GROOVEのデータドリブンとコクヨの「be Unique.」が 融合した商品開発のスタイル

コクヨ株式会社 様

右から:コクヨ株式会社 大沢様/GROOVE コンサルティング事業部 鈴木/斉須

コクヨ株式会社様は、文房具・オフィス家具・事務機器を製造販売するメーカーです。

1905年に和式帳簿の表紙製造を目的に黒田表紙店として創業され、1961年にコクヨ株式会社に社名を変更。 その後、文具だけでなくオフィス家具など取扱商品を拡大し、1996年以降はタイ・香港などアジアを中心に関連会社を設立して海外進出しています。

代表的な商品には、日本人なら誰でも知っている、累計販売数約35億冊を超えるロングセラーの「Campus(キャンパス)ノート」などがあります。

GROOVEは、そんな文具界のトップを走る企業から「商品企画・開発サービス」をご依頼いただく機会に恵まれました。今回は、コクヨ様がGROOVEのサービスを活用することで得た「新しい商品価値の提供」にスポットを当ててご紹介いたします。



課題の共有:文具市場の変化によるEC戦略の再考

- まずはGROOVEへお問い合わせいただいた当時、どのような課題を感じていたのか教えてください。

GROOVEと契約したのは2023年の2月頃だったと思います。そもそも文具市場そのものが、少子化やペーパーレスの流れといった影響を受ける中で、コロナ禍も経験した「リアル店舗での売上」は縮小傾向になっていました。

そのため企業としては「ECの売上を増やす」という明確な課題があったのですが、ECでは、どのような手法で、どんな販売促進方法で、どんな商品が売れるのか?について、当時の社内には知見が足りていないと感じていたんです。

- そんな中、GROOVEへお声がけいただいたきっかけは何ですか?

「ECで売上を伸ばす方法」と検索すると、様々な企業がブログや動画で情報発信をしていますよね。特にオンラインでのセミナーは、数多く開催されています。その中でも当社では、GROOVEの代表である田中さんのEC解説動画(たなけんのEC大学)が人気でして、私の上司や先輩も熱心に視聴していました。

この動画視聴をきっかけに、GROOVEのオンラインセミナーにも参加させていただき、「一度相談してみようか?」という流れでしたね。

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- GROOVEからの提案に対して、依頼する決め手になったポイントは?

一番のポイントは「データドリブンに基づいた商品企画・開発」ですね。

そもそも当社は、文具における「商品の企画・開発」において、顧客に根差した商品価値創出の部分には自負があります。そのため、これまでも、一部でリサーチ会社に協力を依頼することはありましたが、基本的には社内ですべて完結してきました。

特に3C分析については、しっかりと行っていて、その点では、お客様に新しい価値をお届けすることができていると思います。しかし4P分析の領域になると、手元の情報が不足していて、良い商品を作ったが、売る場所、売り方、価格帯、といった部分のズレにより、想定していた結果を得られないこともありました。

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参考記事:商品開発に必要な3つのポイント

その点で、GROOVEからの提案には、この4P分析に必要なデータがしっかりと盛り込まれていることが感じられたので、「一緒にやりましょう」というお願いをしました。

提供いただいたのは「商品企画・開発」というサービスですが、そもそもAmazonというモール内で、お客様がどのように商品を見つけて、比較して、選んで、購入されているのか。それに対してメーカー側が何を行うべきか、など基本的な部分で勉強になることが多かったです。

多分、4P分析をしっかりと深掘りしないまま、これまで通りコクヨらしい商品を作り続けていても「Amazonで売れる商品」を作り出すのは難しかったのではと思います。

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変化と進化:マーケットインとプロダクトアウトの融合

- 商品企画・開発におけるコクヨ様の基本方針とはどんなものでしょうか?

コクヨの商品企画・開発について語るなら、まずは「ワクワク価値創出サイクル」という言葉を紹介したいです。当社は基本的に真面目な社員が多いのですが、それだけでは新しい価値は生まれてきませんよね。そのため企業の文化として「真面目で、チャレンジ精神が旺盛、物事を突き詰めていく人」を目指そうという想いをこめて「誠実な変態であれ」という言葉が存在します。

文具には様々な種類がありますが、各カテゴリー毎に、その分野に特化したスペシャリストが存在しています。具体的にはハサミの切り心地を追求するために、ハサミの音をデータ解析したり、切断荷重を軽減する方法を研究したり、もうマニアというかオタクというか、すごい人たちがいるんです。

他にも、文具と並んでコクヨのもう一つの柱であるオフィス家具には「ing(イング)」という360°座面が動くイスがあります。これもとても面白い商品で、腰痛持ちの方は、椅子の代わりにバランスボールを使うと良い、という話があるじゃないですか。この発想で、座っている間も体の自然な動きに追随して、座り過ぎによる体の固まりを防ぐためには?という発想から生まれた商品です。もう完全に「椅子マニア」ですよね。

- 「誠実な変態であれ」によるプロダクトアウトがきっかけとなってコクヨを代表とするエポック商品が生まれることがあるんですね。

そうですね。しかし、こうした「革新的な商品」を市場に出して、それが売れるのか?と言われると、全てがそうとは言えません。お客様のニーズをしっかりと追求すれば、必ず売れるという訳ではなく、お客様が欲しいと思う商品が売れる。

この点で、GROOVEとの取り組みでは、競合の販売実績とその推移をしっかりとデータで確認することで、それらが「どういう売れ方をしているのか」まで見ることができました。こうした確かな情報に、詳細なレビュー分析を加えることで、「売れる要素」の解像度がグッと上がってくるんですね。

さらに、Amazonでの販売で重要な「価格帯」での競合分析データもしっかりと示してくれるので、前述の「4P分析」を行うために必要な情報が手元に揃うことになります。こうした「データ分析」のノウハウに基づいて「商品の要件定義」を細かく行うことで、商品企画から商品開発のステージに移行してからも、サイズや色といった「仕様に関する答え」がスムーズに見つかるようになりました。

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- コクヨ独自のユニークなアイデアを、マーケットインでブラッシュアップするイメージでしょうか?

ECでの売上拡大を目指していく上では、コクヨのユニークな価値創出のプロセスの中に、いかにデータドリブンに基づいた分析や戦略を盛り込むかが重要になると感じています。

データ分析で見出した「売れる商品の要件定義」を土台にして、そこにコクヨならではのユニークな価値をアドオンすれば、実用的でありながら、より魅力的な商品をお届けできると考えています。

コクヨの商品開発において「ただ売れる」ではなく「新しい価値」を提供することが重要だと考えています。これは当社の企業理念である「be UniQue.」に基づいた考え方で、私たちが創造的であり続けることで、その先にいるお客様に、仕事でも、プライベートでも、ワクワクして欲しいと願っています。ただ売れるだけの商品ではなく、そこにワクワクが無いとコクヨじゃないんです。

 

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コクヨ株式会社様の企業理念体系 ※出展 : コクヨ株式会社様コーポレートサイト

- 商品を通した体験で、お客様をワクワクさせることが重要なのですね。

はい。だからこそ「お客様の声」は私たちにとって貴重な情報でして。中でも商品を実際に購入して、使っていただいた「ユーザーレビュー」が分析できるECは、売上だけではなく、情報源としてより重要になってきます。

当社はおかげさまで、長年の実績によりオフラインでの展開力が強い企業です。しかしオフラインですと、売場でお客様がどのように手に取っていただいたのかを知る術がどうしても限られてしまいます。そのため商品の改良や改善するための情報が少ない。率直に言えば、あまり売れなかった商品が「なぜ売れなかったのか?」が分からないのです。

これに対して、GROOVEが提供してくれる「Amazonでのレビュー分析」では、どんな期待値があって購入し、実際にはどんな評価をされたのか、データで知ることができます。もちろん全てのお客様が、商品に対する評価を言語化してくださる訳ではないのですが、レビューは「購入したからこその声」という点で、とても重要だと思っています。だからこそ、マイナスの意見もプラスの意見も、商品の改善や次の企画・開発には大きな価値がありますね。

- 今後は、EC運用から得られるレビュー分析が、より重要になってきますね。

その通りです。さらに、レビュー分析と実際の販売実績を掛け合わせることで、想定よりも売れている理由、売れていない理由も見えてくるようになりました。こうした情報は商品改善の方向性だけでなく、ビジネスとして「売上見込みの正確性」や「在庫の持ち方」にも大きく役立つと感じています。

コクヨという企業全体では、ECでのレビュー分析をベースにして、メーカーとして実施するユーザーアンケートなども、これまで通り継続的に行い、レビューでは拾い切れていないポイントもアドオンすることで、情報の解像度を上げていくことが大切だと考えています。

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新たな挑戦:協業で得たノウハウによる社内体制の強化

- 商品企画・開発に限らず、今後の取り組みとして強化したい点は?

社内のECマーケティングにおける考え方をアップデートしていきたいと考えています。すでに取り組みは始まっていて、GROOVEとの協業で得られたノウハウを活かした社内勉強会の開催や、クリエィティブ向上のための新規業務フローの確立、レビュー分析ツールの開発など通して、ECでの売り方、伝え方に関する理解を深め検証していきたいと考えています。

今回の協業により開発し、販売を開始している商品も、おかげさまで当初の見込み以上に売れています。ただ、ここからが重要だと認識はしていて、販売開始後も売りっぱなしにすることなく、しっかりと検証していきたい。

- 販売開始後の検証により、具体的にはどんなアクションを予定していますか?

ECだからこそのポイントなのですが、ECでは販売開始後も、商品の伝え方を比較的容易に変えることができます。そのため商品説明にしても、商品画像のクリエイティブにしても、どう改善すれば良いのか、まずはそこをしっかりと学びたいと思っています。

マーケティング施策についても同様で、ECでは競合の売上実績からマーケティング施策の有無を読み取ることができるので、自分たちに足りないものは何か?を検証して、徐々にですが打ち手を増やして行きたいです。

- 他にも今回の協業により生まれた、新しいアクションはありますか?

これはアクションではなく「仕組み」の部分なのですが、GROOVEによる商品企画・開発のサービスは「社内のコンセンサス」を得やすいということもお伝えしたいです。

一つの商品を送り出すまでには、要件定義から細かな仕様決定など、社内でいくつもの確認と承認が必要になるのですが、GROOVEから提案される内容は、データから導き出したものなので、社内承認で摩擦が起きにくいです。

これは企画の土台がデータでしっかりと固められているからで、後はコクヨならではのユニークな価値創出をしっかりとアドオンすることで、新商品を送り出すことができました。

商品カテゴリーを問わず、商品企画・開発において「スピード感」は欠かせない要素なので、これを私たちの大きな強みにできるように、今後もGROOVEには継続的にサポートいただきたいと思います。

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編集後記:互いの専門性を活かした商品企画・開発のスタイル

GROOVEが提供する「商品企画・開発」のサービスは、そもそもGROOVEがAmazon D2C から創業した経緯から必然的に生まれたものです。そこに多くの企業へ提供してきたEC事業支援の経験が加わることで、より深く、より精度の高いデータに基づいた情報を提供することが可能になりました。

今回のコクヨ様のように、業界内でゆるがぬ実績がある企業との協業は、私たちにとっても貴重な経験であり、互いの専門性を掛け合わせることで、様々なメリットがあることを実感することができました。

既に継続的なAmazon運用支援や、EC運営全体をサポートさせていただいている企業様にも、運用実績の中から得られるデータを用いることで、「商品の改善」だけでなく、新商品の開発でも貢献できると考えています。

業界のプロとEC運用のプロが協業することで、これまでにない新しい価値を市場に送り出す。こうしたアクションに興味のある方は、ぜひGROOVEにお声がけください。




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