Amazonの運用代行はどう選んだらいい?費用相場やメリット・選び方を徹底解説!
目次
1. Amazon運用代行サービスにできること
まずはじめに、そもそもAmazonの運用代行サービスで依頼できる主な業務内容を解説します。
Amazon運用代行を名乗るサービスは様々に存在しますが、基本的にはその名のとおり、運用に関わるすべての業務を請け負っています。
当然商品在庫の確保など、一部自社で行わなければならない業務は存在しますが、多くの場合、出店の手続きのサポートから、商品ページ作成、商品撮影、商品登録、日々の運用まで一貫した業務を依頼することができます。
以下は依頼できる主要な業務の一覧です。
- 市場調査
- 商品の企画と販売戦略の作成
- 商品価格の提案
- クリエイティブの作成
- 商品ページの改善
- ストアページの作成
- レビュー獲得施策の実施
- セール対応
- Amazon広告運用
- 物流体制の改善提案
1.1. 市場調査
Amazonで売上を伸ばすには、まず自社の商品がAmazonでの販売に適しているか、売れるとしたらどの程度まで市場シェアをとれるのかを考えなければなりません。市場調査を行うことでこれらの数字が可視化され、具体的な目標を定めることができます。
1.2. 商品価格の提案
市場調査の結果、売れにくいと判断された場合には商品価格の見直しや、そもそもの商品企画といった、より上流の戦略から見直すことができます。これにより販売機会を最適化して利益額の最大化を図ります。
1.3. クリエイティブの作成
ECでは直接商品を手にとって確認することができないため、画像での訴求が非常に大きな意味を持ちます。また多くのAmazonユーザーがメイン画像をみて商品ページをみるかどうか判断しているため、良いクリエイティブを作ることはそのままAmazonでの売上に直結します。
1.4. 商品ページの改善
実際にメイン画像をクリックした後にたどり着くのが商品ページです。商品ページはユーザーに細かい商品の特徴を伝えるだけでなく、SEO対策やコンバージョン率などの総合的な観点から商品ページの改善を行う必要があります。
1.5. ストアページの作成
ブランド権限を保有している出品者であれば、ストアページも重要な役割を果たします。ストアページを造り込み回遊動線を整えることで、ユーザーの意識を競合商品との比較から、自社内での比較に切り替えることができます。
1.6. レビュー獲得施策
Amazonにおけるカスタマーレビューの獲得はSEO対策の観点からも、信頼性を向上してコンバージョン率を高める観点からも重要な要素です。
レビューを記載することでインセンティブが発生するような施策はAmazonの規約違反になりますが、顧客満足度を高めて顧客自身がレビューを書きたくなるような施策提案を行う必要があります。
1.7. セール対応
Amazon出品者にとって、セールは売上を大幅に伸ばすチャンスといえます。Amazonのセールイベントに合わせた戦略を立て、効果的なプロモーションを実施することは出品者にとって不可欠です。
どれくらいの割引幅が最適かやどれくらいの在庫の確保が必要かなどを見極め、広告投資の効果を最大化させることでセール後にも売上のベースラインの向上が見込めます。
1.8. Amazon広告の運用
Amazon広告の運用はAmazonでの販売促進に欠かせない要素です。Amazon広告を利用することで、販売開始直後など、SEOで上位に表示されるのが難しい場合でも商品ページへのトラフィックを増加させ、販売実践を作り上げることが期待されます。
Amazon広告の運用にあたっては、ACoSの最適化を目的とした運用を行う必要があるのはもちろんのこと、売れるキーワードを見つけ出すことやアカウント全体での広告効率を意識することが重要になります。
1.9. 物流体制の改善提案
在庫管理と物流体制の構築は、Amazonでのビジネスの成功に直結します。Amazonへの出品にあたっては基本的にはFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用するほうがメリットは大きくなります。
しかし商品の特性や利益率の観点からFBAの利用が難しい場合もあります。その場合には、在庫管理システムの導入や物流倉庫との契約を独自に進めていかなければなりません。いずれにせよ、効率的な在庫管理と迅速な配送を実現できる物流構築が、顧客満足度を高め、リピーターを増やすことに繋がります。
Amazon運用代行サービスの提供者の役割は、これらの施策の最適化を図り売上を最大化させることにあります。
2. Amazonの運用代行の費用体系・相場
Amazonの運用代行サービスには、主に以下の3種類のパターンの料金体系が用意されています。
- 固定報酬型
- 成果報酬型
- 複合型
ここでは、この3つの料金体系についてそれぞれ説明していきます。
2.1 固定報酬型
固定報酬型では、毎月一定額の報酬を運用代行業者に支払います。売上に関係なく固定の料金を支払い続けるため、予算管理がしやすく、売上が増えてもコストが変わらないのが大きなメリットです。
費用相場としては、月額5万円〜50万円程度が一般的ですが、広告運用を依頼する場合は別途費用が発生することがあります。
サービスの内容にもよりますが、低価格なサービスでは個人事業主や小規模な出品者向けにプラン設計をされていることが多く、サービスの内容としても、やるべき最低限の施策をカバーする程度の場合もあります。
ブランド力がある企業や一定の施策を行なったうえで伸び悩んでいる出品者の方であれば、低価格プランでは今以上の成長はあまり期待できません。最低でも30万から50万のプランを想定しておくと良いでしょう。
2.2. 成果報酬型
成果報酬型は、売上が発生した際にその売上額に応じて一定の割合を報酬として支払う形式です。場合によっては「月商500万円までなら5%、500万円以上なら8%」 、のように同じ会社でも売上金額によって支払う割合が変わることもあります。
費用相場は売上に対する5%〜20%に設定されていることが多く、月商として1000万円程度なら固定報酬の方が安く済む場合があります。
成果報酬型では、成果、つまり売上が出なければコストは発生しません。一方で売上が増えた場合には支払額が高くなります。そのためビッグセール時や商材がよく売れる季節のイベント時などにコストが集中しやすくなります。
2.3. 複合型
複合型は、上記の固定報酬型と成果報酬型が組み合わさった報酬形態です。複合型では毎月定額の基本報酬を支払いながら、売上に応じた追加報酬を支払うことになります。
費用の相場は、固定報酬が5万円〜20万円程度に、売上に対する3%〜10%が成果報酬として上乗せされます。
見た目の上ではコストとして大きくなりそうに見えますが、例えば月商が2000万の場合、単純な成果報酬で20%を支払った場合、毎月400万の支払いとなりますが、固定費で20万円に売上の10%が上乗せされると、毎月220万の支払いになります。
この様に、売上が大きいほど、単純な成果報酬よりも複合型のほうがコストが押さえられる可能性があります。
3. Amazonの運用代行に依頼するメリット
ここでは運用代行を利用するメリットについて解説します。
3.1. 効果的に売上増を狙える
Amazonの運用代行最大のメリットは、Amazonという独自性の強いモールにおいて、専門的な知識と経験豊富なプロフェッショナルの手を借りることができる点にあります。
トップレベルの代行業者であれば、単純に商品ページを整えたり、SEO対策を行うだけでなく、Amazonで売れる商品の見極めから、販売戦略の策定、キーワードやターゲティングごとの広告運用の最適化に至るまで、コストを押さえながら売上を最大化させることができます。
3.2. 場合によってはコスト削減に繋がる
運用代行を依頼することで、コストが下がる場合もあります。自社内での人材育成は長期的には目指していくべきではありますが、知見がない中で自社のみで解決しようとすると社員の教育費や残業代などの人件費が増大してしまいます。
社内に知見がない場合、個人のフリーランスを雇うことも可能ですが、楽天などの他のモールの運用やSNSなど施策毎に人を雇うとコストとコミュニケーション工数が増大します。
Amazon運用代行サービスを提供している会社の多くが楽天など他のECモールにも精通しており、パートナーのネットワークも保有しています。そのため、一社に頼めば、まとめて運用や改善を行ってくれ、手数料やコミュニケーション工数を削減することができます。
4. Amazonの運用代行に依頼するデメリット
つぎに運用代行を依頼する場合のデメリットについて説明します。
4.1. 成果が保証されるわけではない
運用代行を利用すれば業務の工数の削減は実現できるものの、売上という観点では、必ずしも期待通りの成果が得られるとは限りません。
そもそも事業者のフェーズや市場環境、商品の特性など売上に直接的な影響を与える要因は様々にあり、商材によってはそもそも市場が衰退していて伸びしろがない場合やAmazonでの販売価格に適していないことなどもあります。
その場合は経験豊富なプロフェッショナルでも思うように売上が伸ばせない可能性があります。またAmazonへの参入企業が増え競争が激化していることから一定の広告費がなければ、そもそも露出すら難しい状況も発生します。
良い運用代行サービスであれば、事前にAmazonにおける市場を分析し、その商品がうれるポテンシャルがあるか見極めた上で戦略を組み立てます。そのため、複数社から見積もりを取る際には、同カテゴリの他の商品の近況や自社の商材の伸びしろなどを担当者に確認するとよいでしょう。いずれにせよ、運用代行サービスといえど、成果保証がないことを理解し、リスクを考慮した上で依頼することが重要です。
4.2. 社内にノウハウが蓄積されない
外部の運用代行サービスを依頼することで、社内の担当者に、Amazon運営のノウハウやEC運営のスキルの蓄積が進みにくくなる可能性があることも念頭においておきましょう。
特に長期的な視点で見ると、自社内での知識や経験がたまらないままだと運用代行に費用を払い続けなければならなくなってしまいます。
とはいえ、知見がなければそもそも販売数を増やすことができませんし、良い運用代行サービスであれば、運用方法やレポーティングが体系化されているため、定例の打ち合わせを通じて自社内に知見をためやすくなっています。社内の担当者と代行サービスの担当者の連携さえうまくいけば、多くの場合自社にとって有益なものとなります。
また、将来的に自社で内製化したい場合は伴走してくれる会社や研修サービスを提供している代行事業者を選ぶと良いでしょう。
5. 失敗しない!Amazon運用代行の選び方
Amazon運用代行サービス選びで失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
- 自社の課題を明確にする
- 依頼したい業務を請け負ってくれるか
- 課題解決の具体的な手段を持っているか
- 売上だけではなく利益が増やせそうか
- 専門性の高い運用メンバーがいるか
5.1. 自社の課題を明確にする
まず、一番重要なことは、自社が抱える課題やニーズを明確にすることです。課題が明確でないまま運用代行を頼ろうとすると、打ち合わせ時に必要以上のサービスを追加され、想定より高い手数料の支払いを求められるリスクがあります。
売上の増加、広告運用の最適化、在庫管理の効率化など、今自社がなにに困っていて、具体的にどれくらいまで伸ばしたいのか、自社でどこまでできるのかを明確化し、その目標を達成するために必要なサポート内容を整理しましょう。そうすることで最適な運用代行業者とプランを選びやすくなります。
5.2. 依頼したい業務に対応できるか確認する
上述の自社の課題に繋がることでもありますが、その課題に対して解決できるのか、サービスの対応範囲に入っているのかはしっかりと確認しておきましょう。
運用代行サービスでは、企業や料金プランによって対応する内容が異なります。事前にプラン内容に目的のサービスが含まれているか確認しておかなければ、対応できないと断られてスポットで別のサービスを利用することになったり、より上位のプランで再契約しなければならなくなるなど、予期せぬ費用やトラブルが発生する恐れがあります。
そのような事態を回避するためにも、自社の抱える課題やサービス利用の目的を明確にし、それらを任せるのに最適なサービスを選定するようにしましょう。
5.3. 解決の具体的な手段を持っているかを確認する
運用代行会社を選ぶ際は、メールでの問い合わせや担当者との打ち合わせを通じて、具体的な課題解決の手段を持っているかどうかを必ず確認しましょう。
代行業者のWeb サイトやサービス資料に、「 ○○に対応可能」と記載されていても、多くの代行サービスが自社をよく見せようとしているため、実際にはその課題を解決したことがないということもあり得ます。
そのため打ち合わせ時に、具体的にどのような対策を行うのかをしっかりと聞き、それが一般論や抽象論ではなく具体性を帯びているかを直接確認しておきましょう。そのような意味では支援の実績を確認することも有効です。
5.4. 売上だけではなく利益率を考慮する
運用代行を利用して売上が上がったとしても、最終的に運用代行業者に支払うコストや売上を作るために使った広告費などの販促費が高すぎると、事業としての利益は発生しません。
プランを提示された際にどのくらいの売上が見込めるかだけではなく、そのためにどれくらいの販促費が発生するか、最終的な利益率はどの程度かまでしっかりと確認しましょう。
特に広告費は、契約時には想定していた金額であっても、実際に運用を任せ始めると次から次へと広告投資を求められる場合があります。金額だけではなく、ACoSやRoasをどのくらいの目標におき、どの期間が投資フェーズでどこからが投資を回収するフェーズとして設計された戦略なのかも意識しておくようにしましょう。
5.5. 専門性の高い運用メンバーがいるかを確認する
最後のポイントは専門性の高い運用メンバーがいるかどうかです。例えば、元Amazon社員や、Amazon運用経験が長いデザイナーや広告担当者などです。
Amazonには特有のルールや仕様が存在します。それらの対処法は検索すれば簡単に解説した記事などがでてきますが、実際にそのような一般論通りにやってみても上手く行かないことがほとんどです。
実際に運用経験が豊富であれば、そのような問題も解決できるため、専門性の高いメンバーの在籍は必須の条件といえます。また実際にメーカーとして商品を販売してベストセラーやカテゴリでのトップシェアを獲得したことがあるような会社であれば、そのノウハウが体系化され社内に蓄積されていることがほとんどです。
6. まとめ:良い運用代行の条件とは
以上で説明した内容をもとに、良いAmazon運用代行とはどのようなものかをまとめると以下のようになります。
- 市場調査や明確な数的根拠から課題を見つけ出せる
- 改善したい課題や任せたい業務に即した具体的な解決策を盛り込んだプランを提案してくれる
- 売上だけでなく利益率まで考慮した戦略設計を示してくれる
- 自社と同じカテゴリの商品や規模感の企業の支援実践がある
- Amazon出身者が在籍していたり、自社でメーカー業も行うなど社内にAmazonに対する知見が溜まっている
- 丁寧なレポーティングの共有や研修サービスなど将来的に内省化するためのサービスを提供している
もちろん会社の規模やECへの注力度合いによって、運用代行サービスに対して使える予算は限られますが、値段だけを考えてしまうと想像していたような利益の拡大や工数の削減が実現できなくなります。
どこの会社でも同じようなサービス内容だろうと決めてかかるのではなく、まずはインターネットやSNSなどで情報を集め、ここの会社の話を聞いてみたいという会社を、予算の金額帯を分けて複数社ピックアップすることをおすすめします。
その後各社からの提案や見積もりの提示にあたって気になるポイントをしっかりと担当者に質問し、どのサービス提供者に依頼するのかを見極めると良いでしょう。
Amazon運用代行サービスなら「株式会社GROOVE」 がおすすめ!
私たち株式会社GROOVEはメーカーから創業し、実際にAmazon内に出品する中で多くの商品でベストセラーを獲得してきました。またAmazon出身者やメーカーでのEC運営担当者が多く在籍していることもあり、その知見とノウハウを生かし、Amazon内でのSEO対策やクリエイティブ、商品ページの作成、効率的な広告運用などを通じて多くの企業様でベストセラーの獲得を成功させてきました。
またGROOVE独自のツールを用いることで、Amazonにおける市場調査を行ない、商材とAmazonとの相性、現状の市場シェア、商品の売上の伸びしろなどを総合的に判断したうえで、商品戦略や販売戦略、Amazon事業全体での成長戦略を短期・中長期でご提案することが可能です。
さらに長期的に内製化を考えている企業様のためにも、研修サービスをご用意しているだけでなく、定例の打ち合わせにおける緻密なレポーティングとノウハウの共有、Amazonのアップデート情報のご共有、出品者様限定での定期的なセミナやイベントの開催などをおこなっています。
mazonの運用代行サービスのご利用や、現在の運用代行からの乗り換えをご検討中の方は、是非一度、株式会社GROOVEまでお問合せ下さい。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。