①SEOキーワード
SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジンを使ったマーケティング戦略の1つです。Amazonで商品を販売する際は「どのキーワードに対して対策すべきか」を見誤っていないか確認することが大切です。
Amazonでは、検索によって商品を探すお客様がほとんどです。そのため、「いかに検索で見つけてもらうか」が大事であり、そのための施策がSEO対策となります。
「お客様がどんなキーワードで検索するのか」、「自分の商品はどんなキーワードでヒットするのか」が確認できていなければ、「商品が見られない」「見られるべき人に届いていない」といった状態になるでしょう。
キーワードを正しく設定する例として、エクササイズバイクのブランド「FITBOX」を用いて説明します。
FITBOXのことを「エクササイズバイク」という人もいれば、「エアロバイク」という人もいるでしょう。他には「スピンバイク」「健康器具 自転車」など、さまざまなユーザーがさまざまなキーワードで検索します。お客様が商品を探すためにどのキーワードで検索するのか、マーケットを調査しなければなりません。
調査を進める中で「スピンバイク」という言葉が出てくれば、そのキーワードに対してSEO対策や広告設定をする必要があります。十分な市場調査をしなければ、キーワードを見落としてしまうかもしれません。
②広告
「広告を設定しているのにAmazonで売れていない」というときは、大きく4つの原因に分けられます。
- 正しいキーワードにターゲティングできていない
- 予算の設定を間違っている
- キーワードの検索ボリュームがない
- 無駄なキーワードに広告をかけている
正しいキーワードにターゲティングできていない
商品ページで「スピンバイク」というキーワードを設定していなければ、そのキーワードで広告を設定しても、Amazonは「商品とキーワードに関連がない」と判断する可能性があります。商品と広告のキーワードが関連していない場合、広告設定をしてもAmazon側で広告を表示しないよう制限をかけることがあります。
Amazonに商品とキーワードの関連性を伝えるためには、自分が狙っているキーワードを商品ページに登録することが必要です。
予算の設定を間違っている
予算の設定が間違っている背景には、2つの原因が考えられます。
1つ目は、Amazonへの広告出稿で設定できる1クリックあたりの単価が安すぎるという原因です。2つ目は、単価設定は正しいが競争が激しいキーワードに対して1日あたりの予算が少ないため、広告が表示されないという原因です。
キーワードの検索ボリュームがない
そもそもキーワードの検索ボリュームがない場合、広告を設定しても表示される機会がありません。検索ボリュームがないキーワードなら、広告を設定しても効果は出ないでしょう。
無駄なキーワードに広告をかけている
成果や購入につながらないキーワードに広告をかけているというケースがよくあります。最初はまず広告を出してどのキーワードがいいかチェックすることも必要ですが、定期的に無駄なキーワードは排除し、厳選していく必要があります。
③価格
他社では10,000円で売られている商品を、自社が12,000円で販売している場合、2,000円の差はお客様にとってどのようなメリットがあるのか、考える必要があります。
よくある失敗例は、自社としては利益率30%を維持するために商品価格を10,500円にしているが、ユーザーとしては10,000円以下で買いたいというケースです。価格を9,700円にすれば利益率は28%に下がりますが、10,000円未満になるだけで販売数が大きく伸びて結果的にプラスになるということがあります。
Amazonは検索アルゴリズムを使って「検索結果上にどの価格帯の商品をどの割合で表示するか」をコントロールしていると考えられます。
例えば、エクササイズバイクの市場に「10,000円以下」「10,000〜30,000円」「30,000〜50,000円」「50,000円以上」のラインナップがあったとしましょう。Amazonで「30,000〜50,000円」のエクササイズバイクが最も需要が高い場合、「エクササイズバイク」の検索結果において「30,000〜50,000円」の商品の表示割合を増やそうとします。
「10,000円以下」のものは人気がないとアルゴリズムが判断すれば、「10,000円以下」の商品の表示割合は少なくなるでしょう。
10,000円以上か未満かというだけでも、検索結果上に表示される割合が変わります。Amazonでは、価格帯によって検索結果の表示割合がどう変わるかに注目したほうがいいでしょう。
④差別化
商品の差別化において重要な観点は3つあります。
価格は先ほど述べた通りです。機能とデザインは、どのようにお客様に正しく伝えるかという観点が大事です。
FITBOXの場合、「カバーがついていてかっこいい」というデザイン面での訴求ができていました。機能については、走行時の音が静かであるところがお客様の購入理由だとわかったため、その観点をアピールする商品ページを考えました。
何が商品の売りでどこを訴求すればいいか、商品ページや画像で訴えかけていく必要があります。
⑤ニーズ
売上が上がっていない場合、そもそもAmazon上でのニーズが限られているという可能性もあります。
オフラインで月に1億円売れている商品があり、Amazonでも1,000万円の売上を目標にしたものの、実際には200万円がマーケットの上限だったということは珍しくありません。お客様はオフラインとオンラインで違いますし、オンラインでも楽天とAmazonでお客様の求めるものは異なります。
売る場所の違いを見誤って広告投資ばかりすると、無駄な出費になりかねません。そもそもニーズはあるのか、見極めが必要です。
⑥商品選定
FITBOXの場合、最初は通常版(50,000円)の商品を販売して一定の売上が出ました。その後、新しくFITBOX LIGHT(35,000円)を販売しました。FITBOX LIGHTは通常版より30%オフの価格ですが、品質は10〜15%しか下がっていません。
AmazonではFITBOX LITEが通常版より売れましたが、楽天や自社サイトでは通常版のほうが売れていました。Amazonの市場では「フィットネスバイクといえば、20,000〜30,000円が相場だ」という前提の中で、「50,000円は高いけれど、デザイン性や機能性にも優れていたから購入した」という方が多かったのです。そこで35,000円の商品を販売すると、より幅広いお客様に購入される結果となりました。
商品に対するニーズだけでなく、カテゴリーに対するニーズもあります。1つの商品でさまざまなニーズに応えるのが難しい場合は、価格や色、デザイン、機能などで横展開していきます。あるいは、全く別のカテゴリーに参入するという判断が必要になることもあるでしょう。
まとめ
今回は、Amazonでの商品販売がうまくいかないときにチェックすべき6つのポイントを紹介しました。マーケティング面・プロダクト面の戦略を今一度見直し、Amazonでの販売を拡大させていきましょう。
◆詳しくはたなけんのEC大学の解説も参考にしてください!
売れない商品にはワケがある。Amazonで売るための6つのポイント