Amazon定期おトク便の活用法と参加条件|リピート購入を促進する方法とは?
Amazon定期おトク便は、日用品などの消耗品を定期的に自動で受注・発送してくれる便利なプログラムです。利用者は割引価格で商品を購入できるため利便性が高く、出品者にとってはリピート購入を促進できる魅力的な仕組みです。
本記事では、定期おトク便の主なメリットや、プログラムに参加するための条件、料金体系について詳しく解説します。
目次
1. Amazon定期おトク便とは
Amazon定期おトク便は、ユーザーが選んだ商品を定期的に自動配送するAmazon独自のサブスクリプションサービスです。
サプリメントやヘアケア製品など、日常的に使用する商品を割引価格でユーザーに届ける仕組みで、EC事業者はこのサービスに対応することで、リピーターを増やし、定期的な注文を確保することができ、売上の安定化が期待できます。
2. Amazon定期おトク便の仕組み
定期おトク便のサービス内容について、以下で詳しくご説明します。
最大15%の割引適用
通常の購入と比べ、定期おトク便では5〜10%の割引が自動で適用されます。さらに、同じ日に配送される定期おトク便の商品が3点以上ある場合は、追加で5%の割引が適用され、合計で15%オフが可能です。この割引はセール期間外でも有効なので、いつでもお得に必要な商品を注文できます。
配送料無料
定期おトク便での配送は、通常配送が適用されるため、送料が無料になります。プライム会員でない一般ユーザーにも適用されるため、多くのユーザーが負担なく利用できる仕組みです。
柔軟な配送スケジュール設定
1〜6か月ごとに配送頻度を自由に設定でき、変更も簡単です。たとえば、季節ごとに需要が変わる消耗品や飲料水など、使用量に応じたスケジュール調整が可能です。
いつでもキャンセルが可能
定期おトク便には利用料金や契約期間の制限がないため、いつでも簡単にキャンセルできます。配送手続きが進んでいない注文ならキャンセルがすぐに可能で、気軽に利用できる安心感が魅力です。
プライム会員以外も利用可能
このサービスは、プライム会員に限らず、すべてのAmazonユーザーが利用できます。定期おトク便は幅広いユーザーにとって、便利でお得なサービスです。
2.1. 定期的に消費者に商品が届くまでの流れ
消費者は対象商品ページで「定期おトク便」を選択し、希望する配送間隔を設定します。
このサービスでは、配送間隔に応じて割引が適用されるため、通常価格よりもお得に購入できるのが特徴です。初回注文時に支払いが発生し、その後も設定した配送間隔に応じて自動的に支払いが引き落とされます。支払いはAmazonアカウントに登録された方法で処理されるため、再度入力する手間がかかりません。
配送日が近づくと、Amazonから消費者に通知が届きます。この通知には配送予定日や現在の価格が記載され、必要に応じて数量や配送先の変更が可能です。
また、注文が不要な場合はキャンセルすることもできます。確認が完了した注文は、Amazonのフルフィルメントセンターで迅速に梱包・発送準備が行われ、出荷されると通知が届きます。消費者は指定日に商品を受け取ることができ、在庫を気にすることなく必要な商品を定期的に手に入れられるため、利便性が高まります。
この流れは、消費者がキャンセルしない限り自動で継続し、次回配送日に向けて同じ流れが繰り返されます。これにより、消費者は必要な商品をタイミングよく受け取れるだけでなく、リピート購入も促進される仕組みとなっています。
2.2. Amazon上での表示
Amazon定期おトク便の表示内容について、詳しく説明します。
・商品ページでの見え方
・スポンサーディスプレイ広告設定時の見え方
・検索結果画面での見え方
・ブランドストアでの見え方
・定期おトク便ストアでの見え方
2.2.1. 商品ページでの見え方
定期おトク便の対象商品には、「通常の注文」の項目の下に「定期おトク便」が表示され、こちらを選ぶと、購入する数量や配送間隔を設定して申し込むことができます。
2.2.2. スポンサーディスプレイ広告設定時の見え方
「Amazon定期おトク便」を設定しているASINをスポンサーディスプレイ広告に登録すると、広告枠の左上に〇%OFFと表示されるオレンジ色のタグが付きます。
このタグにより、広告の表示効果が向上し、ユーザーへのアピールにつながります。
2.2.3. 検索結果画面での見え方
検索結果画面の見え方としては、通常価格の下に「定期おトク便」の価格と割引率のラベルが表示され、黄緑色の目に止まりやすいラベルになります。
2.2.4. ブランドストアでの見え方
ブランドストア内でも、「定期おトク便」の表示が追加されます。このストアを訪れる消費者は、ブランドへのロイヤリティが高い傾向があり、定期おトク便に興味を持って長期的にリピート購入してくれることが期待されます。
2.2.5. 定期おトク便ストアでの見え方
Amazon定期おトク便ストアでは、定期おトク便対象商品だけが一覧で表示されます。定期おトク便の商品を目的に探すユーザーは多くないかもしれませんが、商品の露出を増やすという観点では一定の効果が期待できます。
3. Amazon定期おトク便のメリット
Amazon定期おトク便のメリットを以下で説明します。
・リピート購入によるLTVの向上
・Amazon内での露出機会が増える
・他の出品者への切り替えを阻止しやすい
3.1. リピート購入によるLTVの向上
定期おトク便を利用することで、ユーザーが一度設定した商品は、自動的にスケジュールに沿って定期的に注文・配送されます。それにより、リピート購入率が高まり、継続的な利用が期待できます。
Amazonの直販部門のデータによると、定期おトク便を利用したユーザーは平均して4回以上のリピート購入を行っているため、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながっています。
3.2. Amazon内での露出機会が増える
定期おトク便に対応している商品は、商品ページに専用のショッピングカートボックスが自動で表示されます。この仕組みにより、ユーザーは注文数や配送スケジュールをその場で簡単に設定でき、購入がスムーズに行えます。そのため、商品が選ばれる可能性が高まり、露出機会が増える効果が期待できます。
さらに、Amazon内での商品の露出が増えることで、販売機会も広がります。定期おトク便に対応している商品は、ブランドページや定期おトク便専用の検索結果にも表示され、ユーザーからの認知度が高まります。
検索順位に直接の影響はありませんが、割引ラベルが付くことで視認性が向上し、ユーザーの目を引きやすくなるメリットがあります。
3.3. 他の出品者への切り替えを阻止しやすい
Amazonで商品を購入する際、ユーザーは毎回商品を検索してカートに追加するため、同じ商品であっても異なる出品者から購入されることがあります。
一方、定期おトク便を利用することで、初回以降も同じ出品者が自動的に設定され、リピート購入がスムーズに行われます。Amazonでは出品者を意識せずに購入するユーザーが多いため、定期おトク便を活用してリピート顧客を確保することは、売上の安定に大きく影響します。
4. Amazon定期おトク便の登録条件
出品者が定期おトク便プログラムに参加するための条件を以下で説明します。
・FBAを利用していること
・アカウントのパフォーマンスが良好な状態であること
・商品が対象のカテゴリーであること
・FBAの利用実績や顧客満足度指数で一定のパフォーマンス基準を満たしていること
4.1. FBAを利用していること
Amazon定期おトク便を出品者として活用するためには、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用することが必須条件です。FBAとは、Amazonが商品の保管や梱包、配送を代行してくれるサービスのことで、出品者は物流業務をAmazonに任せられる仕組みです。
4.2. アカウントのパフォーマンスが良好な状態であること
Amazon定期おトク便を利用するには、FBAアカウントのパフォーマンスが良好であることも求められます。
Amazonは以下の基準に基づいて、商品の参加資格を判断します。
・出荷履歴と在庫ありの割合
・販売実績
・平均販売価格
4.3. 商品が対象のカテゴリーであること
Amazon定期おトク便を利用するには、出品者の商品が対象カテゴリーに含まれていることが必要です。対象商品カテゴリーは多くあり、条件をクリアしているかどうかはAmazonが自動で判別してくれます。これはサービスの適格性を保ち、効果的に提供するための条件です。
Amazonは商品を多数のカテゴリーに分け、それぞれに異なる要件を設けています。定期おトク便の対象商品は指定されたカテゴリーに限られ、出品者は自分の商品が該当するかを確認することで、このサービスを提供できます。
これにより、出品者は新たな顧客層にアプローチしやすくなり、顧客も利用しやすい環境が整えられています。
4.4. FBAの利用実績や顧客満足度指数で一定のパフォーマンス基準を満たしていること
前述の通り、Amazon定期おトク便を提供するためには、出品者がFBAの利用実績や顧客満足度の指標で定められた基準をクリアしていることが条件になります。
具体的には、過去の取引履歴や在庫管理、顧客対応などにおいて高いパフォーマンスが求められ、これにより顧客に信頼性の高いショッピング体験を提供できます。
さらに、顧客満足度は重要な指標であり、顧客からの評価や返品率などが評価されます。高い顧客満足度はリピート購入の可能性を高めるため、定期おトク便のようなサービスにおいて特に重要な要素になります。
これらの条件を満たすことで、定期おトク便に商品を登録することができます。
詳しくはAmazon公式ページに掲載されていますので、ぜひそちらもご確認ください。
参考:https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/external/G201620110
5. Amazon定期おトク便設定方法
Amazon定期おトク便の登録条件について
2021年10月からの新仕様により、Amazon定期おトク便の商品は基本割引が0%の設定で自動登録されるようになりました。また、1回の配送で3点以上の商品をまとめて受け取る「おまとめ配送」には、Amazonが追加で5%の割引を提供します。
参考:https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/external/G201620110
注: 2021年10月21日より、補充可能な対象商品は、0%の基本割引とAmazonによる5%のおまとめ割引を伴って自動的に登録されます。この変更による出品者の費用負担はありません。また、追加可能な商品をAmazon定期おトク便に手動で登録する必要もなくなります。自動登録の利用を希望しない場合は、商品管理ページで自動登録を解除をクリックすることで、いつでも解除できます。
6. Amazon定期おトク便料金体系
2021年10月14日以降、Amazon定期おトク便に登録されたすべての商品に新しい基本割引と料金体系が適用されました。1回の配送で3点以上の商品を受け取る場合、基本割引に加え、おまとめ割引が適用されます。
出品者による割引設定:0%
・同一配送日の商品が2点以下:購入者には割引が適用されません。
・同一配送日の商品が3点以上:購入者には5%の割引(Amazonが提供)が適用されます。
出品者による割引設定:5%
・同一配送日の商品が2点以下:購入者には5%の割引が適用されます。
・同一配送日の商品が3点以上:購入者には5%の割引(出品者が提供)に加え、さらに5%の割引(Amazonが提供)が適用されるため、10%の割引を受けることができます。
出品者による割引設定:10%
・同一配送日の商品が2点以下:購入者には10%の割引が適用されます。
・同一配送日の商品が3点以上:購入者には10%の割引(出品者が提供)に加え、さらに5%の割引(Amazonが提供)が適用されるため、15%の割引を受けることができます。
参考:https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/external/G201620110
7. まとめ
Amazon定期おトク便プログラムについて解説しました。このプログラムは、FBAを利用して日用品や消耗品を取り扱う出品者にとって、リピート顧客の獲得に非常に有効な手段です。固定利用料はかかりませんが、初回から5〜10%の割引が出品者の負担となるため、定期おトク便利用者のLTVを確認しつつ、参加を検討することが重要です。
また、自社ECサイトで定期購入を展開している企業にとっても、Amazonの定期おトク便を活用することで、CPA(顧客獲得単価)を抑えつつ新規顧客の獲得が期待できます。CPAが高騰する状況の中で、効率的な新規顧客獲得の手法として導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Amazon定期おトク便の施策は「株式会社GROOVE」にご相談ください!
Amazon定期おトク便の利用に関するご相談は、Amazon専門コンサルである「株式会社GROOVE」までお問合せ下さい。GROOVEでは多くのメーカー様を支援してきた中で培った、専門的な知見とノウハウを駆使し、FBAをより効率的かつ戦略的に活用できるアドバイスを提供します。
また、Amazon定期おトク便を活用するためには、FBAを利用することが必須条件となるため、FBAに関するご相談もございましたら、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください!
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。