Amazon出品規約を徹底解説!違反リスクと対策も紹介
Amazonでの販売を成功させるためには、出品規約を正しく理解し、確実に遵守することが求められます。
出品者がルールを守らなかった場合、出品停止やアカウント停止といった厳しいペナルティが科せられるリスクがあるため、事前の対策が必要です。
特に、購入者の安全を確保するためのルールや、商品の情報を正確に記載する義務は、出品者にとって見逃せない重要なポイントです。
この記事では、Amazonの出品規約の概要や、違反行為の具体例、違反時のペナルティ、そして違反後の対処法について詳しく紹介します。
Amazonでのビジネスを円滑に進めるために必要な知識として、ぜひ参考にしてみてください。
1. Amazonの出品者利用規約とは
Amazonの出品者利用規約は、出品者が遵守すべきルールを定めたもので、購入者が安全に商品を購入できる環境を整え、出品者同士の公正な取引を維持する目的があります。
この規約では、出品情報の適正な記載や、危険物や医薬品といった特定の商品カテゴリーに対する出品要件の順守が求められることが特徴です。
違反が発覚した場合、以下のようなペナルティが発生する可能性があります。
- 商品の出品停止
- アカウントの一時停止
- アカウント削除
また、虚偽の情報提供や不適切な価格設定、不適切なコンディション設定も違反です。購入者からのクレームが続くとストアの評価が低下する原因になります。
Amazonは、これらのルールを守ることで信頼性の高い取引環境を維持しています。
2. 規約違反時のペナルティ
Amazonの出品者利用規約に違反すると、出品者はさまざまなペナルティを受ける恐れがあります。
違反の程度や内容に応じて、出品停止処分、アカウント停止処分、アカウント削除処分の3種類が主なペナルティとして科されます。
ここでは、Amazonの規約違反時のペナルティについて紹介します。
2.1 出品停止処分
出品停止処分は、特定の商品が一時的に販売停止となるペナルティです。
商品が「停止中」と表示され、再出品の可否はアイコンの色で判断されます(黄色は再出品可能、赤色は再出品不可)。
主な違反原因は以下の通りです。
- 不正確な商品情報
- 危険物や出品禁止商品の販売
- 偽造品の出品
出品停止が科された場合、パフォーマンス通知センターから異議申し立てを行い、再出品を求めることになります。
2.2 アカウント停止処分
アカウント停止処分は、アカウント全体の機能が一時的に停止されるペナルティです。
商品販売ができなくなり、売上の入金も保留される状態です。
アカウント停止の原因は、ストアパフォーマンスの低下や重大な規約違反が挙げられます。
以下がアカウント停止処分の主な原因です。
- ストアパフォーマンスの低下(注文不良率の上昇、クレームや返品の増加)
- 出荷遅延やキャンセル率の増加(納期を守れない場合)
- Amazonのガイドラインに違反する行為(不正レビュー操作、偽造品の販売など)
アカウント停止の解除は、出品停止と同じく、パフォーマンス通知センターへ異議申し立てを行います。
2.3 アカウント削除処分
アカウント削除処分は、最も重いペナルティであり、アカウントが完全に削除されるため、Amazonの出品者としての活動が不可能になります。
このペナルティは、重大な違反が発覚した場合に科され、再登録が不可能になるケースがほとんどです。
以下がアカウント削除処分の主な原因になります。
- 偽造品の販売
- 医薬品や危険物の違法出品のような重大な法令違反
- 複数回の重大な違反
アカウント削除が行われると、異議申し立ての機会が与えられない場合が多いため、事前の対策が重要です。
特に、Amazonの倉庫を利用している出品者は、倉庫に保管されている在庫が返送されるため、在庫管理の手配も必要になります。
アカウントが削除される前には、通常、複数回の警告やアカウント停止が通知されます。
この時点で異議申し立てを行い、適切な改善計画を提出することで削除を回避できる可能性もあるため、通知を無視せず、Amazonからメッセージが届いた場合はすぐに確認し、対処しましょう。
3. 規約違反になり得るケース
出品情報の不備や価格の不適切な設定、偽造品の販売などは、Amazonが厳しく取り締まる違反行為です。
ここでは、規約違反と見なされやすい6つの具体的なケースを紹介します。
3.1 出品情報の内容の不足
商品の情報が不足していると、購入者の誤解やトラブルを招く原因になります。
例えば、商品のコンディションが正確に記載されていなかったり、並行輸入品の記載が省かれている場合は、購入者からのクレームにつながりやすく、出品停止のリスクが高まります。
特に、以下のような場合は注意しましょう。
- 新品か中古品か分からないなど商品のコンディションが不明確
- 並行輸入品の表記不足
- 重要な付属品(保証書、専用パーツなど)の記載漏れ
出品情報を明確に記載することは、購入者の信頼を得るためには欠かせない基本的なルールです。
情報不足による返品が続くとストアの評価が低下し、出品停止のリスクが高まるため、必ず情報の正確性を確認しましょう。
3.2 不適切な価格設定
通常価格よりも過度に高い値付けや、急な価格の引き上げは、価格の不当操作と見なされ、ペナルティの対象になる可能性があります。
以下のようなことに心当たりがある場合、改善が必要です。
- 短期間での大幅値上げなど不当な価格操作
- 送料と商品の価格がアンバランス(送料を高額にして利益を得る手法)
- 市場価格に比べて大幅に高い価格
需要と供給のバランスで価格を変動させるのは市場の常識ですが、一般的な範囲内で行い、Amazonの規約に抵触しないように注意しましょう。
3.3 ストアパフォーマンスの低下
Amazonは、購入者の満足度を重視しているため、注文不良率(ODR)や出荷遅延率などが一定の基準を超えるとペナルティが科せられます。
ストアパフォーマンスの評価は、主に以下で行われます。
- クレーム、返品、苦情の発生などの注文不良率の上昇
- 商品が指定日に到着しない出荷遅延率の上昇
- キャンセル率の増加
ストアパフォーマンスが基準を下回った場合は、Amazonから通知が送られ、改善計画(POA)を求められるケースが少なくありません。
事前に在庫管理や出荷体制を見直し、納期を厳守するための対策を講じることが求められるでしょう。
3.4 知的財産権を侵害する商品の販売
Amazonが定める『Amazon知的財産権ポリシー』に違反した場合、規約違反になります。
主に以下のような種類が知的財産に該当します。
- 著作権
- 特許
- 商標
- 意匠権
- 工業意匠 など
例えば、偽ブランド品や無許可でブランドロゴを使用した商品、複製DVDなどは、商標権侵害品や著作権侵害にあたり、決して許されません。
万が一出品した場合、出品が強制停止措置を受ける可能性が高くなります。出品前に商品をよく確認し、知的財産権と照らし合わせながら出品手続きを執りましょう。
3.5 偽物商品の販売
偽造品の販売は、Amazonが最も厳しく取り締まる違反行為の一つです。発覚すればアカウント停止やアカウント削除などの重大なペナルティが発生します。
Amazonはブランド保護プログラム(Amazon Brand Registry)を運用しており、ブランドオーナーは不正な出品を監視できるため、模倣品の出品は発覚しやすくなっています。
また、意図的ではなくても、騙されて偽造品を仕入れてしまうことも考えられますが、その場合も違反に変わりはなく、同様のペナルティが科せられます。
正規品の調達先を確保し、偽造品を出品しないようにすることが重要です。
3.6 不適切なコンディション設定
出品時に商品の状態を正しく記載することは、購入者の信頼を得るために重要です。
実際の状態と異なるコンディション設定をした場合、ペナルティの対象になる可能性が高まります。
例えば、『新品』として出品されているのに、実際には開封済みの中古品が届いた場合は、購入者からの苦情や返品の発生につながります。
以下が不適切なコンディション設定の代表例です。
- 開封済み商品を「新品」として出品する
- 商品の破損や汚れの表記漏れなど、状態不良の記載不足
- 付属品(説明書や保証書)の有無の不明確な記載
このような状態が繰り返され、顧客の不満が積み重なると、前述のようにストアパフォーマンスが低下し、ペナルティが科されるリスクが高まります。
顧客に正確な状態を伝えられるよう、『新品』『中古』『ほぼ新品』など、Amazonが定めたコンディション設定を適切に行いましょう。
4. 違反後の対処法
Amazonの出品規約に違反した場合、出品停止やアカウント停止といったペナルティが科されますが、適切な対処を行えば、再出品やアカウントの回復が可能になるケースがあります。
主な対処方法は、異議申し立て、改善計画の作成・提出になりますが、アカウント停止から17日以内に提出する必要があるため、必ず迅速に行いましょう。
以下に対処方法の手順をまとめました。
- 異議申し立てを行う:Amazonに違反に関する説明を提出します。
- 改善計画の提出:POA(Plan of Action)を提出します。問題の原因・改善策・再発防止策を明確に記載します。
迅速な対応と適切な情報の提出が、アカウントの回復や商品の再出品に必要な条件になります。
Amazonの要請に対して、迅速に正確な情報と的確な対策を提示することが問題解決の最短ルートになるでしょう。
なお、一度の提出でペナルティが解除されないケースも多いです。その際はすぐに諦めず、根気よく何度もトライすることをおすすめします。
5. まとめ
Amazonの出品規約は、購入者の安全なショッピングや出品者の公平な商取引をスムーズに行うために設定されている重要なルールです。
違反した場合は出品停止・アカウント停止処分・アカウント削除処分など、違反の内容に則した処分が取られ、最悪の場合はAmazonに出品できなくなってしまう恐れもあります。
出品の際には商品や手続きなどに違反がないかよく確認し、ペナルティを受けないように注意しましょう。
また、万が一ペナルティが科された場合には、Amazonへの異議申し立てや必要な情報の提出で解除できる可能性が高いです。もしもペナルティが生じたら、早めの対処を行いましょう。
Amazonの出品規約に関するソリューションは株式会社GROOVEへ
株式会社GROOVEは、ECプラットフォームに特化したD2Cコンサルティング企業です。Amazonの規約にも精通しており、詳細説明やペナルティ解除の手続きなど、さまざまなソリューションをご提供します。
Amazonの出品規約が気になる方、理解を深めたい方、ペナルティで困っている方など、サポートが必要な方はお気軽にご相談ください。
監修者 : 田中 謙伍
株式会社GROOVE 代表取締役
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、マーケティングマネージャーとしてAmazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。
【登録者数 5万人のYouTubeチャンネル】
たなけんのEC大学:https://www.youtube.com/@ec8531
執筆者 : 松岡 孝明
株式会社GROOVE マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。