楽天市場のECコンサルタント(ECC)と楽天外のECコンサル企業(楽天コンサル企業)との違い

楽天市場での成功には、戦略的な運営支援の活用が不可欠です。本記事では、楽天社員であるECC(ECコンサルタント)と、民間の楽天特化型コンサル企業の違いを明確に整理し、どちらが自社に適しているのかを判断するための基準を提示します。対応体制、専門性、コスト、成果へのコミットの違いを理解することで、最適なパートナー選びが可能になります。楽天市場における成長戦略の設計に、ぜひお役立てください。

 

 
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目次

  • 1. 楽天市場のECコンサルタント(ECC)とは


  • 2. 楽天外のECコンサル企業(楽天コンサル企業)とは


  • 3. 両者の基本的な違いと特徴


  • 4. 役割と仕事内容の詳細比較


  • 5. それぞれのメリット・デメリット


  • 6. 活用方法と付き合い方の違い


  • 7. どちらを選ぶべきか:判断基準


  • 8. まとめ


 

1. 楽天市場のECコンサルタント(ECC)とは

楽天市場のECコンサルタント(ECC)とは、楽天社員として各店舗にパートナーとして配属され、メールや電話で店舗運営のサポートを行う楽天の公式コンサルタントです。

ECCの基本情報

楽天ECCは中途入社も多く、前職は人材業界、広告営業、コンビニのスーパーバイザー、店舗管理経験者など様々なバックグラウンドを持つ人材で構成されています。一人のECCが約100店舗ほどの楽天店舗を担当していると言われており、これが後述する対応の特徴にも影響しています。

ECCの組織構造

楽天ECC内では「新規出店営業」と「出店店舗様へのコンサルティング営業」が主な業務として分かれており、それぞれが独立した部署として機能しています。出店者サポートを行うECCは、店舗運営のアドバイスや企画提案が主な仕事内容となっており、「お店や商品のよさをネットでどのように伝えるか」を出店者と共に考え、繁盛店へ成長させていくことがミッションとなっています。

コミュニケーション方法

基本的にはメールと電話でのサポートがメインですが、店舗訪問や楽天EXPOなどの楽天イベントで対面相談することもあります。また、各地の楽天支店に店舗が来訪することも可能で、多様なコミュニケーション手段が用意されています。

ただし、ECCの転勤などにより担当ECCが変わることも多く、継続的な関係構築において課題となる場合があります。技術的な質問については、ECCではなく楽天のサポート窓口への問い合わせとなる点も理解しておく必要があります。

 

2. 楽天外のECコンサル企業(楽天コンサル企業)とは

楽天外のECコンサル企業とは、楽天に出店している店舗に対して、コンサルティングや運用代行を行う民間企業や個人コンサルタントを指します。これらの企業は楽天とは独立した第三者の立場から、店舗の成長をサポートします。

楽天コンサル企業の特徴

一般的な楽天のECコンサル企業は、楽天市場での売上拡大に特化した専門的なサービスを提供します。売上アップに向けた施策立案、検索広告の提案や運用代行、商品ページの改善案作成など、楽天で売上を増やしていくための戦略と戦術を考えてアドバイスするのが主な役割です。

サービス内容の専門性

楽天外のコンサル企業は、楽天市場に特化した深い知識と経験を持ち、データ分析に基づいた具体的な改善提案を行います。これらの企業は通常、楽天市場での成功事例を多数持ち、業界のトレンドや最新の手法に精通しています。

契約形態と関係性

楽天外のコンサル企業との関係は契約ベースであり、店舗側が主体的にサービスを選択し、費用を支払って利用します。このため、店舗のニーズに応じたカスタマイズされたサービスを期待できる一方で、コストが発生することも特徴の一つです。

 

3. 両者の基本的な違いと特徴

楽天ECCと楽天外のECコンサル企業の最も基本的な違いは、「サポーター」と「コンサルタント」という役割の違いにあります。

立場と目的の違い

楽天ECCは楽天社員として、楽天市場全体の売上拡大を最終目的としています。そのため、店舗の利益よりも楽天市場での売上増加を優先する傾向があります。一方、楽天外のコンサル企業は、店舗の利益最大化を主目的とし、店舗の成功が自社の成功に直結するため、より店舗側の立場に立ったアドバイスを提供します。

対応可能な店舗数

楽天ECCは一人あたり100~200店舗を担当しているため、個別店舗への対応時間に制限があります。これに対し、楽天外のコンサル企業は契約に基づいて担当店舗数を調整できるため、より手厚いサポートを提供できる可能性があります。

専門性の違い

楽天ECCは店舗運営全般に関する幅広い知識を持つ一方で、楽天外のコンサル企業は特定の分野(広告運用、SEO対策、商品ページ最適化など)に特化した深い専門性を持つことが多いです。

コスト構造

楽天ECCのサービスは楽天市場への出店料に含まれているため、追加費用は発生しませんが、楽天外のコンサル企業のサービスは別途費用が必要になります。

 

4. 役割と仕事内容の詳細比較

楽天ECCの仕事内容

楽天ECCの主な仕事内容は以下の通りです:

店舗分析と目標設定

  • 店舗のデータをアクセス解析し、売上目標を設定
  • 月別、季節別の売上傾向分析
  • 競合他社との比較分析

施策提案

  • 広告やセール・楽天ポイントなど、売上拡大の施策提案
  • メルマガ配信などの販促施策の提案
  • 楽天市場内のイベント参加提案

運営サポート

  • 仕入や商品開発など、店舗運営全般のアドバイス
  • 店舗からの相談対応
  • 楽天市場のルール変更やイベント情報のアナウンス

広告関連業務

  • 楽天市場内広告の提案と販売
  • 大型イベント時の特集ページ広告の調整
  • 広告効果の測定とレポート

楽天外のコンサル企業の仕事内容

楽天外のコンサル企業の主な仕事内容は以下の通りです:

戦略立案

  • 売上アップに向けた包括的な戦略設計
  • 市場分析に基づく競合戦略の立案
  • 中長期的な成長計画の作成

専門的な運用代行

  • 検索広告の運用代行
  • 商品ページの最適化
  • SEO対策の実施

データ分析とレポーティング

  • 詳細なデータ分析と改善提案
  • ROI分析と費用対効果の測定
  • 定期的な成果レポートの提供

カスタマイズサービス

  • 店舗の特性に応じたオーダーメイドの提案
  • 業界特化型のノウハウ提供
  • 専任担当者による継続的なサポート

仕事内容の比較表

0805表

 

5. それぞれのメリット・デメリット

楽天ECCのメリット

  1. 大口広告購入でのメリット 楽天市場では季節のイベントやセールごとに特集ページが組まれ、そこに大型の広告が掲載されます。これらの上位表示される広告は楽天ECCを経由しなければ購入できない枠が多く、特に500万円以上の広告予算を確約している店舗には優先的に販売されます。
  2. 他店舗の成功事例を知ることができる 楽天ECCは100~200店舗を受け持っているため、様々なジャンルの成功事例や経験値を蓄積しています。自社と同規模の店舗や、より大きな売上を上げている店舗の取り組みについて情報を得ることができます。
  3. 売上アップ方策の提案 楽天ECCの評価基準に「昨年よりも売上が増える」「昨年よりも広告費が増える」という要素があるため、積極的に売上アップの方法を提案してくれます。
  4. 無料でのサービス提供 楽天市場への出店料に含まれているため、追加費用なしでコンサルティングサービスを受けられます。

楽天ECCのデメリット

  1. 対応にタイムラグがある 100~200店舗を1人で受け持っているため、どうしても売上が高い大型店舗への対応が優先され、小規模店舗は後回しになる傾向があります。
  2. 担当者の異動が頻繁 楽天ECCは全国異動の可能性があるビジネスパーソンのため、定期的に担当者が変更になり、その都度関係構築が必要になります。
  3. スキルや経験に依存 担当ECCのスキルや経験値により、受けられるサポートの質に大きな差が生じる可能性があります。
  4. 楽天の利益優先 最終的な目的が楽天自体の売上利益拡大であるため、店舗の利益よりも楽天市場での売上増加を優先する提案になる場合があります。

楽天外コンサル企業のメリット

  1. 専門性の高いサービス 特定分野に特化した深い専門知識と豊富な経験を持ち、データ分析に基づいた具体的で実践的な改善提案を受けられます。
  2. 店舗の利益を最優先 店舗の成功が自社の成功に直結するため、店舗の利益最大化を主目的とした提案を受けられます。
  3. 手厚いサポート 契約に基づいて担当店舗数を調整できるため、個別店舗への対応時間を十分に確保できます。
  4. 継続的な関係 担当者の異動が少なく、長期的な関係を築きながら継続的なサポートを受けられます。
  5. カスタマイズ対応 店舗の特性や業界の特徴に応じたオーダーメイドのサービスを提供してくれます。

楽天外コンサル企業のデメリット

  1. コストがかかる 専門的なサービスには相応の費用が必要で、売上規模によっては投資対効果を慎重に検討する必要があります。
  2. 楽天内部情報の限界 楽天市場内部の最新情報やルール変更については、ECCからの情報に比べて遅れる場合があります。
  3. 楽天広告の制限 楽天ECCでしか購入できない広告枠へのアクセスができません。
  4. 店舗運営全般のサポート不足 売上向上に特化している分、店舗運営全般のサポート(技術的な問題など)には対応していない場合があります。

 

6. 活用方法と付き合い方の違い

楽天ECCとの効果的な付き合い方

  1. 年間売上と広告費の共有 楽天ECCの評価基準である売上と広告費を共有することで、同じ目標に向かって進めるようになります。お互いの目標を明確にすることで、効果的な協力関係を築けます。
  2. 年間スケジュールの把握 月別の売上ピークを把握し、それに合わせた商品開発、ページ作成、広告投下のタイミングを決定します。年間を通じた戦略的な取り組みが可能になります。
  3. 店舗の意志を明確に伝える 現状の課題、売上目標、広告予算、理想的な店舗像を明確に伝え、それに基づいた具体的な提案を求めます。
  4. 積極的なコミュニケーション 100~200店舗を担当している中で、積極的に情報共有や相談を行い、優先度を上げてもらう努力が必要です。

楽天外コンサル企業との効果的な付き合い方

  1. 明確な目標設定 具体的な売上目標、期間、予算を明確に設定し、それに基づいたサービス内容を契約で取り決めます。
  2. 定期的な効果測定 ROIや各種KPIを定期的に測定し、施策の効果を客観的に評価します。
  3. 長期的なパートナーシップ 短期的な成果だけでなく、中長期的な成長戦略を共有し、継続的なパートナーシップを築きます。
  4. 情報の積極的な提供 店舗の商品特性、顧客属性、競合状況など、詳細な情報を提供することで、より効果的な提案を受けられます。

 

7. どちらを選ぶべきか:判断基準

楽天ECCが適している場合

店舗規模が小~中規模の場合 月商数百万円程度の規模で、まずは楽天市場での基本的な運営方法を学びたい場合は、無料で利用できる楽天ECCが適しています。

楽天市場への出店初期段階 楽天市場のルールやシステム、イベント情報など、基本的な情報収集が主目的の場合は楽天ECCで十分対応可能です。

大型広告を活用したい場合 年間数百万円以上の広告予算があり、楽天市場内の特集ページへの広告出稿を検討している場合は、楽天ECCとの連携が必須です。

コストを抑えたい場合 追加費用をかけずにコンサルティングサービスを受けたい場合は、楽天ECCの活用が適しています。

楽天外コンサル企業が適している場合

月商数千万円以上の大規模店舗 既に一定の売上規模があり、さらなる成長を目指す場合は、専門的なノウハウとカスタマイズされたサービスが必要です。

特定分野での専門的な改善が必要 広告運用、SEO対策、商品ページ最適化など、特定分野での専門的な改善が急務の場合は、その分野に特化したコンサル企業が適しています。

店舗の利益最大化を重視 売上だけでなく利益の最大化を重視し、費用対効果を厳密に管理したい場合は、店舗の利益を最優先に考えるコンサル企業が適しています。

継続的で密接なサポートが必要 担当者との長期的な関係を築き、店舗の特性を深く理解したサポートを受けたい場合は、楽天外のコンサル企業が適しています。

併用という選択肢

多くの成功している店舗では、楽天ECCと楽天外コンサル企業の両方を活用しています。楽天ECCからは楽天市場内の情報や大型広告の情報を得つつ、楽天外コンサル企業からは専門的な戦略や運用代行サービスを受けるという使い分けが効果的です。

 

8. まとめ

楽天市場のECコンサルタント(ECC)と楽天外のECコンサル企業には、それぞれ異なる特徴と役割があります。

楽天ECCは楽天市場での店舗運営全般をサポートする「サポーター」的な存在で、無料で利用でき、楽天市場内の最新情報や大型広告へのアクセスが可能です。一方で、対応時間の制限や担当者の異動、楽天の利益優先という制約があります。

楽天外のECコンサル企業は売上拡大に特化した「戦略コンサルタント」的な存在で、専門性の高いサービスと店舗の利益を最優先とした提案を受けられます。ただし、費用が発生し、楽天内部情報へのアクセスに制限があります。

どちらを選ぶかは店舗の規模、成長段階、予算、求めるサービス内容によって決まります。小~中規模の店舗や楽天市場出店初期段階では楽天ECCが適しており、大規模店舗や専門的な改善が必要な場合は楽天外のコンサル企業が適しています。

多くの成功事例では両者を併用し、それぞれの強みを活かしながら店舗成長を実現しています。重要なのは、自店舗の現状と目標を明確にした上で、最適なサポート体制を構築することです。

楽天市場での成功には、これらのコンサルティングサービスを戦略的に活用し、継続的な改善を行っていくことが不可欠です。どちらの選択肢も一長一短があるため、店舗の状況に応じて最適な組み合わせを見つけることが、楽天市場での長期的な成功につながるでしょう。

 

 
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kengotanaka

監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。

【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531


 


matsuoka

執筆者 : 松岡 孝明
 株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。
現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。


 


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