Amazon出品手数料はいくら?販売手数料やFBA手数料まで徹底解説!

Amazonで商品を販売する際、多くの出品者が見落としがちな「隠れた手数料」が利益に大きな影響を与えることがあります。売上が順調に伸びていても、手元に残るお金が少ないと感じる場合、その原因は手数料にあるかもしれません。利益を確保するためには、商品の原価だけでなく、販売にかかる手数料も正しく把握することが大切です。

本記事では、Amazonでの出品に関連する手数料について詳しく解説し、どのようにコストを管理して利益を最大化するかをご紹介します。

 

1. Amazon手数料とは


Amazon出品にかかる手数料について、以下で分けられます。

  • 出品プランによる手数料
  • 販売手数料
  • 自社配送
  • FBA手数料

Amazonの手数料は売上に応じて変動します。そのため販売する商品にどのくらいの手数料がかかるかを把握し、利益率を計算しましょう。

以下で、それぞれの手数料について詳しく解説します。

 

2. 出品プランによる手数料


Amazonでは、出品者のニーズに合わせて2種類の出品プランを用意しています。

大口出品と小口出品は、毎月の費用や出品できる商品の数が異なります。出品する商品の種類や予想される販売数に基づいて、最適な出品プランを選びましょう。

 

2.1. 大口出品プラン

大口出品プランは固定費として月額4,900円(税別)がかかりますが、月に50点以上の商品を販売予定の方に最適です。このプランは多くの販売を見込んでいる方に適しており、以下のような特徴があります。

  • Amazonカタログにない商品の新規登録・出品
  • APIやレポートなど、詳細な出品用ツールの利用
  • ショッピングカートボックスの利用資格の獲得
  • 商品広告の出稿
  • 出品者側での配送料設定

大口出品プランは、自社ブランド商品を出品したい方に特におすすめです。オリジナル商品の出品が可能で、ショッピングカートやFBAなどのセールスアップサポートも含まれているため、売上が伸びることが期待できます。

 

2.2. 小口出品プラン

小口出品プランは、大口出品プランと異なり、月額料はかかりません。商品が売れた時にのみ手数料が発生するため、少量の販売や出品する商品がまだ決まっていない方に最適です。小口出品プランには以下の特徴があります。

  • 少量販売(49点以下)に向いている
  • 月額料金は不要
  • 基本成約料として1点売れるごとに100円かかる
  • 出品には制限がある

小口出品プランは、販売可能なカテゴリーには制限があり、取り扱えない商品もあるため注意が必要です。

 

3. 販売手数料


Amazonでは販売する商品のカテゴリごとによって、発生する手数料の割合が異なります。

上記は、各カテゴリーごとの販売手数料の一部です。Amazonで商品を販売する際には、大口出品でも小口出品でも、売れた商品ごとにカテゴリーに応じた手数料がかかります。

注意点として、2024年6月1日から、商品1点あたり750円以下のすべての商品(本、ミュージック、DVD、ビデオ、PCソフト、TVゲーム、Amazonデバイス用アクセサリを除く)の販売手数料が5%に引き下げられています(最低手数料は30円)。また、食品&飲料およびビール商品には、商品1点あたり30円の最低販売手数料が導入されています。

さらに詳しい販売手数料は、Amazon出品サービスの手数料に掲載されていますのでご確認ください。

 

4. 自社発送の場合


Amazonの配送料は、自社発送とFBAで異なります。自社で発送する場合、費用は大口出品と小口出品で異なり、大口出品者は配送料を自分で設定することができます。

小口出品者の場合、Amazonが設定した配送料をすべての商品に適用しなければなりません。

配送コストがAmazonの設定した料金を下回る場合は、出品者は利益を得ることができますが、上回る場合はその差額を出品者が負担することになります。したがって、小口出品では利益を確保するために適切な販売価格を設定することが大切です。

以下は、日本国内の小口出品に適用される配送料です。

参照:Amazon / 出品にかかる費用

 

5. FBA利用の場合


FBA(フルフィルメント by Amazon)は、Amazonに商品の保管、梱包、出荷、そしてクレーム対応までを任せられるサービスです。出品者は商品を指定された倉庫に送るだけで、これらの一連の業務をすべてAmazonが行います。FBAを利用する場合、「配送代行手数料」と「在庫保管手数料」の2つの主要な費用が発生します。

こうした費用や利益を正確に把握するために役立つのが、AmazonのFBAシミュレーターです。このツールは、既にAmazonで出品している方だけでなく、これから出品を考えている方も利用できます。FBAシミュレーターを活用することで、利益を最大化するための最適な販売価格を設定することが可能です。

FBAの概要についてはこちらの記事をご覧ください

 

5.1. FBAシミュレーター

Amazon FBAシミュレーターを利用することで、次のような手数料が簡単に計算できます。

  • 販売手数料
  • 出荷コスト
  • 基本成約料やカテゴリー別成約料
  • 在庫保管の費用

上記の手数料は、商品を販売するたびに発生するので価格設定やセールの際に非常に大切です。FBAシミュレーターを使用することによって費用を考慮し、最適な価格を決定するのに役立ちます。

 

5.2. 配送代行手数料

FBAの配送代行手数料には、商品のピッキング、梱包、発送、カスタマーサービス、および返金処理にかかるすべてのコストが含まれています。このため、各作業ごとに個別の料金が発生することはなく、料金体系がシンプルで分かりやすくなっています。

以下では、具体的な配送代行手数料の例を示します。

FBAの配送代行手数料は商品のサイズや重量によって異なります。サイズが大きくなるほど手数料も高くなるため、事前にこれらの手数料を確認しておくことが重要です。手数料が高くなる商品については、自社発送を検討することも必要です。

 

5.3. 在庫保管手数料

FBAの在庫保管手数料は、フルフィルメントセンターの倉庫を利用する際にかかる料金です。料金は、出品者が1日あたりに使用する保管スペースに基づいて算出されます。また、在庫保管手数料は、商品のカテゴリーや保管する時期によって異なります。

 

参照:Amazonセラーセントラル / FBAの機能、サービス、手数料、リソース 

上記からみてとれるように、服やシューズ、ファッション小物、バッグカテゴリを除く商品は、商品の大きさや時期によって手数料の変動が大きいことが分かります。そのため、商品ごとにFBAを利用するかどうかを計画的に確認しないと、利益が大きく圧迫される可能性があります。

 

5.4. 長期在庫保管手数料

FBAを利用すると、Amazonフルフィルメントセンターで在庫を保管してもらえますが、保管期間が365日を超えると「長期在庫保管手数料」が発生します。Amazonでは長期間の在庫保管を無償で提供していないため、注意が必要です。

長期在庫を保管する場合、通常の在庫保管手数料に加え、長期在庫保管手数料が追加でかかります。長期在庫保管手数料の算出方法は、「10cm × 10cm × 10cmあたり17.773円」です。メディア商品については別途基準があり、1点あたり10円の手数料が請求されます。

 

5.5. 返送・所有権の放棄に伴う手数料

Amazonで販売された商品が返品された場合、または返品された商品が破損などで再販できない状態になった場合、Amazonに別途手数料を支払って商品を返送してもらうか、所有権を放棄して処分してもらうことができます。この際に発生する手数料は以下の通りです。

 

FBA返送 / 所有権の放棄手数料(商品あたり)

※手数料は、1,000g(小型および標準サイズ)または5,000g(大型および特大型)を超えるたびに、1gごとに追加で請求されますので注意が必要です。

参照:Amazonセラーセントラル / 返送/所有権の放棄依頼に関する手数料

 

5.6. 納品不備受領作業手数料

納品不備受領作業手数料は、出品商品に問題があると発生する費用です。具体的には、商品ラベルが付いていない、または梱包に問題がある場合に、Amazonが代わりに販売可能な状態に訂正するための手数料です。

手数料の金額は、訂正の内容によって異なります。例えば、商品ラベルが欠けている場合、軽度の訂正であれば51円、重度の訂正であれば81円が請求されます。

Amazonでは、フルフィルメントセンターで梱包から配送までの管理を正確に行っています。ルールを守って納品作業を行い、不備を防ぐようにしましょう。

 

5.7. 梱包サービス

FBAに梱包をすべて依頼する場合、梱包サービスに対して手数料が発生します。手数料は、選択する梱包方法や商品のカテゴリーによって異なります。

 

6. Amazon出品に伴うその他の手数料


他にもAmazonに出品する際には、次のような手数料も発生します。

  • Amazonクーポン償還手数料
  • 返品処理手数料
  • 配送料チャージバック
  • 代引き手数料チャージバック

 

6.1. Amazonクーポン償還手数料

Amazonクーポン償還手数料とは、クーポンを提供した商品に対して発生する費用のことです。クーポンを使用した商品の数に応じて手数料が増え、1点あたり60円が請求されます。

Amazonクーポン償還手数料は、クーポンを適用した商品に対して発生する費用です。この手数料は、クーポンを使用して購入された商品ごとに60円が請求されます。つまり、クーポン利用により売れた商品の数に応じて手数料が加算します。クーポンを提供する際は、この追加費用も考慮し、全体のコストを管理することが重要です。

 

6.2. 返品処理手数料

商品の代金を購入者に返金する際、Amazonは出品者が支払った販売手数料も返金します。返金額は、500円または販売手数料の10%のいずれか少ない方が適用され、この金額が販売手数料から差し引かれます。

 

6.3. 配送料チャージバック

出品者が支払った配送料は、最初にAmazonのペイメントで計上されます。その後、配送料チャージバックとしてAmazonの手数料から差し引かれます。これにより、追加料金が発生したように見えるかもしれませんが、最終的には相殺されるため、実際には追加の費用は発生しません。

 

6.4. 代引き手数料チャージバック

引き手数料は、配送料と同じようにAmazonのペイメントシステムに計上されますが、最終的に手数料から自動的に差し引かれる仕組みです。これにより、別途追加で費用を負担することなく、代引きの処理を行うことができます。

 

7. Amazonの利用者が多い理由とは


Amazonを多くの人が利用する理由は次の通りです。

  • 時間の削減:購入者とのやり取りが不要
  • 低リスクでの開始:リスクを抑えて簡単に販売活動が始められる

 

7.1. 購入者とのやり取りが不要

Amazonでは、すべての取引においてAmazonが仲介役を果たします。この仕組みにより、出品者は購入者とのやり取りに時間を取られることなく、販売活動に専念することができます。Amazonの介入によって、販売者は効率よく、かつ集中してビジネスを進めることができます。

 

7.2. リスクを抑えて販売活動が始められる

Amazonは国内だけでなく、海外にも販売網を広げています。一見すると手数料が高く感じるかもしれませんが、Amazonの高い知名度を活用することで、初期投資を抑えながら販売を始めることが可能です。さらに、売上が発生してから手数料がかかる仕組みなので、大きな準備金を用意することなく、低リスクでビジネスをスタートできます。

 

8. Amazonの手数料を抑える出品方法


Amazonで出品する際に手数料を抑えたいと考える方は多いでしょう。以下に、手数料を減らすための2つの方法をご紹介します。

  • 低い単価やサイズが大きい商品は避ける
  • 売上が安定するまではFBAを利用しない

これらの方法を解説していきます。

 

8.1. 低い単価やサイズが大きい商品は避ける

Amazonで商品を出品する際、商品のサイズや重量によって配送手数料が変わります。もし商品の単価が低く、配送手数料が高いと、売上からの利益が減ってしまいます。

さらに、AmazonのFBAを利用すると、大きなサイズの商品ほど在庫保管手数料が高くなります。そのため、手数料を抑えたい場合は、サイズが大きく単価が低い商品は出品を避けることを検討するのが良いでしょう。

 

8.2. 売上が安定するまではFBAを利用しない

AmazonのFBAは、在庫管理、梱包、発送を代行してくれる便利なサービスですが、FBAを利用する際に「配送代行手数料」「在庫保管手数料」「長期保管手数料」の手数料が発生します。

FBAを使わずに自社で全ての出品作業を行うと、手数料を大幅に削減できます。特に、売上がまだ少ないうちは、自分で出品作業を行うことでコストを抑えられます。売上が伸びてきた段階で、FBAを利用し始めるのが良いでしょう。

ただし、FBAを利用する出品者には「Primeマーク」が付けられ、Amazonの検索結果で上位に表示されやすくなります。これにより、購入者からの信頼性が向上し、販売機会が増える可能性があります。そのため基本的にはFBAを利用するという前提のもとで販売戦略を考えていくとよいでしょう。

 

9. まとめ


本記事では、Amazonの販売手数料について詳しく説明しました。手数料の詳細を把握することは、利益を確保するために非常に重要です。もし「売れたのに手数料を引いたら赤字だった」という状況になると、販売が成功しても利益が出ないことがあります。

これを避けるために、まずは商品の原価や手数料を計算してみるのが良いでしょう。これにより、実際にどれくらいの利益が得られるのかを確認し、適切な価格設定や販売戦略を見直すことができます。

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執筆者 : 松岡 孝明
マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。
現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。




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