Amazonと楽天の違いを徹底比較!かかる費用や集客支援の違いを解説!
Amazonと楽天にはそれぞれ特徴や強みがあり、自社の商品やビジネスモデルに適した選択が求められます。
ECサイトへの出店を検討する際、Amazonと楽天のどちらを選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Amazonと楽天の違いについて詳しく解説します。
1. Amazonと楽天の基本情報の比較
Amazonと楽天は、日本最大級のECプラットフォームとして知られていますが、その運営方針や特徴には大きな違いがあります。
ここでは、Amazonと楽天の基本情報の比較について詳しく解説します。
1.1. ビジネスモデルの違い
Amazonは「マーケットプレイス型」、楽天は「モール型」というビジネスモデルを採用しています。
Amazonでは、Amazon自身が販売者となる直販と、第三者の出品者が販売するマーケットプレイスが混在しています。一方、楽天は完全なモール型で、すべての商品が個別の出店者によって販売される形態です。
Amazonでは統一されたフォーマットで商品を出品するため、運営の手間は比較的少なくて済みますが、独自性を出しにくい面があります。楽天では各店舗の個性を活かした運営が可能で、ブランディングの自由度が高いです。
1.2. 利用者数と売上規模
Amazonと楽天は、利用者数と売上規模の面で両プラットフォームともに巨大な市場を形成しています。
Amazonの日本国内の利用者数は約6,724万人、楽天は約6,631万人と報告されており、売上規模については、Amazonが約3.67兆円、楽天が約5.6兆円とされています。
このように、Amazonと楽天は多くの消費者にリーチできる可能性を秘めているプラットフォームです。
出店を検討する際は、自社の商品ターゲットと各プラットフォームの利用者層の親和性も考慮する必要があります。
2. Amazonと楽天の出店・出品にかかる費用
出店を検討する際、初期費用や運営コストは重要な判断材料となります。
ここでは、Amazonと楽天の出店・出品の仕組みと費用について詳しく解説します。
2.1. 初期費用と月額費用
Amazonと楽天では、初期費用と月額費用の構造が大きく異なります。
Amazonの場合、月間商品が49点以下の小口出品であれば1つの商品あたり100円+販売手数料のみがかかり、初期費用と月額費用は不要です。月間商品が49点以上の大口出品の場合は月額4,900円+販売手数料がかかります。
一方、楽天は初期費用として60,000円が必要で、スタンダードプランの場合は月額費用として65,000円がかかります。ただし、がんばれ!プランは月額25,000円、メガショッププランは月額130,000円など、出店プランによって費用が異なります。
初期投資を抑えたい場合はAmazonが有利ですが、楽天の方が店舗のカスタマイズ性が高く、独自のブランディングが可能です。自社の資金力と運営方針に合わせて選択することが重要と言えます。
2.2. 販売手数料の比較
販売手数料は、商品が売れた際にプラットフォームに支払う費用です。
Amazonの場合、多くの商品カテゴリーで販売手数料が8%から15%の範囲で設定されています。一方、楽天はシステム利用料が月間売上高とプランによって決まるため、がんばれプランでは3.5〜6.5%の差があり、スタンダードプランでは2〜4%の差があります。
一見すると楽天の方が手数料が安いように見えますが、楽天の場合は月額費用が高いため、総合的なコスト比較が必要です。また、Amazonでは一部のカテゴリーで最低販売手数料が設定されているため、低価格商品を多く扱う場合は注意する必要があります。
2.3. 出店・出品の審査プロセス
出店・出品の審査プロセスも、両プラットフォームで大きく異なります。
Amazonの場合、比較的簡易な審査で出品が可能です。必要書類を提出し、通常3営業日程度で審査が完了します。一方、楽天の審査は2段階の審査プロセスがあり、より厳格です。まず書類審査があり、その後に面談審査が行われますが、審査期間は1〜2ヶ月程度かかることがあります。
Amazonの方が迅速に出品を開始できますが、楽天の厳格な審査はモール全体の品質維持につながっています。長期的な運営を考える場合、楽天の審査をクリアすることで信頼性の高い店舗として認識されやすいです。
3. Amazonと楽天の商品ページの自由度
商品ページのデザインや情報の掲載方法は、顧客の購買決定に大きな影響を与えます。
ここでは、Amazonと楽天の商品ページの自由度について詳しく解説します。
3.1. 商品ページのカスタマイズ性
Amazonと楽天では、商品ページのカスタマイズ性に大きな違いがあります。
Amazonの商品ページは、基本的に統一されたフォーマットで構成されています。商品名、画像、価格、商品説明などの基本情報を入力するだけで、商品ページの作成が可能です。
一方、楽天の商品ページは高度なカスタマイズができます。HTMLやCSSを使用して独自のデザインやレイアウトを適用でき、商品の特徴や魅力を自由な形で表現することができるのが特徴です。
Amazonの統一されたフォーマットは、ユーザーにとって情報を比較しやすいですが、楽天のカスタマイズ性の高さはブランドイメージの構築や商品の魅力的な訴求に有利です。
3.2. 店舗ブランディングの可能性
店舗ブランディングの観点でも、両プラットフォームには大きな違いがあります。
Amazonでは、個別の店舗ページは比較的シンプルで、カスタマイズの余地が限られています。顧客は主に商品単位で購入を決定し、特定の店舗にこだわる傾向が少ないのが特徴です。
楽天では、店舗ごとに独自のトップページを持つことができ、ロゴやバナー、カラーリングなどを自由にデザインできます。また、メルマガ配信や独自のポイントプログラムなど、顧客とのコミュニケーションツールも充実しています。
Amazonは商品力で勝負したい場合や運営の手間を最小限に抑えたい場合に適しており、楽天は長期的な顧客関係の構築やブランド価値の向上を重視する場合に有利です。
3.3. 運営に必要なスキルと労力
商品ページの自由度の違いは、運営に必要なスキルと労力にも影響します。
Amazonの場合、基本的なPC操作スキルがあれば、比較的簡単に商品ページを作成・管理できます。統一されたフォーマットを使用するため、デザインやコーディングのスキルは必要ありません。
楽天では、より高度なウェブデザインやHTMLのスキルが求められます。独自のページデザインを行う場合、外部のデザイナーやコーダーに依頼するケースも多くあります。また、定期的なセール企画やメルマガ配信など、継続的なマーケティング活動も重要です。
Amazonは運営の手間が少ない分、多数の商品を効率的に管理したい場合に適しており、楽天は運営に多くの労力が必要な分独自性を出せる可能性が高いです。
4. Amazonと楽天の集客支援
ECサイトの成功には、効果的な集客と販促活動が欠かせません。
ここでは、Amazonと楽天の集客と販促支援について詳しく解説します。
4.1プラットフォーム内の集客施策
Amazonと楽天では、プラットフォーム内の集客施策に違いがあります。
Amazonの場合、主に商品の検索結果やレコメンデーション機能を通じて集客が行われます。より多くのユーザーに商品を表示させるには、SEO対策や適切なキーワード設定が重要です。
楽天では、楽天市場のトップページや各カテゴリーページでの露出、ランキング表示などが主な集客源となります。また、楽天スーパーセールなどの大型セールイベントへの参加も、重要な集客機会となっています。
Amazonは商品単位での集客に強みがあり、楽天は店舗単位での集客やリピーター獲得に有利です。自社の商品特性や顧客層に合わせて、適切なプラットフォームを選択することが求められます。
4.2. ポイント制度の比較
ポイント制度も両プラットフォームで大きく異なります。
Amazonのポイントプログラムは比較的シンプルで、主にAmazonプライム会員向けのサービスとなっています。一部の商品でポイント還元がありますが、全商品に適用されるわけではありません。
楽天のポイント制度は非常に充実しており、楽天市場での買い物だけではなく楽天グループのさまざまなサービスでポイントが貯まり、使えるのが特徴です。また、店舗独自のポイントアップキャンペーンも実施できます。
ポイント還元を重視する顧客層をターゲットにしたい場合は、楽天の方が有利と言える一方、商品の魅力や価格競争力で勝負したい場合は、Amazonも十分な選択肢となります。
4.3. 広告・プロモーション機能
広告・プロモーション機能においても、両プラットフォームには特徴があります。
Amazonでは、スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告など、検索結果や商品詳細ページに表示される広告サービスが充実しているプラットフォームです。
楽天では、バナー広告やメールマガジン、タイムセールなど、多様な広告・プロモーションツールが用意されています。また、楽天スーパーポイントを活用したキャンペーンも効果的です。
Amazonの広告は商品単位での訴求に適しており、楽天の広告は店舗全体のブランディングや複数商品のプロモーションができます。自社の広告戦略に合わせて、適切なプラットフォームを選択することが重要です。
5. まとめ
Amazonと楽天は、それぞれに特徴と強みを持っているため、出店先を選ぶ際は自社の商品特性や運営体制、目標とする顧客層を十分に考慮する必要があります。
Amazonは、統一されたフォーマットと効率的な運営システムにより、多数の商品を扱う場合や運営の手間を最小限に抑えたい場合に適しています。また、FBAサービスを利用することで、物流面での負担を大幅に軽減できます。
一方、楽天は店舗のカスタマイズ性が高く、独自のブランディングや顧客とのコミュニケーションを重視する場合に適しています。ポイント制度や多様な販促ツールを活用することで、リピーター獲得にも有利です。
最終的な選択は、初期コスト、運営コスト、必要なスキルと労力、目標とする売上規模などを総合的に判断して行う必要があります。
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監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。