R-messeで問い合わせ対応を効率化!楽天店舗の運用を支えるツール
『R-messe(アールメッセ)』は、楽天が提供する問い合わせ管理ツールで、チャット形式でやり取りができる機能を搭載しています。
楽天市場の運営において、顧客からの問い合わせ対応は欠かせない重要な業務の一つです。
R-messeの導入によって、従来の対応よりもリアルタイム性や効率性が向上するため、導入を検討している店舗も多いでしょう。
この記事では、R-messeの特徴、メリット・デメリット、導入方法、外部ツールとの連携について解説します。
これからR-messeの導入を検討している店舗運営者は、ぜひ参考にしてください。
1. R-messeとは?
R-messeは楽天が提供する問い合わせ管理ツールで、顧客との円滑なコミュニケーションを可能にするシステムです。
リアルタイムのやり取りが可能なため、店舗の対応スピードが向上し、顧客満足度の向上が期待できます。
ここでは、R-messeの基本機能や、ほかのツールとの違いについて紹介します。
1.1 R-messeの基本機能
R-messeは、楽天市場内の出店店舗が顧客対応を効率化するために開発されたツールです。主に以下のような特徴があります。
- チャット形式でLINEのようなやり取りが可能
- 問い合わせの進行状況を把握できる管理機能がある
- 顧客の購入履歴や個別の情報が表示される
チャット形式のやり取りが可能で、LINEのように直感的でスピーディーなメッセージ送信が可能です。
問い合わせの進行状況を把握できるステータス管理機能があるため、対応漏れを防止しやすくなる点も、顧客満足度の向上につながるでしょう。
また、顧客の購入履歴や個別情報が表示される機能もあり、過去の取引内容を踏まえた的確な対応ができます。
このような機能は顧客満足度の向上に役立つだけではなく、対応プロセスのスリム化による業務効率化が進む一面もあり、顧客と店舗側の双方にメリットをもたらします。
1.2 他の問い合わせ管理ツールとの違い
R-messeは、楽天市場の専用ツールとして提供される問い合わせ管理システムであり、ほかの一般的な管理ツールと異なる特徴として、以下のような部分があります。
- 楽天市場の管理画面と連携
- 外部ツールを使わずに一元管理できる
- 顧客と迅速なやり取りができる
R-messeは楽天市場の管理画面と連携するため、外部ツールを使わなくてもすべての問い合わせを一元管理できます。
これにより、問い合わせ窓口を一本化できるため、ツールごとの問い合わせ対応業務の効率が向上します。
メール形式ではなくチャット形式を採用しているため、迅速なやり取りが可能で、顧客の不安を早期に解消しやすいことも特徴です。
2. R-messeのメリット
R-messeの導入は、店舗運営に多くのメリットをもたらします。
ここでは、R-messeのメリットについて紹介します。
2.1 チャット形式で迅速な対応ができる
R-messeはLINEのようなチャット形式での対応が可能なため、業務の効率化や顧客満足度の向上につながりやすいメリットがあります。
これにより、顧客からの問い合わせにほぼリアルタイムで対応することができ、対応スピードの向上が実現します。
例えば、LINEのようなレスポンス速度で直感的なやり取りも可能なため、顧客の疑問や質問の解決がスピーディーになるでしょう。
顧客満足度を上げる重要な要素になることは間違いありません。
2.2 自動応答機能の活用で負担軽減
R-messeは、FAQを事前に登録しておくことで自動応答が可能です。
よくある質問には自動返信を行えるため、スタッフがすべての問い合わせに対応する必要がなくなります。
スタッフの業務負担を軽減できるツールとしても大いに役立つでしょう。
2.3 問い合わせの管理がしやすい
問い合わせの進行状況は、「未返信」「返信済み」「完了」の3つのステータスで管理されます。
対応漏れを防止し、スタッフ間の情報共有もスムーズになる有効な機能です。
3. R-messeのデメリット
R-messeはメリットが多い一方で、導入に際して注意したいデメリットもあります。
ここでは、R-messeのデメリットについて紹介します。
3.1 問い合わせ件数が増加する可能性
チャットのように気軽に使えるため、問い合わせ量が増える可能性には考慮が必要です。
チャット形式はスピーディーで利便性が高い一方、顧客にとって気軽に問い合わせしやすいため、問い合わせ件数が増加する可能性があります。
内容によっては自動返信ができないため、スタッフの対応負担が増えるリスクも考えられます。
店舗側は対応体制の見直しが必要になる可能性があるでしょう。
3.2 月額利用料が異なる
2024年12月現在、R-messeは無料で提供されています。無料期間の終了時期は未定ですが、終了後は下記の費用が発生する点に注意しましょう。
有料化で月額利用料が発生する場合、R-messeは楽天市場に出店する店舗が選択する『出店プラン』ごとに月額利用料が異なります。
以下はプランごとの利用料です。
プラン名 |
プラン月額利用料 |
うちR-messe利用料 |
がんばれ!プラン |
25,000円 |
3,000円 |
スタンダードプラン |
65,000円 |
5,000円 |
メガショッププラン |
130,000円 |
5,000円 |
スタンダードプランとメガショッププランの料金は、このようになっています。『うちR-messe利用料』としたのは、R-messeの利用料がプラン料金の一部に含まれているためです。
例えば、『がんばれ!プラン』で出店している場合、プラン月額利用料の25,000円のうちにR-messe利用料の3,000円が含まれることになります。
店舗の規模や売上によって適切な出店プランが異なるため、売上管理や経費管理の際に「3,000円だっけ?5,000円だっけ?」と混乱しないように注意しましょう。
3.3 社内体制見直しの必要性
新システム導入のため、社内の運用ルールを見直す必要性が生じることがあります。具体的には以下のような理由です。
- スタッフの教育や研修が必要になる
- 場合によっては外部から講師を招く可能性
- サポートサービス企業への相談を検討 など
せっかく導入が進んでも、スタッフが使いこなせなければ意味がありません。
また、操作ミスなどで顧客とスムーズなやり取りができなくなり、顧客満足度の低下や売上の減少などにつながる恐れがあります。
R-messeは直感的に使えるシンプルな操作性ですが、万全を期すためにはさまざまな準備が必要です。
スタッフが習熟できる教育プロセスや運用ルールについて、しっかり考慮したうえで導入を進めましょう。必要であれば、外部企業のサポートも前向きに検討してみてください。
4.R-messeの導入方法と外部ツールの連携
R-messeは楽天の管理画面から簡単に導入手続きを始められます。
ここでは、R-messeの導入方法と外部ツールの連携について紹介します。
4.1 導入の流れと注意点
R-messeの導入は、楽天の管理画面から申請を行い、いくつかの初期設定を進めるだけでスタートできます。
しかし、準備が不十分のままスタートしてしまうと、運用開始後に顧客対応で支障が生じる恐れがあるため、事前に念入りな準備と確認をおすすめします。
以下の表は導入の流れと注意点をまとめたものです。
ステップ |
作業 |
注意点 |
【1】申請手続き |
楽天の管理画面からR-messeを申請する |
必要な情報を正確に入力 |
【2】初期設定 |
FAQの登録、スタッフの権限設定、通知の設定 |
設定を誤ると問い合わせ対応に影響が出る |
【3】社内ルールの整備 |
問い合わせ対応の手順を統一する |
あいまいなルールは対応プロセスが混乱する |
【4】運用開始 |
運用開始 |
スタッフが操作を習熟する必要がある |
FAQの登録、権限設定、通知の設定は特に重要です。
この設定を行うことで、問い合わせに対して迅速で的確に対応しやすくなります。特に、FAQの登録は自動応答の精度を高める効果があるため、最低限、以下の項目はしっかり設定しておきましょう。
- 商品:商品の詳細や入荷状況など
- 支払い:支払い方法やポイント、クーポンなど
- 配送:納期・送料など
- キャンセル・返品:注文取消や返金・交換など
このような顧客の問い合わせの多い可能性がある項目を設定しておくことで、対応するスタッフの負担が減るというメリットもあります。
4.2 外部ツールとの連携
R-messeは、ほかの外部ツールと連携することで、問い合わせ対応業務をさらに効率化できます。代表的なツールに『メールディーラー』や『Re:lation』があります。
どちらもメールやSNS、電話などから受けた問い合わせを一元管理できることや、楽天市場以外から寄せられた問い合わせも同時に管理できることなど、業務効率化への貢献が期待できるツールです。
導入には費用がかかりますが、顧客満足度の向上や業務効率化がさらに推進される可能性が高いため、導入を検討する価値は十分にあるでしょう。
5. まとめ
R-messeは楽天市場で利用できる、外部連携可能な問い合わせ管理機能です。
各種の問い合わせに対してスピーディーに対応し、対応漏れ防止になる機能もそろっているため、楽天市場における店舗経営で強い味方になるでしょう。
導入はシンプルな手順で進められ、初期設定をしっかり行っておくことにより、顧客満足度や業務効率化がさらに向上する可能性が高まります。
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株式会社GROOVEは、楽天市場をはじめ、各種のECプラットフォームに特化したD2Cコンサルティング企業です。
R-messeの導入準備や導入後の効率的な運用、操作習熟など、幅広い項目をご相談いただけます。R-messeの効果的な活用をお考えの方は、ぜひお気軽にお声掛けください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。