10年で売上19倍!? ナノ・ユニバースのAmazon販売4つの成功要因

今回は「ファッション業界の変化」をテーマに、ファッションECの成長や業界の変遷について解説します。業界に詳しくない方でも理解がしやすいように、Amazonファッションチームでの私の営業経験を踏まえ、ファイブフォース分析を用いた内容となっています。

本記事を通じて、Amazon販売における4つの成功要因をしっかりと学び、ぜひ参考にしてください。

 

 

Amazonのファッション市場規模とEC化率


日本の小売市場は急速にデジタル化しており、ファッション業界ではECの成長が特に著しいです。2020年の経済産業省のデータによれば、小売全体の市場規模は151兆円で、そのうちECは12.2兆円、EC化率は8.08%。一方、アパレルファッション市場のEC化率は19.44%と、小売全体に比べて高いです。

この背景には、消費者の情報アクセスの容易化や、ファストファッションブランドの台頭が挙げられ、低価格帯のファッション商品の売上も着実に増加しています。

今後も市場は変化を続ける見込みであり、企業やブランドは迅速かつ柔軟に対応する必要があります。

 

ファイブフォース分析とは

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ファイブフォース分析とは、マイケル・ポーター氏が提唱したフレームワークをさし、5つの要素を使用してファッション業界の変化を解説します。

 

  • 新規参入企業の力:業界への新規参入者
  • 既存競合他社の力:業界内での競争
  • 売り手の力:サプライヤーの交渉力
  • 買い手の力:顧客の交渉力
  • 代替品の力:代替品の存在

 

このフレームワークは、新規参入、既存競合、売り手、買い手、代替品の5つの要素に焦点を当てます。ファストファッションやECの台頭、個人のD2Cビジネスの増加など、市場への影響が大きい要素が挙げられます。特に、買い手の力では情報へのアクセスが容易になり、消費者は経済的な選択を行う傾向があります。また、ファッションへの支出が減少し、美容製品への投資が増加していることも見られます。

これらの変化は、ファッション業界における競争構造や顧客の行動に影響を与えています。ただし、個々の事例によって異なる可能性もあるため注意が必要です。

 

ナノ・ユニバースの成功要因

10年で売上19倍!_ ナノ・ユニバースのAmazon販売4つの成功要因

ナノ・ユニバースは、ファッション業界においてECで成功を収めたブランドのひとつです。その成功には、4つの要因が絡んでいます。

 

① ブランドの価格帯がECで売れる価格帯とマッチしていた

ナノ・ユニバースは、ファッション市場の中で競争しやすい価格帯をターゲットにしました。競合他社との比較では、ユナイテッドアローズやトゥモローランドと比べて、比較的低価格帯に焦点を当てており、これがECサイトでの消費者の購買意欲とマッチしました。この価格帯戦略がECでの成功の土台となりました。


② 早期からECについて知見を貯めていた

ナノ・ユニバースは2011年からEC事業に取り組み始め、初期段階からZOZOTOWNや自社サイトと併せてAmazonにも出店しました。約3年をかけてECオペレーションの基盤を構築し、在庫管理や物流システムを整備しました。このような初期の投資と取り組みが後の成功を支える重要な要素となりました。

③ オフラインとECチームで社内連携ができていた

オフライン(実店舗)とECチームの連携が成功のカギとなりました。オフラインの在庫を活用し、オンライン販売を効果的に行うことで、機会ロスを最小限に抑え、在庫管理の精度を向上させました。これにより、顧客への対応が迅速かつ正確になり、顧客満足度の向上につながりました。

④ プラットフォームに合わせた戦い方をした

ナノ・ユニバースは、各ECプラットフォームに合わせた最適な戦略を採用しました。特にAmazonにおいては、福袋の販売など、プラットフォームに適したマーケティング施策を展開しました。これにより、Amazonでの売上が飛躍的に伸び、年間売上の10%近くを占めるまでになりました。

このように、ナノ・ユニバースのECにおける成功には、戦略的な価格設定やオペレーションの構築、そして、柔軟かつ効果的なマーケティングが組み合わさっています。これらの要因が相まって、ブランドはEC市場で成功を収めることができたのです。

 

これからのナノ・ユニバース

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ナノ・ユニバースがEC展開で成功し、特にAmazonにおいて好成績を収めた背景には、複数の要因が存在します。まず、ブランド戦略と、ECにおける価格帯がマッチしていたことが挙げられます。これは予期せぬ利点であり成功の基盤となりました。

また、ナノ・ユニバースは早期からECへの挑戦を積極的に行い、社内での体制構築に力を入れてきました。成功の過程で得た知見や、実店舗での経験を活かし、ECにおける在庫管理や発注計画の策定などを行うことができました。特に、実店舗との連携が円滑であったことが、成功の要因の一つとなりました。

Amazonにおけるマーケットの特性を理解し、それに合わせた戦略を展開したことも重要です。物流やマーケティング戦略の最適化、定番商品の重視など、Amazon独自のルールに従いながら、市場に適応していった姿勢が成功を支えました。

 

まとめ


ナノ・ユニバースのEC成功は、独自の価格戦略と市場への適応力に根ざしています。早期からのECへの挑戦と、社内での積極的なビジネス展開は、市場での地位を確立する手助けとなります。特に実店舗との連携や、Amazonに特化した戦略の展開が成功に大きく寄与しました。

また、ナノ・ユニバースは常に市場の変化に柔軟に対応し、顧客のニーズを先読みしてサービスを提供してきました。この顧客志向の姿勢が、ECビジネスにおける競争力を高める要因となります。



◆詳しくはたなけんのEC大学の解説も参考にしてください!


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