Amazon商品紹介コンテンツ(A+)がCVRに与える影響とは?効果的な活用法と注意点を徹底解説!
Amazonで商品を販売している際、アクセス数は増えているのに、CVR(転換率)が上がらず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。また、CVRを改善するために、すぐに実践できる方法を探している方も多いのではないでしょうか?
売上をアップさせるためには、CVRを上昇させることが重要です。なぜなら、アクセスがどんなに伸びていても、CVRが低ければ全体の売上に対して貢献度も低くなってしまうからです。
そこで今回は、差別化が難しいAmazonの商品ページの中で自店舗や商品の特色を出しながらCVRアップを目指せる「Amazon商品紹介コンテンツ(A+)」について解説します。
目次
1. CVR(転換率)の重要性
CVR(転換率)とは、店舗に訪れた顧客のうち、実際に購入を決定した人の割合を指します。たとえ多くのユーザーを集めることができても、CVRが低ければ、売上は思うように伸びません。売上を増加させるためには、集客したユーザーを購入へと導き、「顧客」に転換する割合が重要です。
たとえば、月間2,000人が訪れる商品ページを考えてみましょう。もし、5,000円の商品が2%のコンバージョン率で売れている場合、40人が購入することになり、1ヶ月の売上は200,000円になります。しかし、このコンバージョン率を2%から4%に向上できれば、商品価格はそのままに購入者は80人に増え、売上は400,000円になります。このように、CVRの改善は効率的に売上を拡大するための非常に重要な指標です。
2. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)とは
Amazon商品詳細コンテンツは、商品ページに画像や説明文を追加し、商品固有の魅力や特徴を効果的に伝えるための機能です。この機能は「A+(エープラス)」と呼ばれています。
売上が伸びる理由としては、画像とテキストを組み合わせた詳細な商品ページが、顧客に商品の価値を具体的かつわかりやすく伝えることができるためです。これにより、顧客の購入意欲が引き出されやすくなります。
Amazonでは、多くの店舗が類似した商品を扱っているため、差別化が難しい状況です。しかし、この「A+コンテンツ」は、店舗側の工夫次第で他店との差を生み出す絶好の機会となります。積極的に活用し、CVRの向上を目指しましょう。
3. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)利用条件
Amazonの商品紹介コンテンツ(A+)を利用するには、「大口出品プラン」に加入している必要があります。小口出品プランではこの機能は利用できないため、A+コンテンツを活用したい場合は、まず大口出品プランへの切り替えを検討しましょう。
4. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)のメリット
AmazonのA+コンテンツを活用することで得られる主なメリットは以下となります。
・商品ページの質を高める
・ブランドストーリーを訴求できる
・SEO対策ができる
・多彩なテンプレートがある
4.1. 商品ページの質を高める
従来Amazonの商品ページは全て統一されたデザインで作られており、競合商品との差別化が難しいという問題がありました。しかし、2019年8月以降、新たな機能が導入され、商品の魅力をより多様な方法でアピールできるようになりました。これにより、画像やテキストを使って商品を効果的に訴求するスペースが追加されました。
これにより、画面全体を使って大きな画像を表示するだけでなく、インフォグラフィックを使用し、画像内に異なるフォントでテキストを追加して、より効果的にユーザーに情報を伝えることが可能になりました。
Amazonの商品紹介コンテンツ(A+)を活用することで、ユーザーに対して商品をより深く理解してもらうとともに、レビューで比較検討してもらいやすくなり、結果的に購入までのハードルを低くできると考えられます。
4.2. ブランドストーリーを訴求できる
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)では、商品そのものだけでなく、ブランドやメーカーについても効果的にアピールすることができます。販売商品の機能やスペックを伝えるだけではなく、ブランドの理念や方針などもユーザーにしっかりと伝えることが可能です。
近年では、新規顧客獲得のコストが上昇しているため、既存のお客様に繰り返し商品を購入してもらうことがますます重要視されています。これにより、LTV(顧客生涯価値)が向上し、ブランドの長期的な成長につながります。
LTVを高めるためには、顧客との信頼関係を築くことが重要です。そのためには、顧客のニーズを深く理解し、付加価値を提供することが鍵となります。ここで、ブランドストーリーや、商品購入後のベネフィットを訴求できるA+コンテンツが役立ちます。ブランドの価値を伝え、消費者にファンになってもらうことで、継続的な購入につなげることができます。
4.3. SEO対策ができる
Amazonの商品紹介コンテンツには、画像とテキストの様々なレイアウトを選べる「モジュール」というテンプレートが用意されています。
どのモジュールを選び、どう組み合わせるかは、実際にテストを行って効果を確認する必要があります。特にテキスト部分に「サジェストキーワード」を盛り込むと、広告配信時に商品の露出が増える可能性が高まります。テキストを強化するには、次のアクションを試してみましょう。
①AmazonとGoogleの検索窓にターゲットとしている主要キーワードを入力します。
②検索窓の下に幾つか表示される「サジェストキーワード」(検索エンジンが提案する複数語のキーワード)を確認します。
③これらのサジェストキーワードを含めて、Amazonの商品紹介コンテンツのテキスト部分を作成しましょう。
ただし、サジェストキーワードを使用しても、必ずしも検索結果で上位に表示されるとは限りません。検索順位を上げるための一つの手段にすぎないという点を理解しておきましょう。Amazonの検索結果で上位に表示されている企業は、サジェストキーワードを上手くテキストに取り入れることをしています。しかし、検索エンジンのアルゴリズムは公開されていないため、100%効果のあるSEO対策ではありません。SEO対策は試行錯誤を繰り返し、結果を見ながら改善していくプロセスが重要です。
4.4. 多彩なテンプレートがある
前述でも多少触れましたが、Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際には、画像とテキストを組み合わせた「モジュール」と呼ばれるテンプレートを活用してレイアウトをデザインができます。このモジュールにはさまざまな種類があり、シンプルなテキストだけのものや、商品を比較しやすいデザインなど、用途に応じた選択肢があります。
モジュールの選択に迷うこともあるかもしれませんが、商品を効果的にアピールするためには、商品の特性や伝えたいポイントに合ったモジュールを選ぶことが重要です。モジュールごとに、画像の枚数やサイズ、テキストの配置や文字数が異なるため、商品に適した組み合わせを選ぶことで、ブランドや商品の魅力をしっかりと伝えることができます。
さらに、モジュールだけでなく、インフォグラフィックも他社との差別化を図るための重要なツールがあります。インフォグラフィックとは、画像にテキストを組み合わせて視覚的に情報を伝える手法で、商品の説明を補足する役割を果たします。
まずは、Amazon商品紹介コンテンツ(A+)のモジュールを使って画像とテキストを組み合わせてみることをお勧めします。ある程度慣れた場合、インフォグラフィックを取り入れて効果を検証し、競合との差別化を図りながら、独自性のある商品ページを作り上げていくと良いでしょう。
5. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)の審査
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)でページを作成して掲載するには、Amazonの審査を通過する必要があります。このプロセスには手間や時間がかかることもあるため、その点をあらかじめ理解しておきましょう。商品紹介コンテンツ(A+)の作成自体が少し複雑で、時間を要する場合があることも覚えておくと良いです。
さらに、ページを公開するためには、Amazonの審査をクリアする必要があります。審査対象が多い場合、審査にかかる時間も長くなる可能性があります。スムーズに審査を通過し、エラーを防ぐためには、Amazonのガイドラインに沿ったページ作りが大切です。
6. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)の作成手順
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際の主な手順は次のとおりです。
①「商品紹介コンテンツマネージャー」にアクセスします
②「在庫」メニューから「商品紹介コンテンツ」を選択します
③「商品紹介コンテンツの作成を開始する」を選択します
④コンテンツ名、言語、製品ブランドメーカーのロゴ、商品説明テキスト、モジュールを選択します
⑤「次:ASINの入力」を選択します
⑥プレビュー画面で最終確認をして「承認用に送信」を選択します
⑦審査完了後、ページに反映されます
商品説明テキストには、AmazonとGoogleのサジェストキーワードを必ず含めることが重要です。また、画像をモジュールに挿入する際には、ガイドラインで指定されている適切なサイズに調整して設定することが重要です。画像サイズがバラバラだと、ユーザーにとって見づらく感じます。ユーザーが快適に商品ページを閲覧できるように、ガイドラインに従って画像サイズを調整することが大切です。
以下で、おすすめのモジュールについて解説します。
7. おすすめモジュール
モジュールの選択は、用意できる画像の数や説明文の量によって異なります。
17種類のモジュールの中から、弊社がおすすめするものを紹介します。
7.1. ①本文とヘッダー画像
インパクトのある大きな画像と、最大6000文字までの商品説明が入力できます。見出しが2つあるので、商品の特徴をわかりやすく伝えるのに適したモジュールです。
7.1.1. 使用例
新商品や発売直後の商品に使用するのに適しています。商品の情報を視覚的に伝えたい場合、たとえば、ブランドイメージを画像で表現し、和風の商品を販売する際には、背景に竹や富士山を配置することで、A+全体に和の雰囲気を視覚的に伝えることができます。
また、「標準的な単一の左側の画像」と比較すると、文章量が多いと読まれにくい傾向があるため、画像のインパクトで勝負したい場合は「本文とヘッダー画像」のモジュールが適しています。一方で、画像だけでは十分に伝えきれない情報がある場合は、文章で消費者に伝える必要があり、その際は「標準的な単一の左側の画像」が効果的です。
7.2. ②標準的な画像とテキスト
1つのモジュールで3〜4枚の画像を登録できるため、豊富な情報を含む商品に最適なモジュールです。
7.2.1. 使用例
たとえば、近年のハンディーファンは、手で持って使うだけでなく、机に置いて使用したり、充電器としても利用できるなど、多機能な商品が増えています。こうした商品で、特に強調したい機能がある場合、LP(ランディングページ)とは違った角度で伝えることができます。その際に、この項目を使って補足説明することが可能です。
7.3. ③商品の比較表
比較表では、最大6商品まで自由に設定でき、比較項目は最大10機能まで追加可能です。入力方法は「チェックマーク」や「テキスト」を選べます。設定した商品はASINの登録もでき、クリックすると商品ページに遷移するため、新商品の登録や特に推したい商品の掲載により、セッション数の増加が期待できます。また、画像とテキストを横に並べて配置できるため、カット数が多い商材や使い方の手順を視覚的にわかりやすく伝えるのに便利です。ただし、モバイルではすべて縦表示になるので、その点には注意が必要です。
7.3.1. 使用例
販売者によっては1つのカテゴリーで複数の商品を展開するケースもございます。
たとえばシャンプー1つをとっても「シャンプーA」「シャンプーB」「シャンプーC」といった形で複数の商品を展開することがあります。そのような場合に比較表があると、「シャンプーAは髪がパサつく人向け」「シャンプーBは髪が細い人向け」といった違いが一目でわかり、消費者にとって有益な情報を提供できます。さらにこうした比較によって、他の競合商品との差別化を図る理由を明確にし、クロスセル(他の商品も一緒に売ること)に繋げるケースもあります。
Amazonでは常に新しいアップデートが行われているため、今後さらにモジュールが追加される可能性もあります。作成にあたって、PCとモバイルでモジュールの表示が少し異なるため、商品ページを作成する際は、プレビュー機能を使って両方の表示を確認しながら進めることが重要です。
8. Amazon商品紹介コンテンツ(A+)の作成時の注意
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際は、以下に注意しましょう。
・商品紹介コンテンツガイドラインを遵守する
・スマホとPCでの表示を考慮したデザイン
8.1. 商品紹介コンテンツガイドラインを遵守する
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際は、「商品紹介コンテンツガイドライン」に書かれていることを遵守しましょう。
商品紹介コンテンツ(A+)をを公開するには、まずAmazonの審査を通過する必要があります。正しい知識がないと審査に落ちてしまうこともあるので、注意が必要です。また、審査基準は頻繁に更新されるため、常に最新のルールに対応することが重要です。
また、審査を通過した場合でも、その後のアップデートでガイドライン違反が判明すると、コンテンツの公開が取り消されるだけでなく、ASIN自体が削除される可能性もあります。
コンテンツの修正や再審査には手間がかかり、商品紹介コンテンツ(A+)の成果を得られるまでに多くのリソースを費やすことになるでしょう。
主なガイドラインについては以下にまとめています。
詳しい内容は、Amazonセラーセントラルのヘルプページをご確認ください。
参考元:Amazon seller central
8.2. スマホとPCでの表示を考慮したデザイン
最近では、EC市場でスマートフォンを利用するユーザーが急増しています。そのため、スマホでも快適に商品ページを閲覧できるかどうかの確認は非常に重要です。モジュールによっては、画像とテキストの配置が崩れて表示されることがあるので、設定後は必ずスマホでの表示をチェックしましょう。
特に、画像内にテキストを含むインフォグラフィックは、PCでは問題なく見えても、スマホでは見づらくなることがあります。スマホでも見やすいフォントサイズか、画像やテキストの色合いが適切かなど、細かい部分まで確認することが大切です。
9. AmazonプレミアムA+について
AmazonプレミアムA+は、2022年8月に新しく追加された機能です。従来のA+コンテンツと比べ、使えるモジュールが増え、ビデオを追加できる点が大きな特徴です。
以下では、プレミアムA+の概要、費用、そして利用条件について詳しくご紹介します。
・AmazonプレミアムA+とは
・通常のA+とAmazonプレミアムA+との違い
・AmazonプレミアムA+の費用
・AmazonプレミアムA+の利用条件
9.1. AmazonプレミアムA+とは
AmazonプレミアムA+とは、従来のAmazon商品紹介コンテンツ(A+)をさらに強化したものです。プレミアムA+は、Amazonブランド登録をしているブランドオーナーが利用でき、商品ページにより充実したコンテンツを提供する機能を指します。従来のA+コンテンツに比べ、使用できるモジュールの種類が増えたことで、商品に関する情報をより豊富に伝えることが可能になりました。これにより、ページの視認性が向上し、購入後のメリットをよりわかりやすく伝え、消費者の購買意欲を引き上げることができるサービスとなっています。
9.2. 通常のA+とAmazonプレミアムA+との違い
ここでは、Amazon商品紹介コンテンツ(A+)とAmazonプレミアムA+の違いについて説明します。どちらもテキストと画像を組み合わせたモジュールを利用できますが、プレミアムA+では、画像のサイズが異なったり、動画を掲載できるため、競合他社と差別化するのに役立ちます。以下に比較表をまとめましたので、ご確認ください。
参考元:Amazon seller central
9.3. AmazonプレミアムA+の費用
Amazonではプロモーション期間中につき、現在は「AmazonプレミアムA+」を無料で利用することができます。ただし、今後AmazonがプレミアムA+に手数料を導入する場合、新しいASINに対して適用する際に費用が発生する可能性があります。ただし、ガイドラインには「出品者の同意なしに手数料を請求することはない」と明記されているため、突然の請求を心配する必要はありません。
さらに、プロモーション期間中に公開されたプレミアムA+コンテンツについては、有料版に移行しても、そのまま無料で商品ページに掲載され続ける予定です。つまり、今の無料期間中に作成したプレミアムA+コンテンツには、将来的に料金がかかることはありません。プレミアムA+を導入するなら、今が絶好のタイミングです。無料のうちにぜひ活用してみてください。
9.4. AmazonプレミアムA+の利用条件
利用条件として、ブランドオーナー(Amazonブランド登録者)でなくても使用可能ですが、AmazonプレミアムA+を利用するためには、ブランドオーナーであることが必要です。
また、Amazonでは毎月、プレミアムA+の利用資格を再評価しているため、現在利用できなくても、次の再評価で条件を満たせば利用資格を得ることができます。さらに、すべてのASINにブランドストーリーを適用するなど、満たすべき条件もあります。新しい商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際は、承認率を高めるためにも、必ずガイドラインに従って進めることをお勧めします。
10. まとめ
Amazonの商品紹介コンテンツ(A+)は、通常の商品ページに比べて、他社との差別化や商品の魅力をより詳しく伝えることができる機能です。ページを充実させることで、CVRや売上実績の向上が期待でき、Amazon SEOの評価も高まります。その結果、商品の上位表示が実現し、さらなる成果につながる可能性があります。
Amazonクリエイティブ作成は「株式会社GROOVE」にご相談ください!
クリエイティブ作成のご依頼は、是非「株式会社GROOVE」へご相談ください。株式会社GROOVEでは、Amazon専門コンサルとして、Amazonでの販売に関連する戦略の提案から、マーケティング施策の実行、日々の細かなレポーティングにいたるまで、豊富な経験と専門知識を活かしてブランド様のAmazon運用をトータルサポートします。
これまで多くの企業様を支援してきた中で培ってきた勝ちパターンをもとに、ご予算や目標に合わせた商品ページ、画像クリエイティブの作成が可能です。商品ページの作成はもちろん、Amazon広告の運用や商品企画のご要望にも対応しています。どんな些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。