①人の問題
ネット通販は新しい分野ですので、答えはなかなか落ちていません。ネット通販に関する教科書もあまりないのが現状といえるでしょう。
情報量が少ないネット通販において向いてる人と向いていない人がいます。例えば、「ネット通販のことを勉強したいのですが、よい本はないですか?」と他者に質問する人ほど適していないことが多いです。
一方、「ノウハウがなくてもやってみよう」、「頑張ってみよう」というスタンスの人はマッチしていることが多い傾向にあります。
②商品選定
Amazonは日本一のネットショッピング企業です。EC業界における19兆円の売上のうち、Amazonは3兆円を占めています。Amazonはこのように規模が大きいものの、得意なジャンルと苦手なジャンルがあることを理解しておくことが重要です。
例えば、Amazonはファッションに弱く、楽天市場に負けています。また、ファッションという一つのジャンルのなかでも特徴があり、楽天のファッション市場は8割がレディース、2割がメンズという売れ具合となっています。
一方、Amazonのファッション市場ではメンズ7割、レディース3割です。Amazonはファッションに弱く、かつレディースにも弱いという傾向にあります。
そうしたなか、Amazonでレディース向けのファッションを販売しても、売れ行きが悪くなるといえます。
③お金の問題
Amazonで商品を売りたいと考える人は多くいます。しかし、予算がない人がAmazonで商品を販売し、売上を上げることは難しいかもしれません。
Amazonの出店数は多く、15万社程度といわれています。競争率が激しい市場で戦うためには、広告予算が必要となります。商品を出したら売れるわけではないため、広告予算などがかかることも念頭に置いておかなければなりません。
④オフラインの考え方を持ち込む
Amazonで商品を売るためには、オフラインの考え方を持ち込みすぎないようにする必要があります。
メーカーの場合、「この商品をいくらで売ればよいのか」という発想になりますが、ネット通販では定価を定める必要はありません。ネット通販ではオープン価格で戦うのが鉄則です。
AmazonのSEOは商品を売れば売るほど検索順位が上位になる仕組みになっています。例えば、1,000円のモノを10個売るのと10,000万円のモノを1個売るのとでは1,000円のモノを10個売る方がSEO的に効果があります。
Amazonで商品を売るためにはどれくらい売れるかを目安に価格を調整します。
SEOで商品を売るためには100個売る必要があるため値引きも行います。逆にいうと、例えば、100個売ることを目標とし、120個、130個売れた場合には値段をアップさせるのが一般的です。
Amazonでは希望する個数が売れるように価格の調整を行い、販売したい個数が売れる価格を探します。このような値段の付け方はオンライン特有で、オフラインではありえない方法です。
また、Amazonで商品を販売するためには商品ラインナップもポイントになります。大半のメーカーが10商品、20商品といったように複数の商品を持っていますが、全て並べるのはよくありません。
AmazonのユーザーはAmazonから購入しているという認識しかありません。
例えば、化粧品のメーカーが化粧水や乳液、シャンプーを扱っているとします。Amazonで化粧水と乳液を購入した際、シャンプーを合わせ買いするとはあまり考えられません。化粧品と乳液と一緒に残り少なくなっているお米を買うかもしれませんし、あるいはデジカメを購入する可能性もあるでしょう。
ユーザーはAmazonにノンジャンルで買い物しようとアクセスしています。そのため、購入単価や同時購入点数もAmazonでは約1.0、もしくは高くても1.2程度しかありません。
⑤マーケットインできていない
Amazonで失敗する人の多くがマーケットインできていないといえるでしょう。マーケットインとはプロダクトアウトと対局にある考え方です。
マーケットインとプロダクトアウトの意味を確認しておきましょう。
- マーケットイン:ユーザーのニーズに対して商品を当て込んでいくアプローチ方法
- プロダクトアウト:「今こういうものを売りたい」、「じゃあどういうふうに売ればよいのか」という自分発信で相手に向かっていくアプローチ方法
Amazonで商品を売るためにはマーケットインに徹する必要があります。しかし、失敗する人の多くがプロダクトアウトになっているといえます。例えば、前述した通り、Amazonはレディースのアパレルを苦手としています。
Amazonにこうした特徴があるにもかかわらず、扱う商品としてレディースアパレルを選択することはマーケットインできていないといえます。要するに、Amazonではアパレルの需要がなく、かつメンズの方が人気であるなか、レディースを売ろうとしてもニーズがないから売れません。
また、Amazonでは検索キーワードも重要です。Amazonのユーザーは7割ほどが検索経由で商品ページにアクセスしています。そのため、商品を探し当てるための検索キーワードが存在しなければ、ユーザーに商品を見てもらうことはできません。
よい商品であっても全く新しい商品、もしくは誰もその概念を検索しようとしない商品は売れないといえます。
例えば、酔い止めに効く田七人参という特殊なニンジンがあります。しかし、田七人参を検索する人は極僅かのため、サプリを作ってもほとんど売れないでしょう。
一方、酔い止めといえば、ウコンが有名です。田七人参のなかにウコンを1mg入れてキーワードでヒットさせることができれば、商品へのアクセス数がアップし、売れる可能性も上がります。
田七人参のサプリメントの商品名に「ウコン」や「二日酔い」というキーワードを含めることで、マーケットインができている状態になります。一方、商品名が「田七人参」というキーワードに限られる場合、マーケットインできているとはいえません。
まとめ
本記事では、Amazonで失敗する5つの理由について見てきました。Amazonは日本においても規模が大きな市場であるものの、Amazonの特徴を理解できていなかったり、商品選定を誤ったりすると商品が売れないので注意が必要です。
特に、Amazonで商品を売るためにはマーケットインがポイントになります。マーケットインやプロダクトアウトはAmazonのみならず、どこの業界でも重要なマーケティング手法といえるでしょう。
Amazonで商品を販売する場合、マーケットインでないと勝てないことを覚えておく必要があります。ユーザーやAmazonの仕組みについて理解し、商品を売り出すことが大切です。
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