データ起点の「勝てる商品企画・開発」で、 売上だけでなく、利益が出せるEC運用を目指す
株式会社GDT 様
左から:GROOVE コンサルティング事業部 小西/株式会社GDT 松本様/坂田様
株式会社GDT様は、家庭用計量器やキッチン家電・医療機器を中心に、生活を豊かにするための商品を企画・販売されています。2013年の設立当初は『暮らしに関わる全てに、便利さを提供してゆくこと』を目指すドリテック(dretec)ブランドのEC事業を担う形でスタートされました。
今では、グループ企業のドリテックだけでなく、数多くのメーカーがGDTの運営力と販売力によって、ECに限らず、小売店舗にも販路を広げています。
そんな株式会社GDT様がGROOVEとともに、Amazonという国内でも有数のECモールを、どんな戦略で攻略されてきたのか?また今後の注力ポイントについてご紹介いたします。
課題の共有:数百に及ぶ商品数と複雑化する広告運用
- まずは株式会社GDT様の主な事業内容を教えてください。
当社当社は、グループ企業であるドリテック(家庭用計量器・キッチン家電・医療機器メーカー)の製品を中心に、自社ECサイト、国内大手ECモール、そして海外のAmazonなどで販売を行っています。またリテール部門では、国内の小売店舗にも販路を持っています。
あくまで商社ではなく、自社だけでなく、取引先の商品の企画・開発から、クラウドファンディングサイトを活用した新商品マーケティング支援まで行っているところが特徴です。
- dretec(ドリテック)ブランドの商品だけでなく、更に幅広い商品を扱われているんですね。
そうですね。お客様に「便利で豊かな体験」を提供できる商品であれば、自社製品に関わらず、企画から販売までをサポートする機能があります。そのため取扱商品数は常に数百点に及び、新商品も続々と送り出しています。
- GROOVE以外にも、ECコンサル会社は何社か検討されましたか?
基本的に自社ECからECモールまで、全て社内で運用し、知見を貯めるというのが当社の方針なのですが、必要に応じて他のコンサル会社にもサポートしてもらうことはありました。しかし継続的にお付き合いしているのはGROOVEだけですね。
当社は展開するブランド数も多いのですが、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Qoo10といったECモールの運用は、クリエイティブワークも含めて、全て社内で運用しています。
- GROOVEにAmazon運用支援をご依頼いただいた経緯について教えてください。
実はGROOVEとの関係は古くからあり、最初に契約したのは今から8年ほど前の2016年頃でした。当初はまだAmazonでの月商が100万ほどでしたが、私たちの商品がAmazonというモールにフィットしたこともあり、数年で10億円の大台が見えるまで、売上を拡大することができました。
その後、一旦は社内での運用に切り替えて、ノウハウを蓄積しながら継続成長していたのですが、取扱商品数の増加と、より複雑化するAmazonの広告運用という二つの課題に対して、改めてGROOVEから提案を受けることになりました。
その提案内容には「今のAmazonでやるべきこと」について、社内での運用では気付くことができなかった、多くの発見があったので、改めて2022年の12月から、GROOVEにAmazon運用のサポートを依頼しています。
基本の戦略:注力商品を洗い出し、データ検証と広告調整を繰り返す
- 契約後にまず取り組んだのはどんなポイントでしょうか?
まずは商品情報の再整理から始めました。前述の通り、当社のアカウントは幅広い商品カテゴリーの中に、複数のASIN(Amazon内での商品コード)を抱えているので、全ての商品で同じように広告を回す訳には行きません。
そのため広告でプッシュすべき注力商品と、商品力によりオーガニックだけでも売れる商品を整理しました。これにより商品毎の「点」ではなく、カテゴリー全体で「面」を取っていくことで、アカウント全体を押し上げ、販売個数を伸ばしていく戦略を立てました。
- Amazon運用において支援会社のサポートを最大限活用するためのポイントは何でしょうか?
これについては、とにかく綿密なコミュニケーションが必要だと思います。まずGROOVEに細かな運用を任せたことで、社内リソースに余裕ができたので、共有しているデータを一緒に分析し、商品毎に細かな分析と広告調整ができるようになりました。
プライムデーなどのセールでは、事前に売上予測と広告予算を立てて、広告費の消化具合や競合の動きを見ながら、ここでもクイックな判断と調整を繰り返し行っています。そのため、ACOSを目標値の中でコントロールしながらも、時にはプッシュして更なる売上を取りにいくこともありましたね。
また、当社ではBtoBの卸売も行っているので、オフラインの売場との関係も考慮に入れた運用を行う必要があります。そのためリテール部門の数字もGROOVEと共有して、細かな調整も行ってもらっています。
更なる成長:市場と顧客ニーズの「隙間」を見つける
- GROOVEによるAmazon運用で得られた、一番の成果は何でしょうか?
メインの業務である広告運用については、もちろん売上という面で明確な成果を出せていると思います。しかし、これについては「Amazonのプロ」に依頼しているので、売上が上がって当たり前、という感覚もあります。
GROOVEとは週次や月次の定例ミーティングとは別に、「一年の振り返り」をする機会があります。その際、アカウント全体を見て、どこで勝っていて、どこで負けているのか、についてデータを見ながら一緒に検証を行いました。
その検証から見えてきた「今後の課題」は、やはり外部パートナーであるGROOVEから得られた、一番の成果物かと思います。
- 具体的にはどのような課題が上がったのでしょうか?
当社の強みである商品企画と商品開発の分野ですね。
以前から当社の商品開発は、自社商品に限らず、競合商品も含めてレビューをチェックして、機能面の隙間を上手く突いていく手法を取っていました。
具体的には「一口のIH調理器」などは、「単身世帯向け」や「ガスコンロよりも省スペース」といったポイントが注目されがちで、火力(ワット数)は大きいほど便利だと思われますが、実際には程よいワット数に抑えたことで「ポータブル電源でも使えるから、車中泊やキャンプでも活躍する」という売り方ができるのです。
また当社のヒット商品でもある「勉強タイマー」は、もともと超受験至上主義の韓国で先にブームが起こった商品カテゴリーでした。この情報を早い段階でキャッチアップできたので、ドリテックで日本市場に投入したところ、狙い通り受験生の定番アイテムとして広まっていきました。
しかし、どんなに良い隙間を見つけても、その商品カテゴリー自体の市場が小さければ利益を出せない。理想は、市場ボリュームが大きい商品カテゴリーで「隙間」を見つけることです。この「隙間」とは、レビュー分析から垣間見ることができる、潜在的なインサイトに応える機能や利便性のキーワードですね。
これは商品毎のゴール設定(売上見込み)についても言えることで、投入する新商品のカテゴリーに「そもそもどれくらいの市場規模があるのか?」を事前に把握していなければ、売上目標を立てても、絵に描いた餅になってしまいます。
市場としても伸びしろがあり、さらに競合が少ないキーワードがある、となれば、そこに向かって最短距離で商品企画⇒商品開発と進めば良い、ということになります。また商品カテゴリーとして市場が横ばい傾向であっても、価格や機能、利便性などで競合の“脇が甘い”状態ならば、勝ち筋があるということですよね。
こうした視点で考えたときに、GROOVEに依頼した市場調査やレビュー分析の情報は、私たちの大きな武器になるので、これまで以上に活用していきたいと思います。
- GDT様はGROOVEによる勉強会も開催していただきましたね。
はい。GROOVE側から「ECマーケティングに関する勉強会」をご提案いただき、社内から所属部署を問わず、30名ほどが参加させていただきました。
無料で様々なセミナーが開催されていて、YouTubeでも、少し調べれば色々なノウハウが得られる時代に、有料の勉強会というのも珍しいケースかと思いますが、GDTのビジネスを理解しているGROOVEだからこそ、の学びは十分に得られました。
実際にGROOVEが支援している企業の事例をもとに、GDTならどうか?ドリテックならどうか?という形式のブレストを行ったので、とても分かり易かったです。
今後も機会があればぜひ提供いただきたいサービスだと思います。
未来への展望:商品開発ではなく商品企画に注力する
- 今後はどのような成長を目指しているのでしょうか?
当社の代表である千倉が、社員に向けて「千三つ(せんみつ)」という言葉を使うことがあります。この言葉にはいくつか異なる意味があるのですが、ビジネスシーンでは《千種類の商品を出しても、当たる(売れる)のは三種類くらい》という意味です。このような商品開発の難しさを表現した言葉が昔からあったんですね。
私たちはこの言葉をそのまま受け取るのではなく、先ほどから課題(=成長機会)としている商品企画の強化により、千三つから百三つ、十三つ、とヒットする確率を上げていきたいと思います。
特に、当社が扱う製品は工業製品ですので、商品開発が一定の段階に進んでしまうと、市場調査で見つけた「隙間」にフィットさせることが難しくなります。特にサイズやデザインの変更は、金型からやり直すことになるので、コスト面で大きな負担です。
そのため、商品開発の前段階、いわゆる商品企画の段階で、市場調査やマーケティング調査で得られたアイデアやキーワードを、しっかりと盛り込んでおく必要がある。そのため今後も商品企画の段階から、GROOVEとディスカッションを重ねていきたいと思います。
編集後記:目標設定から伴走するEC事業支援を目指して
現在、ECモール上での広告費は年々増加傾向にあります。またセール企画も回数が増え、期間も長くなる傾向があるため、広告費の増加を招いている要因と言えます。さらにメーカーであれば、製造コストや人件費の上昇も、出店企業の利益を圧迫する要素になっています。
このような状況だからこそ、広告運用だけではなく、事前の市場調査による販売余地の確認と、差別化ポイントの明確化といった「商品企画」が重要になります。同時にSNSも活用したマーケティング施策を組み合わせることで、前述の「利益率の改善」といった課題解決にもつながると考えています。
自社のEC事業において、利益率に課題を感じている販売者の方は、ぜひGROOVEまでお声がけください。商品企画+広告運用など、複数のサービスを組み合わせることで、課題の解決に向けたご提案をさせていただきます