Amazonで初めて販売される事業者様向けセミナー ~Amazonに出品したらこれだけは押さえよう~
この記事は、2022年2月にアマゾンジャパン合同会社と株式会社GROOVEが共同開催したセミナー「Amazonで初めて販売される事業者様向けセミナー〜Amazonに出品したらこれだけは押さえよう〜」のポイントをまとめたものです。
Amazon販売に取り組むうえで知っておくべき前提知識に始まり、売り場・商品ページ・配送設定・集客といった基礎を網羅的に解説します。初めての方でも取り組みやすいよう、確実に押さえておきたいポイントに絞って解説しているので、記事を読めばAmazon販売を開始するにあたってやるべきことがクリアになるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 初心者がまずやるべきこと
- Amazon販売における最重要の前提知識
- 売り場を知る~検索してみる~
- 商品詳細ページをつくりこもう
- 配送設定をしよう
- 集客(広告運用)をしよう
- まとめ
初心者がまずやるべきこと
初心者の方がこれからAmazon販売に参入しようと考える場合、やるべきことは以下の通りです。
- 売り場を知る
- 商品詳細ページをつくりこむ
- FBAを利用する
- スポンサープロダクト広告をオートターゲティングで運用する
上記の内容を実施できれば、初心者を卒業したといっていいでしょう。
Amazon販売における最重要の前提知識
Amazonで商品を販売していくにあたって、まずは重要な前提知識を確認しましょう。
Amazonの売上方程式
Amazonでの売上は、「セッション×購入転換率(CVR)×購入単価」という方程式で求められます。購入単価は商品によって変化するため、ここでは一旦除いて考えましょう。
残りの2つの要素であるセッション数や購入転換率を上げるためには、さまざまな施策があります。セッション数を増やすためには自然検索を増やしたり、広告運用をしたりする必要があるでしょう。購入転換率を上げるためにはメイン画像やサブ画像を工夫しなければなりません。
メイン画像やサブ画像、広告運用については後ほど詳しく解説します。
Amazonの検索アルゴリズム
Amazonの検索アルゴリズムを理解しましょう。Amazonの検索アルゴリズムでは、まずインプレッションを拡大することが重要です。
インプレッションとは、商品が画面上に表示された回数です。お客様が商品を検索した結果、ページ上に自分たちの商品が表示されればインプレッションとしてカウントされます。
さらに、そこから商品がクリックされると「セッション」となります。セッション数が上がれば売上が上がりやすくなり、売上が上がればAmazon上の検索順位が上がります。検索順位が上がるのは、Amazonが売れている商品を目立つ場所に並べようとするためです。
そして検索順位が上がれば、商品ページへの入口であるインプレッションが拡大されます。このようにAmazonのアルゴリズムに乗ることでよい循環が生まれるのです。
Amazonのカスタマージャーニー
カスタマージャーニーとは、お客様の導線です。お客様がAmazonに来てから自社の商品を買うまでにたどるルートを指します。
Amazonにおいて、商品ページにたどり着くまでのルートは検索からの流入が約6割、ほかの商品ページからの流入が約3割です。つまり、Amazon販売の攻略には「検索」が非常に重要であるということです。
売り場を知る~検索してみる~
Amazon販売に取り組む際は、Amazonの売り場の状況をよく把握しておきましょう。
トップページの検索欄に商品のカテゴリー名を入力してみてください。すると、入力欄に予測変換の関連キーワードが表示されます。予測変換は実際に検索されるキーワードが反映されているため、「お客様がどのようなキーワードで検索するのか」を知るうえで重要な情報です。
検索キーワードを定量的に調べるためには、Amazonから提供されているbrand analyticsというツールがおすすめです。よく調べられている検索キーワードがランキングで表示されるため、人気の商品・カテゴリーを調べたり市場規模を推測したりするのに役立ちます。
商品詳細ページをつくりこもう
お客様にクリックしてもらうためには、商品詳細ページをつくりこむ必要があります。商品詳細ページにおいて大切なのは、以下の3つです。
- メイン画像
- サブ画像
- キーワード対策
3つのポイント
①メイン画像
メイン画像は検索結果上に表示されるため、クリック率に大きく影響します。メイン画像を用意するときのチェック項目は以下の通りです。
メイン画像の影響は大きく、写真を変えただけでクリック率が1.6倍になった事例もあります。ABテストを行なって最適な画像を探しましょう。
また、メイン画像はスマートフォン上で確認することも大切です。お客様の7割はスマートフォンで購入しているため、編集作業はパソコンで行なったとしても、最終チェックはスマートフォンで行ないましょう。
Amazonの場合、設定した項目が多いほど画像のサイズが大きくなる傾向にあります。カテゴリーや時期によって表示サイズは変わってくるため、テストしながら検証してみてください。
②サブ画像
サブ画像は購入転換率(コンバージョン率)に大きく影響します。サブ画像を用意するときのチェック項目は、以下の通りです。
サブ画像はスマートフォンでも見える文字サイズにしましょう。サブ画像1枚あたりの訴求ポイントは1~2個程度に絞るのがおすすめです。また、お客様は3枚目の画像までに離脱する場合が多いため、特に伝えたい情報は1枚目と2枚目に入れることが大切です。
③キーワード対策
キーワードはAmazon販売においてきわめて重要な要素です。
タイトルや説明文などに対策したいキーワードを設定しましょう。具体的には、以下の5カ所にキーワードを設定してください。
- タイトル
- 商品説明文
- 商品説明の箇条書き
- 検索キーワード
- 商品紹介コンテンツ
キーワードはインデックス化されることが大切です。インデックスとは「検索にヒットする状態かどうか」です。自分が狙いたいキーワードを設定しても、Amazonによってインデックス化されていなければ検索でヒットしません。
インデックス化されているか確認するためには、Amazonの商品番号である「ASIN」とキーワードの組み合わせで検索してみてください。「ASIN + キーワード」で検索し、該当商品が表示されていれば狙ったキーワードでインデックス化できているということです。
配送設定をしよう
Amazonで商品を販売するためには、FBAの活用が欠かせません。FBAとは「フルフィルメント by Amazon」の略で、Amazonの配送サービスを自社商品の販売に活用できる仕組みのことです。FBAを活用すれば受注対応に手間がかからないほか、Primeアイコンの表示によって販売を後押ししてくれます。
Amazonの配送条件における優先順位は、以下の通りです。
「Amazon販売およびFBA」が、アルゴリズム上もっとも優先されています。
避けるべきなのが「在庫切れ」の状態です。Amazon上に商品が表示されなくなるため売上が立たず、売れない期間が続けば検索順位も落ちていきます。在庫が入る頃にはもとの順位から下がってしまっているため、大きな損失となります。
「在庫切れ」になる場合は、できる限り「予約販売」に設定することをおすすめします。
集客(広告運用)をしよう
ブランドが築けていない段階で集客の重要な手段となるのが広告運用です。Amazonにおける広告戦略としては、以下2つの考え方を押さえておきましょう。
これからAmazonで販売される方は、「②営業利益を守りながら、売上のベースアップを目指す」でよいでしょう。
「①3~6か月は赤字を掘って、半年以降に単月黒字化を目指す」は、最初は利益を度外視して広告経由で売上を立て、販売実績を積み上げる方法です。実績とともに自然検索の順位が上がり、数か月後には黒字になるという戦略です。
目的に合わせた広告運用
Amazonの広告には複数の種類があるため、目的に応じて使い分けることが大切です。
広告の種類
Amazonの広告には、以下の種類があります。
最初のステップとしては、「スポンサープロダクト広告」を選びましょう。まずは少額から広告投資を開始し、徐々に費用対効果を高めていくことが大切です。
上記のうちほとんどの広告はAmazon内に掲載されるものですが、DSP広告やSNS広告はAmazonの外に掲載されます。DSP広告は、過去にAmazonで自社の商品を見た人が別のサイトを訪れている際、該当商品の広告を表示する「リターゲティング広告」です。
まとめ
本記事では、Amazonでこれから販売を始める方がまず押さえておきたいポイントを網羅的に解説しました。Amazonで売上を上げるためには、売り場の状況を把握したうえで商品ページ・配送設定・集客といった細部を突き詰めていく必要があります。検証を繰り返しながら、ぜひブランド構築に取り組んでみてください。