Amazonの検索・推薦アルゴリズムが大きく進化しています。2023年以降、従来のA9エンジンに代わり「CoSMo(Common Sense Models of Products)」と呼ばれる新しいシステムが導入され、商品発見の仕組みが根本から変わりました。
この記事では、Amazon出品者が知っておくべきCoSMoの基本から、実務で使える具体的な対策まで解説します。
☰ 目次
1. CoSMoとは
1-1. 商品理解と推薦の文脈
CoSMoは、Amazonが開発した商品理解のための機械学習モデルです。従来のキーワードマッチング中心のアルゴリズムとは異なり、商品の「意味」や「文脈」を深く理解します。
このシステムは商品タイトル、説明文、画像、レビューなどを総合的に分析し、商品の特徴や用途を構造化データとして抽出します。その結果、ユーザーの検索意図とより正確にマッチする商品を提示できるようになりました。
たとえば「夏用 軽量 リュック」という検索に対し、単にキーワードが含まれるだけでなく、通気性素材や軽量設計といった属性を持つ商品を優先的に表示します。
1-2. 従来の検索アルゴリズム(A9)との違い
A9エンジンは主にキーワードの出現頻度と販売実績を重視していました。タイトルや商品説明にキーワードを詰め込むことで、検索順位を上げることが可能でした。
対してCoSMoは、商品の「意味的な関連性」を評価します。キーワードが直接含まれていなくても、商品属性や用途が一致すれば検索結果に表示されます。
また、CoSMoはマルチモーダル分析を行います。テキストだけでなく画像からも商品特徴を抽出し、レビュー内容から実際の使用シーンを理解します。これにより、ユーザーの潜在的なニーズにも対応できるのです。
さらに重要なのは、推薦システムとの統合です。検索結果だけでなく「この商品を見た人はこんな商品も見ています」などの推薦枠でも、より精度の高いマッチングが実現されています。
2. Amazon出品者への影響
2-1. 商品属性の重要性
CoSMo時代では、商品属性(Product Attributes)の正確な入力が最優先事項です。Amazonセラーセントラルで設定できる属性情報は、CoSMoが商品を理解する基礎データとなります。
具体的には、サイズ、色、素材、対象年齢、用途などのカテゴリ別属性を漏れなく入力してください。アパレルなら「フィット感」「季節」「機会」、家電なら「消費電力」「対応規格」「サイズ」などです。
属性の充足率が80%以上の商品ページは、検索での露出が平均1.5倍高まるというAmazon内部データもあります。セラーセントラルで「品質スコア」を確認し、不足している属性を補完しましょう。
2-2. レビューから抽出される情報
CoSMoはカスタマーレビューを詳細に分析し、商品の実際の特徴や使用シーンを抽出します。レビュー内で繰り返し言及される特徴は、商品理解のシグナルとして活用されます。
たとえば「軽い」「持ち運びやすい」という言葉がレビューに頻出すれば、携帯性を重視する検索でランキングが上がる可能性があります。
この仕組みを活かすには、フォローアップメールで具体的な使用感を尋ねる工夫が有効です。ただし、レビュー誘導は規約違反になるため、自然な形での感想収集を心がけてください。
また、低評価レビューで指摘された問題点も、CoSMoは商品特性として認識します。品質改善とともに、商品説明での正確な情報提供が重要です。
2-3. 画像から読み取られる情報
CoSMoは画像認識技術により、商品画像から視覚的特徴を抽出します。色、形状、サイズ感、使用シーンなどが自動的に分析されます。
メイン画像は白背景が必須ですが、サブ画像では商品の使用シーン、サイズ比較、詳細な特徴を視覚的に示しましょう。最低でも5枚以上、理想は7枚の高品質画像を用意してください。
画像内に文字情報を含める場合、「軽量500g」「防水加工」など具体的な数値や特徴を明記すると、CoSMoがその情報を認識しやすくなります。
ライフスタイル画像も重要です。実際の使用場面を示すことで、CoSMoは商品の用途やターゲット層を正確に理解し、適切な検索・推薦に反映します。
2-4. 関連商品との関係性
CoSMoは商品間の関連性を学習し、補完商品や代替商品のネットワークを構築します。これは「よく一緒に購入される商品」や「類似商品」の精度向上につながります。
自社商品のバリエーション(色違い、サイズ違い)は必ず親子関係で登録してください。これによりCoSMoは商品ファミリーとして認識し、関連性の高い推薦が行われます。
また、商品説明で補完商品に言及する(例:「専用ケースと併用がおすすめ」)ことで、関連性のシグナルを送ることができます。ただし、競合商品への直接言及は規約違反なので注意が必要です。
3. 今からできる対策
3-1. 商品データの整備手順
まず、セラーセントラルで全商品の属性充足率を確認してください。「在庫」→「全在庫の管理」から各商品の品質スコアが確認できます。
充足率70%未満の商品は優先的に改善対象としましょう。特に売上上位20%の商品は、すべての必須属性と推奨属性を100%入力することを目標にしてください。
次に、商品タイトルを見直します。CoSMo時代でもタイトルは重要ですが、キーワード詰め込みではなく、自然で読みやすい文章にすることが推奨されます。「ブランド名 + 商品タイプ + 主要特徴2-3個」が基本構成です。
箇条書き(Bullet Points)は各行80〜120文字程度で、具体的なベネフィットと仕様を明記します。「高品質」などの曖昧な表現より「耐久性600デニールナイロン使用」など数値や具体的な素材名を使いましょう。
3-2. コンテンツ改善の優先順位
最優先はA+コンテンツ(旧EBC)の作成です。ブランド登録済みであれば無料で使える機能で、視覚的に商品特徴を伝えられます。CoSMoはA+コンテンツ内の画像とテキストも分析対象としています。
次に、バックエンドキーワードの最適化です。検索語句レポートから実際にコンバージョンしているキーワードを確認し、商品説明に含まれていないものをバックエンドに追加します。上限は250バイトなので重複を避けましょう。
商品動画がある場合、必ずアップロードしてください。動画からもCoSMoは商品情報を抽出します。30秒〜1分程度で商品の使い方や特徴を示す動画が理想的です。
レビュー獲得も継続的な施策が必要です。Amazon Vine プログラムやリクエストレビューボタンを活用し、最低でも15件以上のレビュー獲得を目指しましょう。
3-3. 効果測定と改善サイクル
CoSMo対策の効果は、Brand Analytics(ブランド分析)の「検索語句別商品シェア」で確認できます。主要キーワードでの表示順位と推移を週次でチェックしてください。
改善後、効果が現れるまで2〜4週間かかることが一般的です。すぐに結果が出なくても、継続的にデータを観察しましょう。
重要なのは「検索語句の多様化」です。CoSMo導入後、商品が表示される検索語句の種類が増えた場合、アルゴリズムが商品を正しく理解している証拠です。
セッション数とコンバージョン率を同時にモニタリングし、セッション増加に対してCVRが大きく低下していないか確認してください。関連性の低い検索で表示されている場合、商品情報に誤解を招く要素がある可能性があります。
最後に、競合分析も忘れずに行いましょう。同カテゴリの上位商品がどのような属性設定や画像構成をしているか研究し、自社商品に活かせる要素を取り入れてください。
まとめ
CoSMoは単なるアルゴリズム変更ではなく、Amazon検索体験の根本的な進化です。キーワード最適化だけでなく、商品の本質的な価値を正確に伝えることが、これからのAmazon SEOの鍵となります。
まずは自社の主力商品から属性情報の充実化を始め、画像とコンテンツの改善を進めていきましょう。

監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531

