大企業ですら海外進出を失敗する理由

越境ECという言葉はメーカーやEC界隈を中心に、2015年頃から使われるようになったといわれています。

しかし、越境ECにおいて販売に至るまではそう難しくないものの、成功する上での難易度は容易なものではありません。そのため、対策としては「国」「販路」「商品」ごとに最適化を目指していく必要があります。

本記事では、越境ECについて分かりやすく解説した上で、越境ECの失敗事例や成功事例などを交えながら、越境ECの対策についてお伝えしていきます。

 

 

そもそも越境ECとは

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近年「DC2」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、「越境EC」がメーカーやEC界隈を中心に流行していた時期もあります。

越境ECを一言でいうと、日本のメーカーが海外に販路を持って直接販売することです。越境ECを用いた戦略では、商社や小売りを経由するところをECを中心に行います。

越境ECは国境を越えるECですので、国をまたいで商品の販売を行います。2019年頃までは、流通系メディアや雑誌において「越境EC」や「オムニチャネル」といった言葉が頻繁に使われていました。 

近年、越境ECという言葉をあまり聞かなくなった理由として、多くの企業が失敗したこととも関係しています。越境ECは販売に至っても、成功まで辿り着ける企業は少ない傾向にありました。

 

ニーズは共通ではない


日本国内においても商品のニーズは共通していません。例えば、Amazonと楽天では商品の売り方が違えば、広告の出し方、あるいは客層も異なります。

例として、ベトナムで自社の商品を販売するケースを考えてみましょう。ベトナムで自社の商品を販売する場合、「ベトナムってこうだよね」や「だからこういうのが売れるのではないか」くらいの粒度で語っていも、商品は決して売れません。

商品を売るためには、ベトナムという市場におけるGDPやEC化率、マーケットサイズや成長率を考慮する必要があります。

また、Shopee※1 やLazada※2 といったべトナムのマーケットについて理解し、その違いや、モール毎にその中で売れるキーワード、自社が参入しやすいマーケットをしっかりと選定しなければいけません。

日本企業が海外に進出する際は、EC化率や法律の違いや物流の話、あるいは翻訳の話ばかりしている傾向があります。一方、消費者には注目せず、消費者の傾向などを理解しようとしない企業は少なくありません。

日本の2015~2017年くらいまでは、商品を販売にこぎつけることで盛り上がるばかりで、現在も海を渡った在庫が多くある状況です。

※1:Shopee(ショッピー)は東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォームです。 企業のデジタル化とオンラインプレゼンスの強化、多くの人々のデジタルサービスへのアクセス、更には現地社会の活性化を支援することで、多方面と繋がるデジタルエコシステムを実現しています。 ショッピージャパン株式会社:https://shopee.jp/

※2:Lazada(ラザダ)は、Shopeeと並び東南アジア地域の2大ECプラットフォームと称されています。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどの国々で利用可能で、多数の売り手と幅広い買い手基盤を結びつけています。 Lazada Japan:https://lazada.jp/

 

越境ECの失敗事例


日本にマーケットがあり、Amazonにも出店を行っていた店舗の中にも、越境ECに失敗した企業の事例があります。この企業は商品の説明文などを翻訳し、広告を出して、アメリカのAmazonに出店したものの、高い利益を上げることはできませんでした。

その原因として、商品がアメリカ人のユーザーから見向きもされなかったことが考えられます。

販売者は出店の際に「日本のマーケットでたくさん売れてい、品質もよいのだから、アメリカでもいけるだろう」と期待していました。しかしアメリカに送った在庫のうち、3分の1程度しか売れなかったといいます。

売れた3分の1の商品にも特殊性が見られ、その商品を購入した人のほとんどが中国人でした。アメリカ在住で、かつそのブランドを既に知っている中国人が主に購入しており、新しいマーケットを開拓しているとはいえない結果となったのです。

また、20~30%オフの期間を設けると、その期間に限り売れ、オフ期間が終わると売れなくなるという傾向もありました。

 

リデザインをする

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ブランドが保有する商品やカルチャー、技術があったとしても、現地の人のニーズや好みに合うようリデザインすることが重要です。

例えば、日本の寿司がカリフォルニアロールとしてアメリカで受け入れられたのは、海苔を内側にしたりゴマを表面につけたりといった、アメリカ人に好まれるような工夫をしたからこそです。

極端にいうと、ブランド名が現地では意味のないものになっていることもあります。例えば、アメリカではソニーが有名ですが、日本のブランドとしてアメリカ市場で認知されているわけではありません。

アメリカ市場ではMade in Americaを好む傾向にあるものの、Made in Japanには興味を持たれにくく、かつ効力がないといわれています。日本ブランドを販売する際は、アメリカのブランドと比較して尖っていたり、商品価値があるものを作ったりしなければなりません。

商品を売るためには、アメリカのユーザーが何を求めているのか?を深掘りし、日本に居ながらにしてアメリカのユーザーに受け入れられる商品を考える必要があります。

 

いま越境ECをやるなら


例えば、メーカー勤務で越境ECを進めていかなければならない立場にある人がいた場合、越境ECをサポートしてくれる会社に対して、どこまで任せるべきなのか明確にしておく必要があります。

越境ECをサポートする会社に相談すると、「どのような国であっても進出可能で、販売まではできます。」と言われることがほとんどです。

この「できる」にはAmazon.comのアカウント作成代行なども含まれており、情報弱者を相手にしているケースも少なくありません。コンサルというよりも運用代行寄りの会社も多く、販売戦略に関するサポートなどは期待できません。

3C分析(Customer/Company/Competitorという3つの “C” について分析する方法)を全て行った上で、越境ECを扱う企業に法律的問題を任せるといった方法をとるのがよいでしょう。

※3C分析についてはこちらの記事をご参照ください。

Amazon.comなどのアカウントを「まずは取得する」といった考えはおすすめしません。また、社内に越境ECは難しいという考え方を植え付けてしまうのはもったいないことです。

日本のモノづくりのレベルは高いため、商品の良さを磨き、カリフォルニアロールのようなモノをリデザインして、参入することが大切です。

 

越境ECの成功事例


最後に、越境ECの成功事例を見ていきましょう。例えば中国の新圳EC協会は、新圳に所在するメーカーをアメリカに後押しする取り組みを行っています。

自分たちの強みがコストであることを理解しているため、史上最安値を狙ってAmazonで商品を販売しているのです。Amazonユーザーは低価格の商品を好む傾向にあるため、高い売れ行きを出すことに成功しています。

日本の場合、商品の価格だけで勝負することは難しく、アメリカに対して付加価値を付けて商品を販売しなければなりません。日本で作られたことの価値を、それぞれの国のユーザーに伝えていく必要があります。

 

まとめ


国内市場だけでなく、海外にも販売網を広げようと考える企業は少なくありません。日本の商品を海外販路で販売することを越境ECといいますが、日本で人気の商品であれば、そのまま売れるわけではないため注意が必要です。

多くの企業が越境ECで売上を伸ばそうと考えていた時期があるものの、海外で期待通りの売れ行きを出すことができず、在庫を多く抱える状況となっています。

越境ECで成功するためには、日本の商品を海外のニーズに合うようリデザインする必要があるといえるでしょう。

日本国内で生産するには賃金を含めてコストがかかり、中国にOEMを依頼している状況です。コストの面で考えると、外注作業をする必要のない中国企業と戦うのは難しいでしょう。

そのような中で戦っていくためには、何が日本のモノづくりの利点なのかを踏まえ、販売する国のニーズに合った商品を企画・製造することが大切です。

 

 

◆詳しくはたなけんのEC大学の解説も参考にしてください!


大企業ですら海外進出を失敗する理由…【元Amazonが語る】

 


大手日本企業Xがアメリカ進出で大失敗!10分でわかる越境EC進出の落とし穴

たなけんのEC大学(Youtubeチャンネル)を見る

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