楽天広告の運用完全ガイド!種類から成功の秘訣まで網羅的に解説
楽天市場で広告を運用するにあたって、広告の種類や成果を上げるコツを把握しておきたい担当者様も多いのではないでしょうか。
楽天広告は種類によって特徴やメリット・デメリットが異なるため、予備知識を得るとともに、自店舗や商材に最適な選択が求められます。
この記事では、楽天広告の種類から運用を成功させる秘訣まで徹底解説します。
Amazon広告についての解説はこちらの記事をご覧ください。
目次
1. 楽天広告とは
楽天広告とは、楽天市場内で商品やブランドの認知度を高め、売上を促進するための広告サービスです。
楽天広告の種類を大別すると、掲載方法によってディスプレイ広告と運用型広告、ニュース広告に分けられ、さらにそれぞれの種類の広告にはRPP広告やクーポンアドバンス広告、大型イベント広告など多岐にわたる広告メニューがあります。
楽天広告の強みは、楽天IDを基にした高精度なターゲティングと分析です。楽天は日本最大級の会員数を誇り、ユーザーの購買データや行動履歴を活用して、効果的な広告配信を実現します。
マーケティング活動を強化するにあたって、楽天広告は売上拡大やブランド認知度向上に貢献する重要な手段となります。
2.楽天市場における広告の種類と特徴
楽天市場内における広告は大きく分けて、ディスプレイ広告、運用型広告、ニュース広告の3種類に分けられます。
ここでは、それぞれの広告の概要についてわかりやすく説明します。
2.1. 運用型広告
楽天市場における運用型広告は、検索連動型広告(RPP広告)やクーポンアドバンス広告などが該当します。
広告主が自ら設定した条件に基づいて、リアルタイムで広告の配信や入札額の調整を行える広告形式です。
運用型広告の最大の特徴は、柔軟性と効率性にあります。広告主は、予算、キーワード、ターゲット層などを細かく設定でき、広告効果を見ながら随時調整することができます。
特定の商品カテゴリーに興味のあるユーザーや、過去に類似商品を購入したユーザーなどをピンポイントでターゲティングすることが可能です。
たとえば、ユーザーが「スニーカー」と検索した際に表示される商品広告や、過去の購買履歴に基づいて表示されるパーソナライズされたクーポン広告などが挙げられます。
運用型広告は、クリック課金制や成果報酬型など、実際の広告効果に応じた課金方式を採用しているケースが多く、費用対効果を測定しやすいため、効率的な予算配分が可能です。
2.2. ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、基本的には画像などの形式で主に楽天市場のトップページ、楽天スーパーセールなどのイベントページ、特集ページなどに掲載されます。
視覚的インパクトが強く、幅広いユーザーへのアプローチを通じて、ブランドの認知度向上や新商品のPRに寄与します。
季節商品の告知や大型セールの案内など、タイムリーな情報発信にディスプレイ広告が有効です。
掲載場所や期間は事前に決められており、固定的な料金体系となっています。そのため、予算管理がしやすく、計画的に広告運用が可能です。
一方で、特定のターゲットに絞った配信は難しく、広範囲のユーザーに向けた露出が中心となります。 また広告枠が決まっているため、人気の広告枠については希望しても購入できない場合もあります。まとまった額を購入する店舗であれば、ECC経由で優先販売を活用することで、一般発売よりも先に枠をさせることが可能となっています。
2.3.ニュース広告
楽天市場におけるニュース広告は、楽天市場の会員に向けて、広告としてメールマガジンを配信する形式の広告のことです。
ニュース広告を利用すれば、楽天市場全体で登録しているユーザーに対して広告を配信することができるため、自店舗のメルマガ会員だけではリーチすることができない未接触のユーザーにアプローチすることが可能となります。
ニュース広告を活用すれば、自店舗にない顧客リストに対して自社商品の認知を拡大し、短期的に売上が拡大することが期待されます。ただし、掲載期間に対して費用が発生する形となり、費用が固定されることになるので広告費を柔軟に調整することはできません。そのため、そこまで売上が伸びなかった場合にはROASが悪化する可能性があるので注意しましょう。
3. 楽天市場における運用型広告のメニュー
運用型広告という大きな枠の中に、以下のようなメニューがあります。
- RPP広告
- クーポンアドバンス広告
- ターゲティングディスプレイ広告
- 楽天CPA広告
- メルマガ
これらの広告メニューの特徴やメリット・デメリットについて紹介します。
3.1. RPP広告
RPP広告(Rakuten Promotion Platform)は、楽天市場内でユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。主に検索結果ページに商品が表示され、購入意欲の高いユーザーに効率的に訴求できるため運用型広告の中でも非常に重要な広告となっています。
検索画面上位に「PR」の文字とともに表示されており、PCの場合は上位4枠、モバイル端末の場合は上位6位までがRPP広告となっています。
広告主は月予算を設定し、その範囲内で広告が自動的に配信されます。クリック課金制(CPC)を採用しているため、クリックされなければ費用は発生しません。
ただし単純に入札単価が高い商品が上位表示されるわけではなく、ユーザーの検索結果に対する商品名や商品説明文の関連性、過去の購入履歴やクリックに至った検索キーワードなども影響するため、予算だけ確保すれば上位に表示されるということはありません。
3.1.1. RPP広告のメリット・デメリット
以下はRPP広告のメリットとデメリットをまとめたものになります。
3.1.2 RPP広告運用のポイント
RPP広告はクリック課金制であるため低価格から始めることができ、予算を柔軟に設定することができます。また商品情報がそのまま広告として利用されるため、画像クリエイティブなどの準備の必要がありません。そのため気軽に始めることができます。
しかし実際に成果につなげていくためには、しっかりとした運用を行なわなければなりません。キーワードの設定はなるべく多くしておいた方が良いですが、人気のキーワードはクリック単価が高騰しがちです。そのため、こまめにキーワード別のCPCの調整を行なうようにしましょう。
またデフォルトではRMS(Rakuten Merchant Server)の倉庫から出荷され、在庫がある商品については、全商品がRPP広告の対象となっています。これは商品ごとに除外が可能なので、商品別にROASを確認し、利益率の低い商品は広告の対象外にするなどの対策をとるとよいでしょう。
3.2. クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は、クーポンを付与することでユーザーの購買意欲を高める広告形式です。楽天IDでログインしているユーザーに対してクーポンの形式で表示され、ユーザーが広告をクリックすると自動的にクーポンが付与されます。
クーポンアドバンス広告では、特定の商品やカテゴリに対して割引クーポンを提供し、クリック率や購入率を向上させることができます。購入意欲が高いユーザーをパーソナライズし、値引きによる訴求を図ることでユーザーの購入意欲を刺激します。そのため楽天市場内の他の広告に比べると、アクセス数の増加には強くありませんが、転換率のアップを狙うことができる広告といえます。
また、クーポンアドバンス広告の費用は、ユーザーのクーポンの獲得時に、設定した入札金額が発生する仕組みとなっています。しかし、実際には表示された広告をユーザーがクリックした際に自動でクーポンが取得されるため、実質的にはクリック課金制となっているといえます。値引き分の費用に関しては店舗側が負担することになります。
3.2.1 クーポンアドバンス広告のメリット・デメリット
クーポンアドバンス広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
3.2.2. クーポンアドバンス広告運用のポイント
クーポンアドバンス広告では値引き率と対象商品を自動で最適化するか、自社で設定するか選ぶことができます。
自店舗で値引きの対象商品や値引き率の上限が決まっている場合には、手動で設定するようにするとよいでしょう。逆に値引きできる商品数が多く、値引き率も柔軟に対応できる場合は自動設定にすることで管理工数を減らすことができます。
またクーポンアドバンス広告で発行したクーポンには有効期間があり、発行した日の翌月曜日14:59分までとなっています。有効期間の途中で割引率を変更した場合にも、この有効期間が切れるまでは反映されません。そのため、特にイベント時などに値引率を変更したい場合にはタイミングに注意するようにしましょう。
3.3. ターゲティングディスプレイ広告(TDA)
ターゲティングディスプレイ広告(TDA広告)は、ユーザーの属性や行動履歴に基づいて広告を配信する形式です。希望するセグメント条件でバナー広告を配信することが可能で、表示された量に比例して課金されるインプレッション課金型の広告です。
TDA広告では購入ファネルの認知から購入までの幅広いファネルで活用することができます。自社の商材や配信するセグメントによってROASは変わりますが、インプレッション課金のため基本的には認知を拡大したい場合に利用するほうが良いでしょう。
また購入履歴に基づくセグメントも可能であるため、リターゲティング目的に利用することもできます。
3.3.1. TDA広告のメリット・デメリット
TDA広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
3.3.2. TDA広告の運用のポイント
TDA広告は新規出店の店舗や広告予算に余裕がない場合には、利用の優先度は高くありません。購入に繋がりやすいRPP広告やクーポンアドバンス広告などを優先するとよいでしょう。
一方でリターゲティングとして自社店舗を訪れた履歴のあるユーザーをセグメントすれば、比較的成果につながりやすくなります。楽天スーパーセールなどの大型セールやお買い物マラソンなどのイベントに合わせてリターゲティングを活用するとよいでしょう。
3.4. 楽天CPA広告
楽天CPA広告は、ユーザーが広告をクリックして購入に至った場合にのみ費用が発生する、成果報酬型の広告形式です。広告経由の売上の20%が自動的に広告料金となるという独自の料金体系を持っています。
設定を有効にするだけで、RMSに登録している商品から、自動的に対象となる商品がピックアップされます。選ばれた商品は各ジャンルTopの「ピックアップアイテム」や楽天市場の特集・イベントページに加え、メールマガジンなどの楽天市場外にも掲載されることになります。
また広告クリックから購入までの時間差を考慮しているためか、広告クリック後の課金対象時間が720時間(30日間)に設定されています。そのため、クリックから購入に至るまでに間が空いたとしても課金が発生する可能性があります。
3.4.1. 楽天CPA広告のメリット・デメリット
楽天CPA広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
3.4.2. 楽天CPA広告の運用のポイント
ROASが20%に固定されるため、自社の商品の売れ行きを把握しておけば、大体の広告費がどれくらいかかるか想定した上で出稿することができます。あるいは、決められた予算内で販売実績の最大化を図ることもできます。
ただし、全ての商品を対象にしてしまうと、広告費をかけなくても売れる人気の商品にまで広告費が発生し、広告費が想定よりも多くなる可能性があります。また利益率の低い商品の場合、広告費が20%でも利益を圧迫してしまいます。各商品ごとの利益率を確認し、どの商品を対象にするかを慎重に選んだうえで運用するようにするとよいでしょう。
3.5. メルマガ
メルマガは、楽天市場のユーザーに対して定期的に配信できるメール形式の広告です。自店舗のメルマガ購読リストに対して配信条件をもとにセグメントし、メール内容を自動で送ることができます。
新商品情報やセール情報などの情報を配信したり、特定の商品を購入したユーザーに対してのフォローアップやアップセルを目的としたメール送信が可能です。
3.5.1. メルマガのメリット・デメリット
メルマガのメリット・デメリットは以下の通りです。
3.5.2. メルマガ運用のポイント
メルマガは楽天広告の中でもリピーターの育成に向いています。また自店舗のメルマガ購読者を対象としているため、ROASも高く出やすいのも特徴です。大型のセールに合わせた配信などで一気に売上を伸ばすために有効な手段でもあります。
但し、メール本文にある商品画像やURLに不一致がある場合、楽天市場側から配信の停止処理がされることがあります。そのため、商品情報や遷移先にURLが変更される場合には必ず入念なチェックを行なうようにしましょう。
また購読者自体がそこまで多くない段階で配信をしても、メルマガから得られるインパクトは大きくありません。その場合は他の広告との組み合わせや、まずは購入者を増やすための広告に予算を当てるようにするとよいでしょう。
4. 楽天市場におけるディスプレイ広告のメニュー
ディスプレイ広告に分類される楽天市場の広告メニューは、以下のとおりです。
- 通常ディスプレイ枠
- 大型イベント広告
- シーズナル広告
これらの広告メニューの特徴やメリット・デメリットについて紹介します。
4.1. 通常ディスプレイ枠
通常ディスプレイ枠は、楽天市場のトップページや商品ジャンルのトップページ、特集ページなどに掲載される基本的な画像広告です。一部はECCの案内でしか購入できない枠も存在しますが、基本的には毎月販売されており、掲載が保証されるため、安定した露出が見込めます。
商品やブランドの認知度向上に効果的で、幅広いユーザーへのアプローチが可能です。
4.1.1. 通常ディスプレイ広告のメリット・デメリット
通常ディスプレイ広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
4.1.2. 通常ディスプレイ広告運用のポイント
継続的に出稿することで認知拡大を図りたい場合やタイムセールなどに合わせて購入を促したい場合に使われることが多い広告ですが、枠によって目的や効果は様々あります。他の広告での課題と合わせて、何を目的として出稿するのかを意識するようにしましょう。
4.2. 大型イベント広告
大型イベント広告は、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどの大規模セール期間中に掲載される広告です。広告掲載費用は5万円からですが、枠によって料金は異なり、露出の多い人気枠になるほど掲載料金は高くなります。
楽天市場内の大規模セールやイベント時には、ポイントの還元率がアップすることなどもあり、通常時よりも多くのユーザーが楽天市場を訪れます。その盛り上がりに便乗できる大型イベント広告では高い露出効果が期待できます。
またセール中に楽天市場を訪れている購買意欲の高いユーザーが対象となるため、セールでまとめ買いされやすい商品やターゲットの広い食品、アパレルなどの出店者におすすめの広告です。
4.2.1. 大型イベント広告のメリット・デメリット
大型イベント広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
4.2.2. 大型イベント広告の運用のポイント
大型イベント広告は多くのユーザーに対して短期間で一気に認知拡大を図ることができる一方で、イベント期間限定のため効果が短く、また角度の低いユーザーもアクセスするためROASが低くなりやすいです。
そのため掲載を考える場合には自社の商品にあった枠を選び、アクセスしたユーザーの転換率を上げるために、クーポンの配布やポイント率のアップなどの施策と併用して用いることが重要です。
4.3. シーズナル広告
シーズナル広告は、母の日やお歳暮といった季節のイベントや商戦に合わせて、特集ページに掲載される広告です。特定の時期に需要が高まる商材を効果的にアピールしたい場合に適しています。
価格別、送料無料、ポイント還元率などの条件別ページも用意されており、ユーザーのニーズに合わせた訴求が可能になります。
季節商材やギフト商材などを扱っている店舗におすすめの広告で、季節のイベントで売上を最大化するためには重要な役割を果たします。実際に掲載する際には枠にあった画像や、場面にあったキャッチコピーなどを入稿する必要があります。
4.3.1. シーズナル広告のメリット・デメリット
シーズナル広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
4.3.2. シーズナル広告の運用のポイント
シーズナル広告では枠の選定から実際のイベントまで時間が3か月近くかかることもあるため、スケジュールの管理と事前の準備が重要になります。特にイベントの約2か月前には入稿を行なう必要があるため、季節イベントで販売する商品やギフトの仕様は2か月以上までに決めておく必要があります。
またシーズナル広告の特集ページには、自社の店舗と同じカテゴリの商品が並ぶため、競合他社と比較検討されやすい状態になります。そのため他の店舗よりも魅力的に見せるクリエイティブやキャッチコピーが重要になります。ベンチマークしている店舗の広告や訴求内容だけでなく、割引やクーポンの使い方まで含めて包括的に転換率を上げるための施策を打つようにしましょう。
5. 楽天市場におけるニュース広告
ニュース広告は、楽天市場の会員に向けて、メールマガジンを広告として配信する形式のものです。上記のメルマガとの大きな違いは掲載されるメールを選べるだけでなく、自店舗の購入者以外にも配信できる点です。
ニュース広告を使えば特定の商品にアクセスを集中させることができるため、短期的な売上の底上げを狙うことが可能です。そのため、ランキング戦略との相性も良い広告フォーマットであるといえます。
5.1. ニュース広告のメリット・デメリット
ニュース広告のメリット・デメリットは以下の通りです。
5.2. ニュース広告の運用のポイント
ニュース広告を用いれば、特定の商品に一気にアクセスを集めることが可能となり、また自社のメルマガでは配信できない新規層に対してのアプローチを図ることができます。
しかし、新規層を集めることができても、商品やサービスが魅力的でなければ売上には繋がりません。そこでニュース広告を利用する際には、既に商品ページが充実しており転換率が高い商品に対して誘導するようにするとよいでしょう。
またメルマガ同様に、単独での施策ではなく、同時にクーポンやポイントアップなど、転換率や客単価をあげる施策との併用によりさらにその効果が得られます。
6.楽天広告の運用で成功する5つの秘訣
楽天市場で運用できる広告は多数の種類があるため、選定やROASの設定が成功の鍵を握ります。
ここでは、楽天広告の運用で成功する5つの秘訣を解説します。
6.1. 広告が売上に与える影響を理解する
楽天市場における広告は、主にアクセス数の増加を通じて売上に影響を与えます。
売上は「アクセス人数 × 転換率 × 客単価」で構成されており、これらの要素の中でもアクセス人数の増加に直結するのが広告です。
たとえば、月間売上目標300万円を達成するために必要なアクセス数を逆算し、現在の平均アクセス数との差を埋めるために広告を活用することができます。
また、広告は短期的に売上を伸ばす効果があるため、季節商戦やイベント時の売上最大化にも有効です。
さらに、広告によるアクセス増加は、楽天市場内のランキング上昇にもつながり、さらなる自然流入の増加をもたらす可能性があります。
広告は直接的な売上増加だけでなく、間接的な効果も含めて総合的に売上に影響を与えることを理解しておくことが重要です。
6.2. 自店舗と商材に最適な広告を選定する
楽天市場の広告選定では、店舗の状況と商材の特性を考慮することが重要です。
新規出店や予算が限られている場合は、成果報酬型の運用型広告(RPP広告やクーポンアドバンス広告など)から始めるのが効果的です。
これらの広告メニューなら低リスクで始められ、購入意欲の高いユーザーへのアプローチに適しています。
一方、売上拡大期には、運用型広告に加えてディスプレイ広告にも挑戦し、より広い層へのアプローチを目指します。
商材については、型番商品(家電やブランド品など)は目的買いされやすいため、運用型広告が適しており、非型番商品(生鮮食品やオリジナルアパレルなど)は衝動買いされやすいため、ディスプレイ広告が効果的です。
ただし、商品単価や購入頻度によっても最適な広告は変わるため、自店舗の特性と合わせて総合的に判断することが大切です。
また、複数の広告を組み合わせることで、より効果的なプロモーションが可能になります。
6.3. 競合調査を事前に行う
楽天市場は限られたユーザーを競合店舗と取り合う形になるため、競合の動向が自店舗の売上に大きく影響します。
競合調査では、同じジャンルで売上規模が近い店舗や、ランキング上位の店舗を対象とします。これらの店舗の広告出稿状況や使用している広告の種類、セール時の施策などをチェックしましょう。
特に注目すべきは、RPP広告やクーポンアドバンス広告での表示順位、ディスプレイ広告の掲載場所、ニュース広告の頻度などです。 また、競合店舗の商品ページの構成、価格設定、送料条件、ポイント還元率なども参考になります。
これらの情報を基に、自店舗の強みを活かせる広告戦略を立てることができます。
競合調査は定期的に行い、市場動向の変化に応じて自店舗の戦略を柔軟に調整することが成功への近道となります。
6.4. ROASを適切に設定する
ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告費用対効果を測る重要な指標であり、「売上 ÷ 広告費 × 100(%)」で計算されます。
実際にROASを設定する際は、商品の利益率、リピート率、店舗の状況などを考慮する必要があります。
たとえば、利益率の高い商品や初回購入後のリピート率が高い商品では、より高いROASを設定可能です。
一方、新規顧客獲得を目的とする場合やブランディングを重視する場合は、一時的に低いROASを許容することも戦略として考えられます。
具体的な数値としては、200%〜300%程度が目安です。ただし、業界や商材によって適正値は異なります。
また、広告の種類によってもROASの設定は変わってくるため、運用型広告とディスプレイ広告で異なる目標を設定するなどの柔軟な対応が求められます。
6.5. 効果検証をして運用方法を改善する
楽天市場における広告運用の成果を高めるには、継続的な効果検証と改善が欠かせません。
効果検証ではROASだけでなく、クリック率、転換率、平均購入単価なども含めて多角的に分析することが重要です。
効果検証の手順としては、まず広告ごとのパフォーマンスデータを収集します。楽天市場の管理画面から得られるデータを、日次・週次・月次で定期的にチェックし、トレンドを把握します。
次に、パフォーマンスの良い広告と悪い広告を比較し、その要因を分析しましょう。商品の魅力、価格設定、広告文言、掲載時間帯などが影響している可能性があります。
そして、分析結果を基に具体的な改善策を立案し実行します。たとえば、パフォーマンスの悪い商品の広告を停止し、好調な商品に予算を振り分けたり、クリック率の低い広告文言を改善したりします。また、季節変動や競合の動きにも注意を払い、臨機応変に対応することが大切です。
このように、効果検証と改善のサイクルを繰り返すことで、徐々に広告効果が向上し、より効率的な運用が可能になります。
まとめ
楽天市場への出店者にとって、楽天広告は不可欠なプロモーション手段となっています。楽天広告を効果的に運用するためには、競合調査やROAS設定、継続的な効果検証と改善を行い続けていく必要があります。
楽天広告は種類によって掲載場所や期待される効果、発生する費用が異なるため、自社の商材にとってどの広告が最適であるのかを見極めるをしなければなりません。それぞれの広告のメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、楽天ビジネス全体の中での広告の位置づけと選択を行うようにしましょう。
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企業ブランドと商材に合わせた最適な戦略で、楽天市場での売上アップを目指したい担当者様は、ぜひ「株式会社GROOVE」までお気軽にご相談ください。
執筆者 : 松岡 孝明
マーケティング事業部
大学卒業後、大手百貨店に就職。店頭での販売やマーケティング経験を積んだ後、ECコンサルティング事業を行なう企業へ転職。
現在は株式会社GROOVEにて、マーケティングを担当。EC運営に関するお役立ち情報の発信や、セミナーの企画などを行なっています。