AmazonPrimeVideo広告を運用できる代理店は?
2025年、Amazonプライムビデオへの広告配信が日本でも本格スタートしました。Amazonのスポンサー広告に注力してきた国内大手メーカーのマーケティング担当者にとって、これはAmazon内のマーケティング戦略を根本から見直す転換点です。
これまでAmazonは「購買に近い場所での広告」という強みを持ちながらも、大規模なブランド認知獲得という点ではテレビCMや他のストリーミングサービスに一歩譲る部分がありました。しかしAmazonプライムビデオ広告(以下、PVa)の登場によって、認知から購買まで一気通貫で設計できるフルファネル型のAmazonマーケティングが現実のものとなりました。
本記事では、PVaの特徴・メリット・予算感から、TVer/Abema広告との比較、Amazon Marketing Cloud(AMC)との組み合わせ方、そして国内で対応可能な代理店まで、事業責任者・担当者が意思決定に必要な情報をまとめて解説します。
目次
1. AmazonPrimeVideo広告(PVa)の特徴と利用するメリットは何か?
2. AmazonPrimeVideo広告(PVa)の予算感はどれくらい必要か?
3. TVer広告やAbema広告との違いは?
- 4. Amazon Marketing Cloudと組み合わせるとどんなことができるのか?
- 5. Amazon Prime Video広告を扱うことができる代理店は?
1. AmazonPrimeVideo広告(PVa)の特徴と利用するメリットは何か?
PVaとは何か
Amazonプライムビデオ広告(Prime Video Ads / PVa)とは、Amazonプライム会員向けの動画配信サービス「Amazonプライムビデオ」内で配信される動画広告のことです。2025年4月8日から日本国内でも正式にスタートし、プライム会員がコンテンツを視聴する前(プレロール)や視聴途中(ミッドロール)に、15秒・30秒のスキップ不可の動画広告が表示される仕組みです。
広告はFire TVやPC、スマートフォン、タブレットなどマルチデバイスで配信される。スキップ不可の仕様であるため、動画の視聴完了率(VCR)が高く、ブランドメッセージを確実に届けられる点が大きな特徴です。
国内のプライムビデオ視聴者は約2,900万人といわれており、男女比は男性55%・女性45%とバランスがとれており、年齢分布も18〜24歳から65歳以上まで各世代に均等に広がっています。プラットフォームとしてのリーチの広さと視聴者の多様性は、大手メーカーの全国施策にも十分対応できるスケールを持ちます。
なお、プライム会費(月額600円)に月額390円を加えた「広告フリープラン」も選択可能ですが、多くのユーザーは通常のプライム会員のまま利用しており、広告在庫は十分に確保されていると思われます。
スポンサー広告だけでは届かない層がいる
まず大前提として確認しておきたいのが、Amazon内のスポンサー広告(スポンサープロダクト・スポンサーブランド・スポンサーディスプレイ)の限界です。
スポンサー広告が強いのは、すでにカテゴリーや商品名で検索しているユーザーへのアプローチ、いわゆる「刈り取り」型の施策です。しかし検索行動の手前、まだカテゴリーを知らない・ブランドを知らない潜在顧客層に対するリーチとしては最適ではありません。また競合ブランドとの価格競争に陥りやすく、CPC・CPAが高騰しているカテゴリーも増えています。
キャンペーン単位でROASが良い場合でも、キーワード単位で分析を行うとブランドキーワードへの投資でROASが良くなっているだけで、一般キーワードで成果につながっていない、すなわち実際には新規顧客を獲得できておらず、指名検索をしている既存顧客が繰り返し購入しているだけというケースも珍しくありません。当社ではこうした状態を「見せかけのROAS改善」と呼んでいます。
もちろんユーザーが自社のブランドキーワードで検索した際に、自社の商品がしっかりと表示される状態を作ることは重要です。しかし、そもそもブランドキーワードで検索をしているユーザーは自社のブランドを知っている場合が多く、必要以上の投資はしないほうが良いでしょう。
それよりも、この構造的な限界を突破するためには、認知層向けの施策を打ち、ブランドキーワード自体の検索ボリュームを大きくしていくことが有効です。
Amazonにおける認知施策にはどんなものがあるのか?
これまでのAmazonでは、認知層向けの施策を打つ手段は大きく分けると二つ存在していました。一つはAmazon外のプラットフォーム、例えばMeta広告などを利用して外部流入を図る手法。そしてもう一つがAmazon DSP広告の利用です。
Amazonにおける外部施策とは、一言で言えば「Amazonの外側(SNSや検索エンジンなど)から、自社の商品ページへユーザーを呼び込むための戦略」のことです。具体的な手法としては以下のようなものがあります。
- SNSの活用: Instagram, TikTok, X(旧Twitter), YouTubeなどで商品を紹介し、リンクからAmazonへ誘導する。
- インフルエンサーマーケティング: 専門分野のクリエイターに商品を紹介してもらい、信頼性の高いトラフィックを流す。
- 外部広告: Google広告やMeta広告(Facebook/Instagram広告)を運用し、Amazonの商品ページをランディングページにする。
- Webメディア・ブログ: 比較記事やレビュー記事からの流入を狙う。
近年、外部施策が注目される理由として、Amazonのアルゴリズム(A10などと呼ばれる最新基準)の存在があります。このA10アルゴリズムでは、外部からの流入が高く評価される傾向にあり、特に検索順位(SEO)の向上に貢献するといわれています。
外部施策は、単に売上を伸ばすだけでなく、Amazon内の評価を底上げして、広告に頼らずに売れる仕組みを作るための強力なブースターとなるのです。
DSP広告とプライムビデオ広告は何が違うのか?
Amazonにおける認知層向け施策として用いられるもう一つの手段が、AmazonDSP広告です。Amazonのスポンサー広告は基本的にAmazonのプラットフォーム内に表示されるのに対し、Amazon DSP広告を使えば「オフサイト」と言われる、Amazon外のWebサイト上にバナー広告を表示させることが可能になります。
しかし、通常のAmazon DSP広告によるオフサイト配信は、配信先を指定・特定することができず、サイト自体のカテゴリや閲覧者の興味関心とマッチした場所に広告が表示されているかが不透明な点がありました。
それに対して、PVaの場合はプライムビデオというAmazonが持つ媒体上に広告を表示させることができます。プライムビデオ会員の多くがAmazonプライムの会員でもあるため、Amazonの持つ膨大な購買データをもとにユーザーの興味関心を絞って配信することが可能になります。これが従来までのDSP広告との大きな違いになります。
またAmazon Marketing Cloud(AMC)を利用すれば、実際に購買につながっているかどうかやどんなオーディエンスでの配信の効果が良かったのかを分析することも可能で、次のアクションに生かすことができます。
消費者意識という観点からは、PVaが生み出すのは単なる「認知」ではなく、「認識」だともいえます。
「認知」とは、ブランドを知っているか知っていないかという0か1の状態を指します。一方「認識」とは、ブランドのイメージや他ブランドとの違いまで理解している状態です。売上に継続的につながるのは、単に知っているユーザーではなく、商品やサービスのUSPを理解して選ぶユーザーです。
これまでのAmazon DSP広告は静止画バナーが主だったためこれが難しかったです。それに対し、PVaは動画フォーマットを通じてブランドの世界観やUSPを視聴者に届け、認知と興味関心の間に「認識」を生み出すことができます。この「認識づくり」こそがフルファネル戦略を成功させる上での重要な役割となると考えられます。
※今回の文脈ではAmazon DSP広告とプライムビデオ広告を別物として記載していますが、プライムビデオ広告の管理自体はDSP広告の管理画面から行うことになります。
PVaを活用すべき5つの理由
① 購買意欲の高いオーディエンスへのリーチ
Amazonの内部データによると、Prime Video視聴者の93%が毎月Amazon.co.jpで買い物をしており、非視聴者と比較して毎月のAmazonでの支出金額が65%多くなっています。さらに、Prime Video視聴者は一般消費者と比べて広告商品を購入する意向が33%高いというデータもあります。テレビCMのような「不特定多数へのリーチ」ではなく、実際の購買者に近い層へアプローチできる点が大きな優位性です。
② Amazon内でフルファネルマーケティングを完結できる
これまでもAmazon DSP広告を利用すれば「認知層」向けに広告を配信することはできました。しかし、認知目的のDSP広告が購買まで繋がっているか、効率的に新規購入者を獲得できているかというと、実際にAMCで分析するとスポンサー広告の方がはるかに新規獲得につながっていたというケースも少なくありません。
PVaはDSP広告の代替ではなく、認知から購買まで明確な設計を持つフルファネル施策としてAmazon内を完結させられる点が本質的な違いです。
③ フルファネル組み合わせによる購買率の大幅向上
Amazonの内部データ(2025年4〜7月)によると、PVa単体ではなくFire TVやAmazon DSPなどの複数フォーマットを組み合わせた場合、ブランドへの好意度が+182%、購入率が+176%、新規顧客獲得が+230%向上しています。
さらに「PVa→スポンサー広告→Amazon DSP」という接触順序で設計したケースでは、購買率がスポンサー広告単体対比で最大+933%に達した事例もあります。スポンサー広告との組み合わせがいかに重要かがわかります。
④ Amazonデータを活用した精緻なターゲティング
通常のスポンサー広告やDSP広告と同様に、Amazonの購買データをターゲティングに活用できます。競合ASINを閲覧・購入したことのあるユーザーや、自社商品を過去6か月以内に購入したユーザー、ブランド新規ユーザーなど、テレビCMでは到底実現できない精度でオーディエンスを設定できます。テレビのように「スポーツ番組なら男性が多いだろう」という推測ではなく、明確なデータに基づくターゲティングが可能です。
⑤ ブランドキーワードを「育てる」という戦略的効果
PVaによってブランドの「認識」が広まると、Amazonでの自社ブランドキーワードの検索ボリュームが自然に増加します。これはスポンサー広告のROASを改善するだけでなく、競合との差別化が進み、価格競争から抜け出す土台を作ります。
2. AmazonPrimeVideo広告(PVa)の予算感はどれくらい必要か?
課金方式とプランの種類にはどんなものがあるか?
PVaには大きく「予約型」と「運用型」の2つのプランがあります。
予約型は、事前に広告配信枠を購入(指定)して広告を流す純広告的な方式です。デモグラフィックや番組ジャンルの指定は可能ですが、、AMCオーディエンスなどのカスタムオーディエンスは利用できません。配信量が保証されるため、新商品のローンチ時や特定期間への集中投下に向いています。
運用型は、予約型で埋まった残り枠に対してオークション形式で入札する方式で、他のAmazon広告と同様にターゲティングや予算の柔軟な調整が可能です。AMCオーディエンスの活用もできるため、より精緻な運用設計が実現できます。
CPMの目安と最低予算はどれくらいか?
現時点(2026年時点)の国内CPM目安は以下の通りです。
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プラン |
CPM目安(国内) |
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予約型 |
約2,050円 |
|
運用型 |
約1,300〜1,400円 |
参考として、TVer広告は15秒CMで1再生あたり約6円(CPM換算で約6,000円)、Abema広告は同約2円(CPM換算で約2,000円)とされており、現状のPVaはこれらと比較しても競争力のある水準にあります。
ただし、今後出稿する広告主が増加するにつれてCPMは上昇していく可能性が高いです。特に運用型はオークション方式のため、競合が増えるほど単価が上がります。早期に出稿・検証を始めておくことが費用対効果の面でも有利です。
Amazonに直接依頼する場合、最低予算は50,000米ドル(約750万円)が目安とされています。一方、代理店経由のセルフサービス型(Amazon DSP活用)であれば月額数十万円からの出稿も可能で、大手メーカーだけでなくD2C系のメーカーにもチャンスが広がっています。
予算設計の考え方
PVaを始める際の予算設計では、以下の点を考慮することが望ましいです。
まず、スポンサー広告がしっかり運用できていることが前提です。PVaは現状クリックで商品ページに直接遷移できる仕様ではないため、PVaで認知・認識を広げた後、視聴者がAmazonで検索した際にスポンサー広告で確実にキャッチアップできる体制が整っていなければ機会損失になります。
次に、効果検証のためには最低3ヶ月程度の計測期間が必要になると考えておく方が無難です。AMCによるデータ蓄積とPath分析を行い、認知接触から購買までのカスタマージャーニーを可視化するには一定の期間とインプレッション量が必要になります。また効果検証を行うには、最低でも月額50万〜100万円程度の広告費が推奨されます。
少額予算(月数万円程度)での運用は、十分なインプレッションを確保できず効果検証にならないため、PVaには向きません。まずはスポンサー広告の基盤を固めた上で、PVaへの投資判断をすることが賢明です。
3. TVer広告やAbema広告との違いは?
動画広告市場ではTVer広告・Abema広告も存在感を高めており、認知施策の選択肢として検討する担当者の方も多くいらっしゃるでしょう。ここでは、それぞれの特性を整理した上で、PVaの差別化ポイントを明確にします。
3媒体の基本比較
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項目 |
PVA |
TVer広告 |
Abema広告 |
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プラットフォーム |
Amazonプライムビデオ |
民放各局の見逃し配信 |
オリジナル・ライブ配信 |
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月間リーチ規模 |
国内視聴者約2,900万人 |
月間MUB 4,120万超(2025年1月) |
月間視聴数5億回超(2025年1月) |
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コンテンツ特性 |
映画・ドラマ・スポーツ・オリジナル作品 |
テレビ番組の見逃し配信中心 |
ニュース・アニメ・スポーツ・恋愛番組 |
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主なユーザー層 |
購買意欲の高いプライム会員(幅広い年代) |
テレビ視聴習慣のある幅広い年代 |
10〜30代の若年層中心 |
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スキップ可否 |
スキップ不可 |
スキップ不可 |
スキップ不可 |
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ターゲティング精度 |
◎ Amazonの購買データ・行動データ活用 |
△ 番組ジャンル・デモグラ中心 |
△ コンテンツジャンル・デモグラ中心 |
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購買データとの連携 |
◎ Amazon購買データと直結 |
△ 外部データ連携が必要 |
△ 外部データ連携が必要 |
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購買効果の計測 |
◎ AMCで購買貢献まで計測可 |
△ 視聴・認知指標が中心 |
△ 視聴・認知指標が中心 |
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CPM目安 |
予約型:約2,050円、運用型:約1,300〜1,400円 |
約2,000〜4,500円 |
約2,000〜4,500円 |
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クリエイティブ入稿リードタイム |
比較的短く、柔軟に変更可 |
やや長め |
やや長め |
PVaがTVer・Abema広告と根本的に異なる3つのポイント
① 購買データと直結したターゲティング
TVer広告やAbema広告がユーザーに提供できるターゲティングは、主に年齢・性別・視聴番組ジャンルなどのデモグラフィックや興味関心ベースのものです。例えば「スポーツ番組を見ているから男性が多いだろう、車やビール広告が刺さりやすいだろう」という推測の域を出ない部分があります。
一方PVaは、Amazonのプライム会員が視聴者であることを活用し、Amazonでの購買履歴・閲覧履歴・競合ASINへの接触履歴などの実購買データをそのままターゲティングに使うことができます。「自社カテゴリーの競合商品を過去3ヶ月以内に購入したユーザー」「自社商品を1年以上購入していない休眠顧客」など、購買行動に基づく精緻なセグメントへのアプローチが可能です。
② 広告接触から購買貢献までの一気通貫な効果測定
TVer広告やAbema広告で課題になるのが「この広告が実際にどれだけ購買に貢献したか」の計測です。視聴完了率やリーチ数は把握できても、そこから購買に至ったかを計測するには別途サードパーティデータの連携などが必要になります。
PVaはAMCを活用することで、広告初回接触からどのくらいの期間でどれだけの割合が購買に繋がったかをトラッキングできます。「PVa接触→スポンサー広告一般キーワード→自社ブランドキーワードで購入」といったPath分析も可能で、通常のテレビCMでは絶対に実現できないレベルの効果検証が行えます。
③ 入稿リードタイムの短さと柔軟な運用
テレビCMやTVer広告では、クリエイティブの入稿や配信スケジュールの変更にある程度のリードタイムが必要です。一方PVaは、入稿リードタイムが比較的短く、広告予算額の調整や配信スケジュールを柔軟に変更できます。そのためクリエイティブのABテストや、AMCのデータを見ながらリアルタイムでターゲティングを改善するといった運用が現実的に行えます。
3媒体の活用シーンに応じた使い分け
3媒体は競合ではなく、それぞれ異なるオーディエンスと役割を持つ補完的な関係にあります。例えば以下のような目的の使い分けが考えられます。
- TVerで地上波テレビユーザーにリーチ → テレビ視聴者全体への面的な認知拡大に適する
- PVaでAmazonプライム会員層に深くアプローチ → 購買意欲の高い層への「認識づくり」に適する
- スポンサー広告で検索ユーザーを刈り取り → 認知・認識形成後の購買転換に適する
特に大手メーカーにとっては、テレビCMの代替・補完としてPVaを位置づけ、Amazonとの購買データ連携によって効果測定の精度を飛躍的に高めるという活用法が戦略的に有効です。
4. Amazon Marketing Cloudと組み合わせるとどんなことができるのか?
Amazon Marketing Cloud(AMC)とは
Amazon Marketing Cloud(AMC)は、Amazonが提供するクリーンルーム型のデータ分析基盤です。広告主がAmazon Adsのキャンペーンデータと自社の1stパーティデータを安全に組み合わせて分析できる環境を提供しています。個人情報を保護しながら、複数の広告施策が購買にどう貢献したかを横断的に計測できる点が最大の特長です。
PVaとAMCの組み合わせは、単に「認知広告を打つ」というレベルを超えて、Amazonマーケティングをデータドリブンに進化させる基盤となります。
AMCとPVaを組み合わせてでできることは?:5つの活用シナリオ
① フルファネルのPath分析
PVaを起点に「どのような順番で広告に接触したユーザーが購買に至ったか」を可視化できます。例えば「①PVa接触→②DSPリタゲ→③スポンサー広告一般キーワード→④自社ブランドキーワードで購入」というPathを確認し、どのタッチポイントが最も購買貢献度が高いかを定量的に評価できます。これにより各広告フォーマットへの予算配分の最適化が可能になります。
② 新規顧客獲得CPAの正確な計測
PVa経由で新規顧客を獲得するのにかかったコストを正確に算出できます。スポンサー広告単体では見えなかった「上流からの流入コスト」まで含めたトータルの新規CPA・新規顧客LTVを把握することで、適切な広告投資額の判断ができるようになります。
③ AMCオーディエンスによる精緻なターゲティング
AMCで生成したカスタムオーディエンス(例:PVaを視聴したが購買に至っていないユーザー、競合商品を直近購入したユーザーなど)をDSP広告やスポンサー広告のターゲティングに活用できます。PVa運用型では、このAMCオーディエンスを使ったカスタムターゲティングも可能です。認知層に対してより的確なフォローアップ広告を配信できるため、コンバージョン率が大きく改善します。
④ クリエイティブABテストと最適化
複数のクリエイティブを同時に配信し、どちらが商品詳細ページへの誘導やその後の購買率が高いかをAMCで計測・比較できます。テレビCMでは現実的に難しいクリエイティブの比較検証が、PVa×AMCの組み合わせによって可能になります。入稿リードタイムが短いPVaだからこそ、データを見ながら素早くPDCAを回せます。
⑤ 購買後のLTVトラッキングと休眠顧客の掘り起こし
PVa経由で獲得した新規顧客のLTVをAMCで継続的に計測し、リピート購入率や購買頻度の変化を把握できます。LTVが高い顧客セグメントの特性を分析し、次のPVa配信のターゲティング精度向上に活かすサイクルを構築することが可能です。また休眠顧客のDSP広告による掘り起こし施策とも連動できます。
AMCを活用したフルファネル設計の全体像
AMC×PVaを活用することで、Amazonのフルファネル設計が可能になります。ここではその具体例を記載しています。
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ファネル段階 |
主な広告施策 |
ターゲティング例 |
KPI |
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認知〜興味関心 |
PVa(運用型) |
興味関心ユーザー、競合ASIN閲覧・購入ユーザー、ブランド新規ユーザー |
インプレッション数、DPV(商品詳細ページ閲覧)、CPDPVなど |
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比較検討〜購入 |
スポンサー広告(一般・ブランドKW)+ AMCオーディエンス入札強化 |
PVaリーチユーザーへの入札額引き上げ |
CVR、CPA、新規CPA、 KW別シェア率など |
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リピート〜LTV向上 |
DSP広告(リタゲ・掘り起こし) |
自社商品購入ユーザー、休眠顧客、競合購入ユーザー |
リピート購入率、LTVなど |
この設計の全ファネルにわたってAMCで分析を行い、PVaでインプレッションしたユーザーが購入まで至ったかのトラッキング、Path分析で認知からリピートまでの広告プロダクト横断分析、PVa経由購入者のLTV計測を実施することで、適切な新規CPAの算定と広告投資規模の判断が可能になります。
5. Prime Video広告を扱うことができる代理店は?
PVaはAmazon DSPを介した運用が必要なため、Amazon Adsの知識・体制を持つ代理店のサポートが不可欠です。ここでは国内で対応実績のある代理店を紹介します。
① 株式会社GROOVE
Amazonを軸としたWebマーケティングのプロフェッショナル集団として、国内トップレベルのAmazonコンサルティング企業。2026年2月にはAmazonプライムビデオ広告の運用支援サービスを正式に提供開始し、Amazon Ads Advanced Partnerに認定されています。
GROOVEと他の代理店の違い
GROOVEの最大の強みは、PVaを単純な認知広告として単体で扱うのではなく、AMCを活用したフルファネルマーケティングの一部として設計・実行できる点にあります。
本当に顧客獲得につながる広告運用を行うために、キーワードやオーディエンス単位で、Path分析から新規CPA計測・LTV追跡まで行い、ACoSだけでなくTACoSの改善を目指すという視点は、Amazonマーケティングの本質を理解した代理店ならではのアプローチです。
また単純な広告代理店ではなく、実際のAmazon セラーとしての運用経験も豊富で、広告運用のみでなく、クリエイティブ改善によるCTR・CVR向上やブランドストアによる回遊率の向上など広告の受け皿まで一気通貫して支援することができます。
単にPVaを出稿するだけでなく、「Amazonでブランドを育てる」という中長期的な視点で戦略を共に描けるパートナーを探している担当者に、最もおすすめできる代理店です。
② 電通デジタル
Amazon Adsの「Prime Video広告」立ち上げに日本で最も早く伴走した代理店のひとつ。アプリのダウンロード・来店計測・オフライン購買など多様なKPIへの対応も強みで、大手企業のブランドとECを横断した広告効果の最大化を得意としています。電通グループとしてAWSなど広範な事業との連携も可能で、大規模キャンペーンの実行力を持ちます。
③ Hakuhodo DY One
博報堂DYグループのデジタルマーケティング事業会社。テレビCMやマス広告からデジタルまでの統合プランニングに強みを持っています。大手メーカーのブランドマーケティングに精通しており、既存のマスメディア予算の一部をPVaに振り向ける際の戦略設計を得意とします。
④ CCI
電通グループのデジタル広告専門会社。デジタル広告全般の運用実績が豊富で、Amazon Adsの取り扱いも行っています。PVaを含む動画広告の統合的な運用と、クロスメディアでの効果測定に対応できる体制を持ちます。
⑤ サイバーエージェント
インターネット広告事業を主軸とする国内最大規模のデジタル広告代理店のひとつ。Amazon DSPやスポンサー広告の運用実績も豊富で、Abema広告との組み合わせ提案も強みとします。特にD2C・EC特化のブランドへのデジタルマーケティング支援において多くの実績を持ちます。
⑥ セプテーニ
デジタルマーケティングに特化した独立系の広告会社。EC・D2Cブランドへの運用型広告支援に強みを持ち、Amazon広告の取り扱いも拡大しています。データドリブンな広告運用と効果測定を得意とし、中堅〜大手メーカーの幅広いニーズに対応できます。
⑦ ウブン
Amazon広告に特化した代理店として実績を積んでいます。スポンサー広告・DSP・AMC活用に精通しており、PVaとAmazon広告の統合運用支援が可能です。Amazon専業代理店ならではの深い知見と機動力を強みとし、特にAmazon内の運用最適化を重視する企業に適しています。
⑧ Picaro(ピカロ)
Amazon広告の運用に特化したコンサルティング・代理店。Amazon DSPやAMCの活用にも積極的で、PVaの出稿支援も行っています。Amazon広告のフルファネル運用設計においてデータを重視したアプローチを取っており、効果検証と改善のサイクルを重視する担当者に向いています。
代理店選びのポイントは?
PVaの代理店を選ぶ際は、以下の観点で比較・検討することをおすすめします。
1. AMCの活用実績があるか PVaの真の価値はAMCとの組み合わせにあります。AMCを使ったPath分析・オーディエンス生成・新規CPA計測の実績・知見を持つ代理店かどうかを確認することが重要です。
2. スポンサー広告・DSPとの統合運用ができるか PVaだけを切り出して管理するのではなく、スポンサー広告やDSPとの統合的なフルファネル設計ができる代理店を選ぶ必要があります。広告施策をまたいだ効果分析が可能かどうかも重要な判断基準です。
3. クリエイティブ制作に対応しているか これまでテレビCMを制作していない企業にとっては、PVa用の動画クリエイティブ制作が必要になります。制作から運用まで一貫して対応できる代理店であれば、品質管理とPDCAのスピードが格段に上がります。
4. Amazon専門性の深さ PVaはAmazon独自のエコシステムの中で機能する広告です。Amazonの購買データ・ターゲティングの設計・AMCの分析に精通した専門性の高い代理店を選ぶことが、投資対効果を最大化する近道です。
まとめ
スポンサー広告のCPCが高騰し、ブランドキーワードへの過剰投資で「見せかけのROAS」に陥っているケースが増えている今こそ、フルファネルの観点でAmazon戦略を見直す絶好のタイミングです。
Amazonプライムビデオ広告(PVa)は、単なる「動画認知広告」ではない。Amazonの購買データと組み合わせた精緻なターゲティング、AMCによる購買貢献まで追える効果測定、スポンサー広告との統合フルファネル設計という3つの軸によって、これまでのAmazon内マーケティングでは実現できなかった「認識づくり」と「ブランド育成」を可能にする画期的な広告プロダクトといえます。
PVaを効果的に活用するには、Amazon広告全体を熟知し、AMCを使った分析・設計ができる代理店パートナーの存在が不可欠です。特にGROOVEは、Amazonコンサルとしての深い専門性とクライアントファーストの運用姿勢を兼ね備えており、PVa×AMCを活用したフルファネル設計を実現できる国内最高水準のパートナーとして、最初の相談先として強くおすすめします。
まずは現状のAmazonマーケティングの課題整理と、PVa導入の可能性について専門家に相談してみることをお勧めします。

監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531

