ECモールとは?自社ECサイトとの違いやメリット・注意点を紹介
EC市場が拡大するなか、出店してネット販売できる方法としてECモールがあります。
ECモールは、実店舗や自社ECサイトの構築に比べて、時間や手間を抑えてネット販売できる点がメリットです。
一方で、ブランディングが難しいことや競争率が高いなど、ECモールならではの注意点もあります。
この記事では、ECモールのメリットや注意点、自作ECサイトとの違いを紹介します。
1.ECモールとは
ECモールとは、Web上のショッピングモールのことで、一つのプラットフォームの中に複数のネットショップが集まっている店舗型のECサイトです。
ネット上の大型ショッピングセンターや百貨店をイメージするとわかりやすいでしょう。
既存のプラットフォームを使用できるため、独自ドメインを取得し、ECサイトを新しく作り上げる必要はありません。
1.1. ECモールと自社ECサイトの違い
ECモールが百貨店の中のテナントのような立ち位置であるのに対し、自社ECサイトは独立して商品販売をしている個人店や企業のような立ち位置という違いがあります。
自社ECサイトは単一の企業が独自に運営を行い、商品・サービスを販売しているプラットフォームです。
これにより、企業はブランドイメージやサポートなどを自由にカスタマイズし、独自ストアで直接商品を販売できます。
自社ECサイトにはゼロからサイトを作り上げるフルスクラッチ型もあれば、外部公開されている無償のシステムを使うオープンソース型など、さまざまな立ち上げ方法があります。
2.ECモールの種類
ECモールにはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、ECモールの種類について詳しく解説します。
2.1. テナント型ECモール
テナント型のECモールとは、モール内にブランド単体でショップページを作成し、商品情報を登録して販売できるECモールです。
具体例としては、楽天市場やYahoo!ショッピングなどが挙げられます。
ショップページのデザインが比較的自由にカスタマイズでき、店舗ごとに独自性を出せることが特徴です。
一方、サイトのデザインや商品登録には手間がかかり、販売できるようになるまで時間やコストがかかる可能性もあります。
2.2. マーケットプレイス型ECモール
マーケットプレイス型は、商品データや出品者情報を登録するだけで商品を販売できるECモールです。
具体例としては、Amazonやメルカリなどが挙げられます。
商品や出品者情報を設定すれば出品できるため、初期設定に時間がかからず、手軽にEC販売を始めたい人に向いている方法です。
商品データはECモール側が管理しているため、運用にかかる負担が少ないメリットがあります。
さらに、プロモーションもECモール側が行ってくれるため、広告費をかけずに商品を販売できる点もメリットです。
一方で、他社ブランドの商品との差別化を図ることが難しいため、訴求力の高い商品ページや画像作成、動画広告の活用などが重要になります。
2.3. 統合管理型ECモール
統合管理型ECモールは、自社内にある複数のショップを一元管理する目的で設置されたもので、ECサイトをとりまとめる役割を担います。
例えば、購買層が異なるブランドAのショップとブランドBのショップを持つ事業者の場合、それぞれのショップを一つにまとめて運営するのが統合管理型ECモールです。
統合管理型ECモールを設置することで、一つの入り口からそれぞれのブランドショップにアクセスできます。
事業者にとっては構築に時間や工数がかかるものの、商品在庫や顧客データ管理、モール運用などがしやすくなります。
3.ECモールのメリット
事業者にとって、ECモールで商品を販売することにはさまざまなメリットがあります。ここでは、ECモールで商品を販売するメリットを解説します。
3.1. 集客力に優れている
ECモールのメリットは、モールが持つ高い集客力を利用できるため、自社の商品への集客や送客がしやすいことです。
自社ECサイトだと一から集客しなければなりませんが、サイトを立ち上げたばかりだと検索エンジンで上位に表示させることは難しいです。
SEO施策やWeb広告などの対策を行い、まずはユーザーに自社商品を見つけてもらうところから始める必要があります。
その点、すでに多くの人が利用しているECモールだと、自社商品が無名でも、出店することで自社商品のページに訪れてもらえる可能性が高くなります。
また、自社のECサイトに比べて集客のためのコストが抑えられる点もECモールのメリットといえるでしょう。
3.2. 安心感をアピールできる
ECモールのメリットは、ECモールが持つ知名度やブランド力を活かし、ユーザーに安心感や信頼性をアピールできることです。
店員や生産者の顔が見えないオンラインショッピングに対して、不安に感じているユーザーは多くいます。
具体的には、商品の品質やサポートの対応、購入後の発送、個人情報の取り扱い、トラブルなどに対する不安です。
ECモールは、ユーザーに対するサポート体制を充実させることで、ユーザーが安心して買い物できる環境を整えています。
例えば、Amazonや楽天市場では未着、遅延、欠陥品などがあった場合の保障サービスを導入しているため、ユーザーは安心して商品を購入できます。
また、ECモールの出店には審査が必要な場合が多く、ECモールへの信頼感があれば、ユーザーは出店している店舗に対しても信頼感を持つでしょう。
3.3. 出店のハードルが低い
ECモールは、自社ECサイトに比べると出店のハードルが低く、すぐに商売を始められるメリットがあります。
ECモールは出店の際に活用できるテンプレートが用意されているため、ガイドに従って情報を入力するだけで簡単に出店可能です。
特に新規事業者や小規模事業者にとっては、利便性の高い手段といえます。また、初期コストを抑えられることもECサイトのメリットです。
例えばAmazonなら初期費用無料で出品でき、月間登録料も小口出品なら無料となります。手数料は売買が成立した場合に発生するため、始めるのも終わらせるのも簡単です。
3.4.サポート体制が充実している
ECモールでは、出店者向けに用意されているサポートを受けることができます。
サポート内容はECモールによって異なり、なかには広告の出稿やコンサルティング、EC運営業務を効率化するサポートなどを受けられる場合もあります。
このようなサポート体制が充実しているECモールであれば、気軽に商品の販売施策を実施したり、集客力を高めるノウハウを学んだりすることも可能です。
ただし、ECモールのサポートは他の出店店舗も同じように利用できるため、サポートに沿った運営だけだと差別化しにくい点に注意する必要があります。
4.ECモールの注意点
ECモールで商品を販売する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、ECモールで気をつけるべきポイントを解説します。
4.1.競争率が高い
ECモールは簡単な手続きで始められるメリットがある一方、参入障壁が低いため競合他社が多い点に注意が必要です。
独自の魅力を打ち出して顧客に認知され、さらには選ばれ続けるための施策を継続しなければなりません。
また、ECモールでは割引率の高いものや、モール内でよく売れているものが上位に表示されやすいため、価格競争に巻き込まれやすい点にも注意が必要です。
ECモールが独自で行っているキャンペーンやセールなどにも参加する必要があり、商品が売れても思うように利益を得られない可能性もあります。
4.2.ブランディングが難しい
ECモールの注意点として、ECモールの知名度の高さが前面に出ることで、ブランディングが難しくなることが挙げられます。
例えば、自社ECサイトで商品を販売する場合なら、購入したユーザーは「○○という商品を○○という企業で買った」という感覚になります。
しかし、Amazonで商品を販売した場合だと「○○という商品をAmazonで買った」となり、ECモールのブランドが先に出てしまうというわけです。
また、自社ECサイトなら自由にサイト構成やビジュアルを変更できますが、ECモールではデザインの訴求に限りがあります。
そのため、ECモールでブランディングを行うのであれば、外部サービスなどを活用し、専門家のサポートを受けるなどの対応が必要です。
4.3.ECモール内での検索結果対策や商品訴求が必要
ECモールでは、ユーザーが商品を検索したときに、自社ショップが上位に表示されるための検索結果対策やその後の訴求が必要となります。
具体的には、以下のような対策です。
- SEO観点の説明文の作成
- ユーザーが買いたいと思えるようなコピーライティング
- ユーザーが興味を惹く商品画像、メイン画像、サブ画像の制作
- 商品動画の制作
ECモールで商品検索をしているユーザーは、検索上位に出てきたショップで購入する傾向にあります。
その中でも商品説明がわかりやすく、ユーザーが興味を惹く画像を用いていれば購入につながる可能性が高くなります。
ECモール内での検索結果の対策にも力を入れ、検索上位に入れるショップづくりを目指すことが大切です。
5.まとめ
ECモールは低コストかつ簡単に始められる一方で、安定して利益を出すためには競争ライバルに打ち勝つための独自性が重要になります。
ECモールに出店する際はメリットだけではなく、注意点も踏まえたうえで施策に取り組みましょう。
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アルゴリズムから最新アップデートまでカバーする、Amazon出身だからこそのモール攻略の深い知見があります。
また、サポートのタイプは商品やカテゴリーや成長フェーズに関係なく、事業の成功に必要な提案を続ける併走型支援です。
GROOVEには、ECモールで勝つための必要なマインドとスキルがありますので、まずはお気軽にご相談ください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。