Amazon運用における4つの課題と対策方法

EC業界は成長市場であるため、Amazonでの販売に興味があるならすぐに始めた方がいいでしょう。しかし、事前にしっかりと組織体制や準備を整えることが重要です。Amazon運用を始めるにあたって、直面する課題は大きく分けて以下の4つがあります。

  • ・戦略がない
  • ・マーケティングノウハウがない
  • ・受注/発注インフラがない
  • ・人材不足
  •  

何よりも重要なのは、刻一刻と変化していくマーケットの中でいつAmazonに適した組織をつくっていくかです。その判断やタイミングが早ければ早いほど、答えに近づくのも早くなるでしょう。

今回はAmazon運用をこれから始める方向けに、多くの企業が直面する4つの課題とその対策について紹介します。

 

 

戦略がない


1つ目の課題は、そもそもAmazon運用における「戦略がない」というパターンです。いきなり戦略の答えを出す必要はありませんが、いずれはこうなるだろうというマイルストーン(節目)は必要になります。具体的な戦略のステップとして、以下の3つがあります。

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戦略の3ステップ

STEP1 既存の商品を売る
メーカー企業であれば、既に一般販路向けの商品があるでしょう。まずは一度、その既存商品をAmazonで売ってみようというやり方です。

STEP2 EC/Amazon向けに新商品をつくる

既存商品の販売を続けていると、いつか必ず限界がきます。さらに成長させるためには、ECサイトやAmazon向けの新商品を開発し、市場に合わせていく必要があります。

STEP3 海外進出

最終的には、海外進出も見据える必要があるでしょう。日本の人口減少は避けられないため、大きな成長を狙うなら海外に出て行かなければなりません。

Amazon.comやeBay(イーベイ)、Shopee(ショッピー)、東南アジアのLazada(ラザダ)、もしくはEU圏内のサービスなどを利用し、まずは海外に出て行くことが戦略として重要です。

以上3つのステップを自社の状況に置き換え、商流や既存問屋さんとの関係性などを踏まえたうえで、実態に合わせたスケジュールや具体的なプランに落とし込んでいくことが必要になります。

 

マーケティングノウハウがない


2つ目の課題は、自社内にAmazon販売に使える「マーケティングノウハウがない」というパターンです。ただし、6~7割くらいは汎用的なスキルセットや方法がすでに確立されています。しっかり情報収集していけば、60~70点は取れるでしょう。

しかしその先の30~40点を埋めるには、専門的な分析や試行錯誤が必要になります。Amazonでの販売は日々変化しており、競合も新たなマーケティング戦術や施策を打ってきます。

競合を上回るやり方を常に模索していく必要があるため、プロフェッショナルの力を借りるというのも大事になるでしょう。

 

受注/発注インフラがない


3つ目の課題は、Amazonで販売するための「受注/発注インフラがない」というパターンです。

ただし、インフラに関しては意外と簡単に整備できます。AmazonにはFBA(Fulfillment by Amazon)というサービスがあり、Amazonの倉庫に預ければ商品販売から発送までを代行してくれます。

代行の仕組みを活用すれば、簡単に受注インフラが整うでしょう。Amazonに商品を預けるだけで、土日や夜間でもAmazonが発送を代行してくれます。

AmazonのFBAを利用すれば、副業や既存社員による兼務でも十分事業を始められるでしょう。

 

人材不足


4つ目の課題は、Amazon販売を担う人材の不足です。採用や育成など、苦労されるケースは多いでしょう。

Anker(アンカー)さんとセミナーを開催した際にも、「急成長を遂げて10年で1,000億円を達成する中で、一番大事だったことは何ですか?」という質問に対して「人です。」との回答が返ってきました。

1000億円企業Ankerに学ぶ!「差のつかない商品」で売上ランキング1位を取る方法

今までWeb全般に疎かったメーカーがECやD2C(直接消費者に販売する手法)に精通した人材を採用するのは、かなりハードルが高いでしょう。そもそも能力の高さを見極めるのが難しいうえ、自社に入りたいと思ってもらえるような環境づくりも必要になります。

さまざまな障壁がある中で、ECのチームをつくるには以下3つのアプローチが考えられます。

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外部から採用する

1つ目は、外部からWebに特化した人材を採用するというアプローチです。ドメスティックでアナログな文化の会社がWeb人材を採用するなら、会社のビジョンで引き込むのが効果的です。

会社の長期的なビジョン、つまり「これから自分たちはECを通じてこういう商品をもっと世の中に広げていきたいんだ」といったビジョンです。

優秀な若手に決裁権を与えることで、活躍できる環境を整えるといったやり方も、魅力を感じてもらいやすいでしょう。

 

自社で育成する

2つ目は、自社でEC人材を育成するというアプローチです。社内から育てていくパターンとしては、役員レベルの社員と若手社員による二人三脚体制なら、うまくバランスが取れるケースが多いです。

また、社内におけるEC事業の位置づけも重要となります。ただの営業窓口の1つくらいにしか捉えていない企業では、成功は難しいでしょう。新たに専門のEC事業部を新設するというくらいの意気込みであれば、うまくいく可能性は高まります。

当社がAmazon販売をサポートする際にも、EC専門部署の設立をお願いしています。営業窓口の一つとして位置づけられてしまうと、必ずコントロールの範囲を超えてしまうからです。ネット通販の考え方や広告の打ち方はほかの事業部と異なるため、承認プロセスや稟議が通らないのです。

稟議プロセスも含めて、すべてを新たに構築するといった気概でなければ、社内でEC人材を育て上げるのは困難でしょう。

 

スペシャリストの力を借りる

3つ目は、スペシャリストの力を借りるというアプローチです。スペシャリストの中にもそれぞれ得意な分野・範囲があるため、自社に適した信頼できるパートナーを見つける目利きが重要になります。

たとえば当社は、Amazonに関しては専門的な知見を有しています。ShopifyのEC 構築に特化した企業もあれば、食品業界や家電業界などカテゴリーに特化した企業もあるでしょう。スペシャリストに事業のサポートを依頼するなら、得意分野の見極めが重要です。

さらに注意点として、コンサルが提供する「戦略面のアドバイス」と「運用面の業務」を混同しないよう気を付ける必要があります。運用代行はあくまでも業務サポートであり、コンサルティングは戦略づくりのサポートです。「コンサル」と一まとめにせず、しっかり切り分けて考える必要があるでしょう。

 

まとめ


今回は、Amazon運用において多くの企業が直面する4つの課題と対策方法について解説しました。ECは成長市場であるため、事業拡大を狙うならできるだけ早く参入すべきです。そのためには、本記事で紹介した4つの課題に対して適切に準備を進めることが必要です。

しっかりと体制を整えれば、これからAmazon運用を開始するという企業でも十分マーケットを開拓できるでしょう。



 

◆詳しくはたなけんのEC大学の解説も参考にしてください!


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