Amazon出品の手順と費用を徹底解説!小口出品や大口出品の違いを紹介!
Amazonは、世界で最も規模の大きいオンラインマーケットプレイスとして高いシェア率を占めています。そこに対し戦略的なアプローチを取ることで、広告に頼らずして多くの顧客に自社製品を広く認知させることが可能です。この認知を通じて、製品の魅力を効果的に伝えれば、売上の増加が期待でき、Amazonが最も重要な販売チャネルとして大きな役割を果たすと言えます。
そのため、Amazonに商品を出品するためには、まず専用の出品アカウントを開設する必要があります。Amazon出品形態には「小口出品」と「大口出品」の2種類のプランがあり、アカウントの作成や申請手続きは、どちらのプランでも同じ手順で進めることができます。
本記事では、Amazonへの出品手順をはじめての方でも分かりやすく説明し、「小口出品」と「大口出品」の特徴やコストについても詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
1. Amazonに出品するメリットとは
日本国内で利用者数が最も多いECサイトといえば、Amazonがその代表格です。国内最大級の集客力を誇り、Amazonに出店することで、商品が多くのユーザーの目に留まる可能性が大幅に向上します。
また、Amazonは世界規模で展開されているECプラットフォームとして、多くの事業者から高い評価を得ています。世界中で広く利用されており、定期的なセールやシンプルな出品手続きなど、様々なビジネスニーズに対応できる点がその大きな魅力です。
さらに、Amazonは出品者向けに、物流を一括して代行するサービスや、広告を通じた商品プロモーションの機会を提供しています。これにより、配送やプロモーションといった煩雑な業務を効率化できるため、他のECモールで多忙な業務を抱えている担当者でも、Amazonへの新規出店が比較的容易になります。
2. Amazonで出品するための方法
Amazonで商品を販売するためには、通常のお買い物用アカウントとは別に専用の「出品者アカウント」を作成することが必要です。普段の購入時に使用するアカウントは、出品用には使用できないため、まずはこの点を押さえておくことが重要です。
さらに、Amazonでは「小口出品」と「大口出品」という2種類の料金プランが提供されています。どのプランを選ぶかは、月間の販売個数や事業の規模に応じて慎重に判断する必要があります。事前に販売計画を立て、それに基づいて適切なプランを選択しましょう。
3. Amazon出品プランの選択
Amazonの出品方法には、以下の2種類のプランがあります。
- 小口出品 プラン:100円/商品+販売手数料
- 大口出品 プラン:4,900円(税別)/月+販売手数料
Amazonで商品を販売するには、まず専用の「出品者アカウント」を作成することが求められます。出品者向けには、次の2種類のプランが提供されています。
小口出品と大口出品では、毎月のコストだけでなく、出品できる商品の数や機能にも違いがあります。出品する商品の種類や、見込んでいる販売量に合わせて、適切なプランを選ぶことが不可欠です。どちらのプランも、後から変更することは可能なので、運営状況に応じて柔軟に対応することができます。
3.1. 小口出品の特徴
小口出品は、以下のような特徴を持っています。
- 月額料金が不要
- 49点以下の少量販売に向いている
- 商品が1点売れるごとに100円の基本成約料がかかる
- 出品可能なカテゴリーに制限がある
こちらのプランは、販売数が少ない場合や、どのような商品を取り扱うかまだ決まっていない場合に適しています。売上が発生するごとに手数料がかかりますが、月額料金がかからないため、費用面でのリスクを抑えたい方にとっては魅力的です。しかし対応するカテゴリーに制限があるため、取り扱う商品をAmazon上で販売できないこともあります。
3.2. 大口出品の特徴
大口出品は、以下の特徴があります。
- 月額4,900円(税別)の固定費がかかる
- ショッピングカートボックスの利用資格を得られる
- APIや詳細なレポートなど、高度な出品ツールを利用できる
- 商品の広告を掲載できる
- 出品制限のある商品の許可申請が可能
- 出品者が配送料を自由に設定できる
こちらのプランは、月額4,900円(税別)の固定費がかかるものの、商品を大量に販売したい方や多機能なツールを活用したい方に向いています。大口出品は、通常出品できない商品カテゴリーへの出品申請も可能で、ショッピングカートやFBAなど、売上を伸ばすためのさまざまな支援機能が含まれています。
4. Amazon出品のステップ:登録から販売まで
Amazonでの出品審査の流れを、アカウント登録から販売開始まで解説します。
4.1. ステップ1:Amazon出品用アカウントの登録
Amazonでの出品を始めるには、まず「出品者アカウント」の作成が必要です。購入者用のAmazonアカウントとは違いますので、下記の専用のページから登録を行ってください。
参考:Amazon出品:https://services.amazon.co.jp/
4.1.1. 本人確認に必要な書類
Amazon出品者アカウントの登録時に必要な本人確認書類は、以下の通りです。
4.1.2 審査の期間と手順
Amazonでの出品審査は、アカウント登録の際に必要な書類を提出すると、おおよそ3営業日以内に審査が完了します。ただし、提出する書類にはマイナンバーが含まれないことに注意が必要です。
4.2. ステップ2:出品者プロフィールの設定
Amazon出品者アカウントの登録が完了したら、次に出品者プロフィールの設定を行います。このステップでは、出品に必須となる「特定商取引法表示」や「支払い情報」の初期設定を行います。
4.2.1 特定商取引法など法令に基づく表示
Amazon出品では、「特定商取引法」に基づき、店舗名や運営責任者、連絡先などの情報を公開する義務があります。情報に記載漏れや不備がある場合、アカウントが停止される可能性もあるため注意してください。
参考:特定商取引法(特商法)及びその他の法令に基づく表示https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/200365160?language=ja-JP
4.2.2. 支払い情報の設定
出品時の売上金の受取口座や支払い方法を、以下のように設定します。
銀行口座
- 売上金を受け取るための銀行口座を入力してください
クレジットカード情報
- 月額費用や広告費の支払いのためにクレジットカードを登録してください
支払い方法の設定
- 通常はクレジットカード決済ですが、コンビニ払いと代金引換も選択できます
- 自己発送を行う際に、お客様が選択できる支払いオプションを設定します。しかし「小口出品」ではコンビニ決済の設定ができない点に注意が必要です。また、新規に出品する際には、代金引換の選択ができません。
4.2.3. 配送・返品の設定
以下では、配送の設定方法について説明します。
4.2.4. 許認可情報の入力
法令により表示が義務付けられている許認可商品(酒類や中古品など)を出品する際に入力します。
- 古物商許可証番号営業許可
- 医薬品販売業許可証番号
- 通信販売酒類小売業許可証番号
- 酒類小売業許可証番号
- 高度管理医療機器販売業許可証番号
これらの許可証番号や届出番号の登録が必要です。
許認可が必要な商品をECで販売する際には、Amazon以外でも法令に基づく表示が必要です。詳細については、下記のページをご確認ください。
4.3. ステップ3:出品商品の登録
出品者プロフィールの設定が済んだら、次に商品を登録します。商品が「型番商品」か「オリジナル商品」かによって、登録手順が異なります。
4.3.1. 型番商品の登録
商品名やJANコード、型番を入力して検索すると、すでにAmazonで販売されている商品が見つかります。その場合、既存の商品ページに「相乗り出品」として登録することができます。この方法では、新たに商品ページを作成する必要がなく、簡単に出品登録を完了することができます。
4.3.2. オリジナル商品の登録
Amazonで新商品やオリジナル商品を出品する際は、まずJANコードや商品名、説明文などを入力して登録申請を行います。万が一、JANコードがない場合は、サポートセンターに連絡して製品コード免除の承認を受けることが可能です。この手続きを経ることで、出品をスムーズに進めることができます。
4.4. ステップ4:注文商品の発送手続き
Amazonで自己発送を選択した場合、商品を出荷する際の手順は以下の通りです。
- 注文確認メールを受信する
- 納品書を印刷する
- 商品を梱包し、発送する
- 「出荷通知」ボタンをクリックする
この操作は、すべて管理画面から行うことができます。
4.4.1. FBAを利用する場合
FBAを利用する場合、配送代行手数料や在庫保管手数料が発生しますが、すべての業務をAmazonが代行してくれるため、注文後の対応は不要です。これにより、効率的に運営を進めることができます。
5. Amazon出品にかかる手数料や費用
前述の通り、Amazonには「小口出品」と「大口出品」の2つのプランがあり、それぞれ月額費用が異なります。また、販売時にかかる手数料(成約料)も細かく設定されています。特に、出品者が見落としがちな「隠れた手数料」が利益に大きく影響を与えることがあるため、注意が必要です。
5.1. 販売手数料の詳細
Amazonでは販売する商品のカテゴリごとによって、発生する手数料の割合が異なります。
上記は、各カテゴリーごとの販売手数料の一部です。Amazonで商品を販売する際には、大口出品でも小口出品でも、売れた商品ごとにカテゴリーに応じた手数料がかかります。
注意とし、2024年6月1日から、商品1点あたり750円以下のすべての商品(本、ミュージック、DVD、ビデオ、PCソフト、TVゲーム、Amazonデバイス用アクセサリを除く)の販売手数料が5%に引き下げられています(最低手数料は30円)。また、食品&飲料およびビール商品には、商品1点あたり30円の最低販売手数料が導入されています。
5.2. カテゴリーごとの成約料
本やCDなどのメディア商品を販売する際には、販売手数料に合わせて、カテゴリーごとの成約料も必要になります。これらの費用を事前に把握しておくことで、正確な利益計算ができます。
参考サイト:Amazon出品サービスの手数料
6. FBA利用時の手数料について
ここではFBAを利用した際に発生する手数料について説明します。自己発送を選択した場合には、FBAの手数料は発生しません。
6.1. FBA配送代行手数料
FBAの配送手数料について、商品のサイズや重量に応じた詳細を以下で確認していきましょう。
小型/標準サイズ
大型サイズ
特大サイズ
参考サイト:フルフィルメント by Amazon(FBA) – 料金プラン – Amazon.co.jp
6.2. 在庫保管手数料
Amazonの倉庫に商品を保管する際には、サイズと保管期間に応じて手数料が発生します。この在庫保管手数料は、月ごとに日割りで計算され、請求されます。
参考サイト:フルフィルメント by Amazon(FBA) – 料金プラン – Amazon.co.jp
6.3. その他の追加手数料
長期保管や特定のカテゴリーでは、返品手数料などの追加費用が発生する場合があります。
7. Amazon出品で成功するための重要ポイント
Amazonでの出品は簡単に始められますが、出品すれば必ず売れるわけではありません。成功するためには、いくつかの重要なポイントを理解し、それを基に戦略を練る必要があります。ここでは、その成功のためのカギを詳しく見ていきましょう。
7.1. カートボックスの獲得
Amazonでは「相乗り出品」が採用され、「1つの商品に対して商品詳細ページは1つ」というルールが存在します。そのため、ある商品を最初に出品した出品者は、他社が同じ商品を販売する際に、自身が作成した商品ページを利用されることになります。つまり1つの商品に対して商品ページは1つですが、その商品の出品者が複数いる場合には、1つの商品ページに複数の出品者が紐づけられる形になるのです。カートボックスを獲得するためには、以下の条件を満たすことが求められます。
- 大口出品者であること
- 価格は最安値での販売
- 良好な出品実績と評価
- 配送方法の選択(FBAが自社出荷より有利)
- 十分な在庫量
なお、相乗り出品者がいない場合は、上記の条件を満たしていなくてもカートボックスを獲得することが可能です。
7.2. 価格推移の変動をチェック
Amazonで売上を伸ばすための重要な要素の一つが「価格競争力」です。カートボックスを獲得するために必要な「最安値」は日々変動しており、特に人気商品では相乗り出品者が多く、時期やトレンドに応じて価格競争が激化します。
しかし、価格競争力だけに依存する戦略は、利益率の低下を招きやすく、薄利多売のリスクを伴います。出品前にしっかりと損益分岐点を確認し、適切な価格設定で利益を確保することが成功の鍵となります。
7.3. オリジナル商品の出品
価格競争が激化する中で、相乗り出品では利益を守るのが難しくなっています。そんな中、注目すべき戦略の一つがオリジナル商品の販売です。自社ブランドやOEM商品を扱うことで、価格競争から抜け出し、自由な価格設定が可能になります。
ただし、成功には商品の品質の高さだけでなく、魅力的な商品ページの作成やレビューの集積が欠かせません。ブランド構築には大きな労力と資金が必要ですが、一度軌道に乗れば、安定した収益と持続的な成長が期待できます。
8. Amazon出品時の注意点
Amazonで出品する際に、知っておきたい重要なポイントがあります。この記事では、押さえておきたい2つの注意点を解説します。
- 出品制限に関する注意点
- 出品禁止商品の事前確認
8.1. 出品制限に関する注意点
Amazonでは、特定の商品に出品制限がかかる場合があります。これらの制限は、偽造品の流通を防ぎ、正規の流通経路が不明確な商品の出品を抑制することで、顧客の信頼を守るために設けられています。そのため、事前に出品制限がかかっていないかを確認しておくことが重要です。出品制限の適用は出品者によって違い、新規出品者や実績の少ない出品者ほど制限対象となる商品が多い傾向があります。しかし、出品実績を積み重ねることで、これらの制限が徐々に緩和されていくため、継続的な出品活動が推奨されます。
8.2. 出品禁止商品の事前確認
Amazonで商品を出品する際には、まず出品禁止商品のリストを確認することが必須です。Amazonでは、特定の商品やカテゴリーについて出品が禁止されており、これらに該当する商品を誤って出品すると、出品資格の剥奪など厳しいペナルティを受けるリスクがあります。
まず、出品禁止商品はカテゴリーごとに異なるため、出品前に必ずAmazonのガイドラインをチェックしましょう。事前の確認を怠ると、予期しないトラブルに巻き込まれる可能性があります。
9. まとめ
本記事では、Amazonでの出品手順や費用について詳しく解説しました。
圧倒的な集客力を誇るAmazonで、簡単に出品できる点は非常に魅力的です。しかし、誰でも手軽に出品できるということは、それだけ競合も増えるということを意味します。実際、参入障壁が低いため、価格競争が激化しているのが現状です。
それでも、Amazonには3億点以上の商品が掲載され、幅広い商品カテゴリーで販売が可能です。この膨大な市場において、商品を効果的にアピールし、認知度を高めることで、売上の向上と顧客獲得が期待できるでしょう。
Amazon運用のサポートは「株式会社GROOVE」にご相談ください!
GROOVEはD2C事業から始まり、自社で商品を開発し、Amazonでの販売で多くの成功を収めてきました。その経験から、市場調査や商品企画、マーケティング、物流に至るまでの一連のノウハウを体系化し、サービスとして提供しています。そのため、広告運用に頼るだけでなく、事業全体での利益を最大化するための提案が可能です。私たちの経験と技術で、ブランドの成長を全面的にサポートします。
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監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。