また予算の上限を設定できるため、予算のコントトールもしやすく、無駄な広告費を抑えつつ、効率的に宣伝活動を行うことが可能になるのが大きなメリットです。
2.2. 効果的なキーワード戦略
Amazonスポンサープロダクト広告において、効果的なキーワード戦略を展開することは不可欠です。まず、商品に関連性の高いキーワードをピックアップし、それらを広告に使用します。
重要なのは、検索されやすいが競合が多すぎないキーワードを見つけることで、そうすればより高いクリック率を達成することができるでしょう。
また、季節やキャンペーンに合わせてキーワードを追加・変更するなど、柔軟な運用が求められます。さらに、パフォーマンスデータを分析し、効果の低いキーワードは削除するなどの最適化を継続することで、広告の精度を高めていくことが大切です。
2.3. スポンサープロダクトを活用するメリット
スポンサープロダクトを活用する最大のメリットは、販売に直結する高いコンバージョン率を期待できることです。ターゲットとなるキーワードで商品が検索された瞬間に広告が表示されるため、購買意欲が高まっている顧客にダイレクトに訴求できます。また、通常の商品カタログと情報量や表示形式に大きな違いがなく、広告らしさが薄いため、ユーザーのクリックを促しやすいのも大きな特徴です。
さらに、入札制なので広告予算の管理がしやすく、小規模なビジネスでも大きなコスト負担なくスタートできる点も魅力的です。Amazonの豊富な顧客データを活用して、より適切なターゲット層に広告を届けることが可能であり、広告のパフォーマンス向上に直結するでしょう。
加えて、スポンサープロダクト広告は商品画像や商品名など既存の登録情報をもとに広告を自動生成します。そのため、バナーやキャッチコピーなどのクリエイティブ作成が不要となり、事前準備に工数や時間を割くことなく簡単に運用開始できるのも大きなメリットといえるでしょう。
Amazonスポンサープロダクト広告はどんな広告?運用のメリットや設定方法を解説!Amazonスポンサープロダクト広告は、検索結果や商品詳細ページで目立つ位置に掲載されることで、出品者の商品の認知度と売上を向上させることが可能です。特に、素早く設定が可能で、低コストで始められるため、Amazonでの販売促進に効果的です。この記事では、スポンサープロダクト広告の基本的な特徴と設定方法、運用のメリットについて詳しく解説します。 |
3. スポンサーブランド広告の魅力
スポンサーブランド広告は、スポンサープロダクト広告同様、検索結果ページや商品詳細ページに表示される検索連動型の広告です。
検索結果ページに表示された広告
スポンサープロダクト広告との大きな違いは、メインで利用される「商品コレクション」のフォーマットに「ブランドのロゴ」と「ブランド・商品のイメージ画像」、「最大3つの商品」を表示させることができる点です。
また、ユーザーの検索に対して関連性の高い商品を強調して表示させることが可能であり、実際にユーザーがクリックするとブランドストアページやランディングページに直接遷移させることができるため、ブランドの魅力をユーザーに対して強く訴求することができます。
3.1. スポンサーブランドの特徴とフォーマット
スポンサーブランド広告は、「商品コレクション」「スポットライト」「動画」の3つのフォーマットを提供しており、目的に応じた選択が可能となっています。
商品コレクションは、ブランドロゴやキャッチコピー、カスタム画像に加え、、最大3つの商品を選択し表示させることができる広告フォーマットです。ブランドイメージの訴求はもちろん、特定商品の宣伝も可能です。
ストアスポットライト広告は、ユーザーのクリック時に直接ブランドのストアページへ遷移させることができる広告形式です。リンク先にはストア内の3つのサブページを設定可能で、広告をクリックすると該当のページに遷移させることができます。ブランドの世界観を作りこんだストアページを持っていればそこに誘導し、CVR向上を図ることができます。
動画広告(スポンサーブランドビデオ広告)はその名の通り、商品の特徴や使い方を動画で提示することで、視覚的な情報を提供できる広告フォーマットです。動画を使って多くの情報を伝えることで、ユーザーの理解を深め、購買意欲を刺激することが可能です。
商品詳細ページ下部に表示された動画広告
スポンサーブランド広告は、「商品コレクション」「スポットライト」「動画」の3つのフォーマットを提供しており、目的に応じた選択が可能となっています。
3.2. スポンサーブランド広告を運用するメリット
スポンサードブランド広告を運用する大きなメリットは、ブランド認知度の強化から商品理解までを一貫して行えることです。ブランドロゴや動画を用いることで、ユーザーに対してブランドの存在を印象付けることができます。
また、広告のリンク先にブランドのストアページを設定することが可能である点も大きなメリットです。ストアページは商品ページよりも、自社ブランドのイメージや世界観を明確に訴求しやすく、競合商品への離脱を防ぎつつ、クロスセルやアップセルにつなげることもできます。
さらにスポンサーブランド広告では、ユーザーの検索キーワードに基づいたターゲティングが可能であり、ブランド製品が顧客の検索意図と密接に関連することで、高い関心を持つ潜在顧客にアプローチすることができます。
加えて、キャンペーンのパフォーマンスに関する詳細なレポートを確認することができるため、ROIの測定と最適化を行いやすい環境が整っています。これにより、広告投資に対する費用対効果を適切に測定し、持続的な広告戦略の改善を続けることが可能となります。
3.3. スポンサーブランド広告利用時の注意点
スポンサーブランド広告を運用する際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、Amazonブランド登録が必要になる点です。
Amazonブランド登録とは、Amazon上で独自のブランドの商品を販売する際に、事前にブランド情報などを登録することができるサービスです。これを行うことで自社ブランドの商品が一元管理できます。また、ブランド登録をすると偽造品などが販売された際にAmazon側に取り消しを依頼することも可能になります。
広告を利用するという意味でも、ブランドを守るという意味でも、ブランド登録を行っておくことは不可欠ですが、ブランド登録を行うためには、そもそも「商標登録」をおこなっていなければなりません。
商標登録は特許庁への申請が必須で、申請から正式に登録されるまで半年から、場合によっては1年近くかかることもあるので早めに申請をしておくようにしましょう。
またブランド登録を行なうには、大口出品プランを利用していなければなりません。大口出品の場合、月額4,900円(税別)が固定費として発生することになりますが、下記のスポンサーディスプレイ広告の利用にも必要であり、加えてショッピングカートやFBAのサポートが含まれているため、固定費以上のメリットがあるといえます。
Amazonスポンサーブランド広告|運用のメリットや設定方法を解説!Amazonスポンサーブランド広告は、ブランド認知度の向上とストアページへの誘導を目的とした広告です。この広告は検索結果ページの最上部に表示され、画像、ロゴ、商品などを自由に配置し、ターゲットを絞ったキャッチコピーを配信することが可能。動画広告も掲載でき、ブランドストーリーを効果的に伝えることができます。このコラムでは、スポンサーブランド広告の特徴と運用のメリット、設定方法について詳しく解説します。 |
4. スポンサーディスプレイ広告の魅力
スポンサーディスプレイ広告は、商品を知らないお客様にも自然な形で商品をアピールできるAmazonの広告サービスです。スポンサーディスプレイ広告は、Amazon内のさまざまな配信面に表示されることから、購買意欲が高いお客様に効果的にリーチすることができます。
また、Amazonには膨大な顧客データが蓄積されており、このデータを活用することで、よりターゲットに合った広告展開が可能となります。スポンサーディスプレイ広告をうまく活用することで、販売促進はもちろんのこと、ブランド認知度の向上にも大きく寄与するでしょう。
4.1. スポンサーディスプレイ広告の特徴
スポンサーディスプレイ広告は、Amazonのトップページや商品詳細ページだけでなく、Twitchと呼ばれる動画配信用プラットフォームや、Amazon以外の外部サイトへ広告を表示することができるのが大きな特徴です。
商品詳細ページ右下に表示された広告
また、他のスポンサー広告とは異なり、キーワードや商品ではなく、商品やAmazonの関連サイトのユーザー行動をもとにターゲティングを行います。そのため、商品の購入検討段階や、実際に過去に購入実績のあるユーザーなどに絞って広告配信を行うことが可能です。
4.2. スポンサーディスプレイ広告を運用するメリット
Amazonでの広告運用において、スポンサーディスプレイ広告を利用するメリットは多岐にわたります。
第一に、スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告よりも、幅広い範囲に広告を配信できるので、より広いターゲットに対して新規顧客の獲得を狙うことができるようになります。AmazonはもちろんPrime Videoなどのショッピングシグナルに基づいて作成されたセグメントを利用することもできるのでマーケティング活動の幅が広がります。
第二に、広告の設定が柔軟であり、キャンペーンの予算や日程、ターゲットオーディエンスを細かく設定できることから、運営の効率化が図れます。特に、ユーザーの過去の行動に基づいたリマーケティングができるので、リピーターを狙った広告配信を効率的に行うことができます。
4.3. スポンサーディスプレイ広告利用時の注意点
スポンサーディスプレイ広告は、スポンサーブランド広告同様、Amazonブランド登録を行っていなければ利用することができません。そのためにも、早めに「商標登録」を行い、Amazonで販売を開始したらできるだけ早い段階でブランド登録をするようにしましょう。
また、Amazonスポンサーディスプレイ広告では、特定のキーワードや配信面を指定したターゲティングを行うことはできません。そのため、広告が意図していないキーワードや配信枠に対して表示されてしまい、予期しない広告費を消費する可能性があります。
広告費の無駄打ちを避けるためにも、定期的に広告キャンペーンのパフォーマンスをチェックし、必要に応じて広告設定を調整することが重要です。広告のクリック数やコンバージョン率などの重要な指標は常に確認する習慣を作り、広告の効果を確認するようにしましょう。
Amazonスポンサーディスプレイ広告|運用メリットや設定方法を解説Amazonプラットフォーム内外のさまざまな場所で表示される、Amazonスポンサーディスプレイ広告。マーケティング戦略における重要なツールとして、多くのEC事業者が活用しているこの広告について、本記事ではその特徴、運用メリットや始め方などを紹介しています。Amazonスポンサーディスプレイ広告に出稿を考えている方々にとって有益な情報を記載しているので、ぜひ参考にしてください。 |
5. AmazonDSP広告
オンライン広告市場で話題を集めるAmazonDSP広告ですが、これはDemand Side Platformの略称であり、データを基にターゲットを特定し、Amazon内外のウェブサイトやアプリに対して広告配信を行う高度な広告サービスです。
Amazonが保有する数十億にも上るショッピングパターンを活用するため、広告主は非常に幅広いターゲットにリーチし、効率的に広告を配信することができます。新規ユーザーの獲得を目指す広告主にとって、非常に価値のある広告といえます。
5.1. AmazonDSP広告とは?
AmazonDSP広告は、Amazonの膨大な顧客データを基にして、利用者が見込み顧客であるかを精緻に分析し、ターゲティングが可能なプラットフォームです。利用者の過去の購買履歴や検索行動、商品閲覧習慣など、Amazonが持つデータを活用することによって、広告の露出を最適化することができます。
利用することができるオーディエンスデータは、大きく2種類あり、「Amazon Core Audiences」とよばれるAmazonのデータベースをもとにセグメント活用するパターンと、「Advertiser Audience」といわれる広告主自身の保有するデータをAmazonのデータとかけ合わせて利用するパターンが存在します。
Amazonプライムビデオなどの独自メディアや、アフィリエイトサイトを含む広範なネットワークに広告を配信できるため、ブランドや商品への認知度向上、売り上げの促進、ロイヤルカスタマーの獲得を強力にサポートします。また、リターゲティングの精度にも優れており、商品ページに訪れたが購入に至らなかったユーザーなどへの商品の再訴求が可能です。
5.2. AmazonDSPの配信面
続いて、Amazon DSP広告が配信される配信面をご紹介します。
まず、Amazon内においては以下の場所に広告が表示されます。
・Amazonのトップページ
・検索結果ページ
・商品詳細ページ
・その他タイムセールページ、決済完了ページなど
検索結果ページ左に表示された広告
そしてAmazon外では主に以下の二つの広告ネットワークを介して広告が表示されます。
・Amazon Publisher Services(APS)
Amazon Publisher Services(APS)は、広告を出稿してもらって収益を得たいWebメ ディア側が活用するサービスです。Amazon DSPを利用すると、Amazon Publisher Servicesを利用するメディアのサイトやアプリにも広告を配信できるようになります。 広告主は、Amazonの豊富なデータとAPSが提供する広告最適化の利点を組み合わせ、 より効果的な広告キャンペーンを実施できるようになります。
・Google Ad Exchange
Google Ad Exchangeは、Googleが提供する世界最大規模の広告ネットワークです。 AmazonDSPを利用すれば、Amazonのデータを活用しながら、Googleと連携している Webメディアなどに広告を配信することができるようになります。Amazonとは違った ユーザー層へリーチすることができるので、購買意欲がまだ低い潜在層の顧客へのアプ ローチを図ることが可能です。
5.3. AmazonDSPの利用が向いているブランド
特にAmazonDSPの利用が向いているのは、ブランド認知度を高めたい新興のブランドや、新商品のローンチを目前に控えている企業です。
また、既存製品の売り上げを伸ばしたいと考えているブランドにとっても、ターゲットとなる消費者セグメントにダイレクトにアプローチできるAmazonDSPは絶好のプラットフォームになりえます。
一方で、AmazonDSPを利用するには一定の広告費が必要です。AmazonDSPでは、インプレッション課金の課金形式が採用されており、広告が1000回表示されることに費用が発生します。クリック課金される他の広告と違い、ユーザーが自社のページを訪れていなくても広告費が発生するので注意しましょう。
またAmazonDSPの最低出稿料金は、Amazonに直接依頼する場合は最低出稿金額が月額400万円程度($35,000)からと設定されています。広告代理店を利用する場合は小額からの運用も可能ですが、ほとんどの場合は運用手数料が加算されます。
ただし、広告代理店の場合は広告戦略の策定や広告バナーのデザイン、データ分析など、運用に関わる業務一切がプラン内に含まれることもあるので、各社のサービス内容を見比べ最適な会社を選ぶようにしましょう。
Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説Amazon DSP広告は、Amazon内外の多様な掲載面にターゲティングされた広告を配信することができるプラットフォームです。AmazonDSP広告を利用する広告主は、Amazonが提供するデータを活用して購買意欲の高い顧客にアプローチすることができます。 |
6. Amazon広告における基本的な運用戦略
消費者の購入意欲は、さまざまな行動や心理によって引き起こされます。Amazon広告で成功を収めたいのであれば、これらの消費者行動に細かく注目し、それに基づいたターゲティング戦略を練ることが重要です。
例えば、季節やイベントに応じた検索トレンドの変動を見極めたり、顧客のレビューや質問に潜むニーズを捉えることです。これらの情報を踏まえた上で、適切なキーワードを選定し、ターゲット層に合わせたアプローチを行うことが肝心となります。
6.1. 広告投資の成果を測定する指標 ACOSとは?ROASとは何が違う?
広告投資の成果を測定するためには、ACOS(Advertising Cost of Sales)やROAS(Return On Advertising Spend)といった指標の理解が不可欠です。
ACOSは、広告によって売り上げられた金額と広告にかかった費用の割合を示し、「広告費用が売上に占める割合」とも表現されます。したがってACoSは低いほど、広告の費用対効果が良いことを意味します。
一方、ROASは広告による収益が広告費用に対してどの程度の戻りがあったかを示し、投資効果の測定に用いられます。
ACOSとROASの算出方法
これら二つの指標は、どちらも重要ですが、ACoSはコストを、ROASはリターンの視点から評価するため、使用目的によって使い分けることが必要です。
6.2. 事業のフェーズに応じたKPI設計と運用を行なう
Amazonに限らず利益率を上げていくには、広告に頼らず商品が売れる状況を作り出すことが重要なポイントとなります。以下の図はAmazonにおけるビジネスのフェーズを示したものになります。
表示位置が上位に来やすい傾向があります。これはAmazonのアルゴリズムが表示順位を決定する際に販売実績を考慮しているためだと考えられます。
そこで広告を活用することによって、短期的に販売実績を積み上げ、そこから自然検索の上位表示を狙いにいくという動きが必要になります。このとき短期的にはACOSが上がってしまうことになりますが、それを度外視してでも実績を作れるかどうかが重要です。
逆に一定の売上を作り、検索結果でも上位を獲得できるようになれば、無駄な広告費を減らすためにキーワードやターゲティングの見直しを図るといった守りの戦略が必要になります。この場合には、ACOSを下げる方向の動きになります。
このようにビジネスや商品のフェーズによって、何を目的とし、どんなKPIを追うべきなのかを理解しておくことが、Amazon広告の運用では不可欠な考え方です。
6.3. 基本的な運用戦略
基本的にはスポンサープロダクト広告から運用していくのが一般的です。スポンサープロダクト広告に注力して検索結果画面での表示から販売実績を確実に作り、商品のSEO上昇に貢献できるようにすることが重要となります。
検索結果画面を抑える観点ではスポンサーブランド広告も有効ですが、上述のように、スポンサーブランド広告やスポンサーディスプレイ広告の運用には大口出品やブランド登録が必要になります。
またスポンサーディスプレイ広告は、基本的には商品ページ内での広告表示がメインとなるため、3つのスポンサー広告の中では優先度は低くなります。商品のカテゴリや競合の状況によっても変わりますが、予算の目安としては、
スポンサープロダクト | スポンサーブランド | スポンサーディスプレイ |
7 | 2 | 1 |
というイメージを持っておくとよいでしょう。後は実際に運用を進めながら、キーワードやターゲティングの設定などを微調整して行くことになります。
さらにAmazonにおける広告運用では、広告のことだけを考えれば良いわけではありません。実際に広告から流入してきたときに、買いたいと思わせる商品ページを用意しておく必要もあります。レビュー分析などを行い、ターゲットユーザーのインサイトに基づいて訴求するべきポイントなどを絞り込んでいきましょう。
7. まとめ
Amazonに出品するブランドにとって、Amazon広告は売上拡大に重要な役割をはたしています。一方でAmazonに参入するプレーヤーも増えているため、闇雲に広告を利用するのではなく、それぞれの広告の特性と、自社が追うべきKPIをしっかりと理解した上で、戦略的に広告運用を行なわなければ、顧客獲得に大きなコストがかかってしまう可能性もあります。
特に、狙うべきキーワードの見定めやターゲティングなどには、専門的な知識やスキルを求められる部分があります。そのため、広告運用に関するノウハウが不足している場合は、広告代理店やコンサルティングを活用するという選択肢も考えておきましょう。
Amazon広告運用は「株式会社GROOVE」にご相談ください!
Amazon広告代理店へのご依頼は、是非「株式会社GROOVE」へご相談ください。株式会社GROOVEでは、Amazon専門コンサルとして、Amazonでの販売に関連する戦略の提案から、マーケティング施策の実行、日々の細かなレポーティングにいたるまで、豊富な経験と専門知識を活かしてブランド様のAmazon運用をトータルサポートします。
また、ご予算や目標に合わせた最適な広告戦略の策定や高品質な広告デザインの作成、データ分析に基づいた運用の最適化によって、広告パフォーマンスの最大化を図ります。Amazon内の広告はもちろん、AmazonDSPの運用やSNS活用による集客の強化などのご要望にも対応しています。どんな些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。