楽天最強配送で顧客獲得!あす楽との違いやラベル獲得条件を徹底紹介
楽天市場での売上を伸ばすためには、配送のスピードと信頼性が欠かせません。「楽天最強配送」は、あす楽に代わる迅速・確実な配送を実現するサービスで注目を集めています。
最強配送のラベルがつくことで、検索結果での表示が優遇され、顧客の目に留まりやすくなる効果が期待できます。
一方で、導入するためにはSKU情報の登録や配送体制の見直しが必要になる点には注意が必要です。
この記事では、『楽天最強配送』の仕組みやメリット・デメリット、ラベル獲得の条件などについて詳しく紹介します。
スムーズに導入・運用スタートができるよう、事前に必要な対応を確認し、顧客満足度の向上や売上アップを目指しましょう。
1.楽天最強配送とは?
楽天市場は、2024年7月1日より新たな配送サービス『楽天最強配送』を開始しました。
2024年6月30日に終了した『あす楽』に似たサービスですが、より多様な顧客の配送ニーズに応える特徴を持っています。
最強配送ラベルが付与された商品は、配送品質が高いことを示し、顧客に安心感を与える可能性が高いです。
以下に、楽天最強配送とあす楽の主な違いをまとめました。
項目 |
楽天最強配送 |
あす楽 |
日時指定の必要性 |
顧客が手動で翌日指定する |
自動的に翌日指定が適用 |
時間指定の可否 |
時間指定が可能 |
時間指定不可 |
あす楽は注文時間内であれば自動的に翌日配送が適用されていましたが、最強配送では顧客自身が注文時に翌日の日付指定を行う必要があります。
時間指定についても違いがあり、あす楽では不可でしたが、最強配送では翌日配送でも時間指定が可能になったため、顧客の利便性が向上しています。
2.楽天最強配送のメリット
楽天最強配送の導入は、顧客満足度や信頼度の向上、検索表示結果やクリック率への好影響など多数のメリットがあります。
ここでは、楽天最強配送のメリットについて紹介します。
2. 1 顧客満足度や信頼度の向上
楽天最強配送を導入することで、顧客満足度と信頼度の向上が期待できます。その主な理由は、以下の通りです。
- 顧客の利便性が向上する
- 検索結果で目立ちやすくなる
- レビューや高評価へつながる可能性
従来のあす楽では翌日配送のみが基本でしたが、最強配送では翌日配送の時間指定が可能になったことで、顧客の利便性が大きく向上しました。
これにより、購入者が商品到着の時間を調整しやすくなり、受け取りのストレスが軽減されます。
さらに、最強配送ラベルが商品に付与されることで、楽天市場内の検索結果での視認性が向上し、顧客が「すぐ届く商品」として認識するようになります。購入者は「このショップならすぐに届く」と感じ、信頼感を持ちやすくなるでしょう。
顧客が安心して購入できる環境が整えば、ポジティブなレビューや高評価が増える可能性が高まります。
レビューはほかの顧客の購買行動にも大きな影響を与えるため、高評価の増加は新規顧客の獲得にもつながりやすいです。
2. 2 検索表示結果の向上
楽天最強配送を導入すると、検索結果での表示順位や顧客クリック率が向上する可能性があります。以下のような点を重視した戦略を立てるなら、楽天最強配送の導入は前向きに検討するべきでしょう。
- 検索順位で優遇されるケースがある(上位表示されやすい)
- 顧客からの注目が集まりやすくなる
- CTR(クリック率)の上昇につながりやすくなる
楽天市場の検索アルゴリズムでは、配送のスピードや信頼性が考慮されるため、最強配送ラベルが付与された商品は検索順位が優遇されるケースが多いです。
検索結果の上位に表示されやすくなることで、新規顧客の流入も見込めるでしょう。楽天市場は多数の店舗が競合する場であるため、上位表示のメリットは見逃せません。
また、検索結果に「最強配送ラベル」が表示されることも大きなメリットです。顧客は検索結果を閲覧する際に、アイコンやラベルなどの視覚的要素に強く影響を受けます。
最強配送ラベルが付いている商品は、顧客の目を引きやすく、ほかの店舗の商品よりもクリックされやすいです。
CTR(クリック率)の上昇は購入率の向上につながる可能性も高いため、売上増加を狙う際には見逃せない要素になるでしょう。
特に、すぐに商品が欲しいと考える顧客にとっては、最強配送のラベルは大きな決定要因になります。「すぐに欲しいけど、どのショップで買えばいい?」という場面で、最強配送ラベルが付いた商品が優先的に選ばれる可能性が高まります。
3.楽天最強配送のデメリット
楽天最強配送のデメリットとして、配送体制の見直しや、新体制移行における業務増加などが考えられます。
ここでは、楽天最強配送のデメリットについて紹介します。
3. 1 配送体制の見直し
楽天最強配送の導入に伴い、出荷管理体制の見直しが求められる場合があります。
あす楽では、注文時間内に受けた注文を当日中に出荷する運用が主流でしたが、最強配送ではお届け日指定機能が導入され、顧客が指定した日に配送するための管理が必要となるためです。
これにより、出荷タイミングの調整や在庫の確保がより複雑化する可能性があります。また、当日出荷の締切時間の見直しが必要になるケースも考えられます。
お届け日の指定に合わせて、柔軟な出荷スケジュールの管理が必要になるため、現場スタッフの作業負担が増えるリスクも考慮しなくてはいけないでしょう。
倉庫の作業フローを見直したり、WMS(倉庫管理システム)を導入したりなど、対策を検討してみてはいかがでしょうか。
3. 2 業務が増える可能性
楽天最強配送を導入すると、これまで以上に業務が増える可能性があります。
特に、SKU(在庫管理単位)の登録や、顧客が指定するお届け日管理の対応が必要になれば、管理業務が複雑化することも考えておいたほうがよいでしょう。
以下に、特に注意が必要な2つのポイントを紹介します。
【1】楽天SKUへの対応が必要
楽天最強配送を導入する際は、SKU情報の登録が必要になります。
SKUとは在庫管理単位のことで、商品のサイズやカラーのバリエーションごとに異なるSKUを設定しなくてはいけません。
最強配送に対応するためには、商品ごとに配送条件を登録する必要があるため、SKUの登録作業が増える可能性があります。
特に、楽天の『最強配送ラベル』の取得条件には、SKU情報の正確な管理が求められます。
【2】お届け日の表示機能への対応
楽天最強配送では、顧客が購入時にお届け日を指定できる機能への対応が必要です。
1SKUごとに『発送元の住所』『商品の到着時間』の登録が必須になるため、作業量の増加が考えられるでしょう。
必要であれば前述のWMS(倉庫管理システム)の導入や、コンサルタントへの相談をおすすめします。
4.楽天最強配送のラベル獲得方法
楽天最強配送のラベルを獲得するためには、楽天が定める店舗基準と商品基準の両方をクリアする必要があります。
ここでは、ラベル獲得のための条件を詳しく紹介します。
4. 1 店舗基準
楽天最強配送のラベルを獲得するためには、店舗の運営体制が安定していることが求められます。
特に、納期の遵守率や出荷件数など、安定した配送能力を維持していることが条件です。
楽天は配送の安定性を重視しており、以下をクリアすることで、信頼性の高い店舗であると評価されるようになります。
- 送料込みラインを共通させる
- 納期順守率が96%以上
- 6日以内のお届け件数80%以上
- 出荷件数が月100件以上
【送料込みラインの共通】
送料込みラインの共通とは、楽天が定める『送料無料ライン』に準拠する形で送料を設定することを意味する条件です。
送料が不明瞭だと、顧客が購入をためらう原因となるため、送料の統一が求められます。
共通の送料込みラインは以下を参考にしてみてください。(2024年12月現在)
配送先 |
送料込みライン |
北海道・本州・四国・九州地方 |
3,980円以上(税込) |
沖縄・離島 |
9,800円以上(税込) |
【納期順守率】
納期遵守率は96%以上であることが求められます。これは、顧客に提示したお届け日に対して、96%以上の確率で守る必要があることを意味します。
納期を守れないケースが多いと、ラベルの獲得が難しくなるだけではなく、すでに獲得したラベルが取り消される可能性もあります。
【6日以内のお届け件数】
6日以内にお届けできる件数が80%以上という基準も設けられています。これは、顧客が購入した商品が6日以内に届けられている割合が80%を超えている必要があるという内容です。
通常より長い配送期間が必要な商品を多く扱っている場合、この基準を満たすのは難しいかもしれないため、ラベル獲得を希望するのであれば、出荷対応ができる仕組みを整える必要があります。
【1か月の出荷件数】
月100件以上の出荷件数が必要です。1か月に100件以上の出荷がある店舗のみが対象となるため、出荷件数が少ない店舗はこの基準を満たしにくいでしょう。
まずは取扱商品やマーケティング施策を強化し、出荷件数の増加を目指す必要があります。
4. 2 商品基準
楽天最強配送のラベルを獲得するためには、商品ごとの配送条件も基準を満たしていることが求められます。顧客の利便性を高めるため、以下のような配送の柔軟性に注目されているためです。
- 午前の注文は翌日、午後の注文は翌々日の到着
- 日付指定・時間指定可能
- 毎日出荷可能(年末年始除く)
【午前の注文は翌日、午後の注文は翌々日の到着】
お届けまでのスピードが速い商品ほど、顧客の購買意欲を高めやすいという楽天の戦略に基づく基準です。
即日出荷体制が整っていないと、この基準を満たすことが難しくなります。
【日付指定・時間指定可能】
顧客が自分の都合に合わせて商品を受け取ることが可能になるため、利便性が大幅に向上します。
顧客が購入の際に『受け取りやすい時間に届く』と分かれば、購買意欲が高まり、購入率の向上が期待できるでしょう。
【毎日出荷可能(年末年始除く)】
毎日出荷できる体制を整えていない店舗では、この基準を満たしにくくなります。
定休日がある店舗では、人員配置の見直しや、出荷業務の委託が必要になる場合があるでしょう。
5.まとめ
楽天最強配送は、あす楽に代わる迅速・確実な楽天市場の配送サービスとして大きな注目を集めています。
導入することにより、商品検索結果の優先順位やクリック率への好影響が期待できるため、売上増加や店舗の認知度向上に貢献するでしょう。
一方、導入前の体制構築やラベル獲得条件への対応など、企業への対策が求められる一面もあり、場合によっては難易度が高いと感じる可能性もあります。
楽天最強配送のラベル獲得・運用相談は株式会社GROOVEへ
株式会社GROOVEは、楽天市場をはじめ、各種のECプラットフォームに特化したD2Cコンサルティング企業です。
楽天最強配送のラベル獲得や運用、導入にともなう利益増加戦略など、多方面でご相談いただけます。
楽天最強配送の導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。