Amazon徹底攻略Q&Aセミナー
この記事は、2022年8月9日にアマゾンジャパン合同会社・株式会社GROOVEが共同開催した「Amazon徹底攻略Q&Aセミナー ~Amazon運用のプロがあなたの悩みをその場で解決します!~」のポイントをまとめたものです。
Amazonにおける商品ページ作成のコツから広告運用の考え方にいたるまで、Amazon販売を文字どおり攻略できるよう、網羅的に解説しました。記事を読むことで、Amazon販売を軌道に乗せ、さらに拡大するための突破口が見つかるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
目次
- Amazon販売における最重要の前提知識
- 商品ページをつくりこもう
- 集客(広告運用)をしよう
- 売上を最大化させよう
- Amazon運用のまとめ
Amazon販売における最重要の前提知識
Amazonでの販売を最適化するにあたり、まず以下3つの前提知識を押さえておきましょう。
- Amazonの売上方程式
- Amazonの検索アルゴリズム
- Amazonのカスタマージャーニー
Amazonの売上方程式は「売上=Session(商品ページ誘導数) × CVR(購入転換率) × 商品単価」で表せます。自然検索や広告によってSession数を増やし、商品画像やレビューの改良・充実によってCVRを引き上げることで、売上がアップします。
また、検索アルゴリズムについても理解を深めることが大切です。どのように広告を投下し、実績を作れば自社の商品が上位に表示されるのかを把握することで、効果的に施策を投入できるでしょう。
さらに、カスタマージャーニーの理解も欠かせません。どのように消費者が流入し、自社の商品ページを訪れているのかによって、打つべき対策は異なるからです。Amazonでは自然検索または広告検索からの流入が約60%を占めると考えられるため、これらの対策が最優先になります。
上記3つのポイントに触れながら、ここからは具体的なAmazon販売の攻略方法を紹介します。
商品ページをつくりこもう
Amazonで商品を販売するうえで重要なのは、まず商品ページを徹底的につくりこむということです。魅力的な画像を準備し、SEO対策も万全にすることで、より多くの販売が見込めるでしょう。
以下、メイン画像とサブ画像、およびSEOの観点で改善ポイントを解説します。
メイン画像のクリック率改善ポイント
メイン画像を選ぶ際は、ユーザー視点を持つことが非常に重要です。商品ページを訪れた際にユーザーがどのような印象・感覚を持つのかを理解し、改良を重ねることがクリック率の改善につながります。例えば、見栄えをよくするためレタッチによってシワを消したり、光や影の角度を調整したりするのも効果的です。
また、アパレル商品の場合はやわらかい素材が多いため、モデルが着用するとシワになります。そのため、型崩れやシワが出ないようトルソーマネキンを使うといった工夫が必要になります。
細かい部分にこだわって商品ページを改善していくことが、クリック率の向上には不可欠です。
サブ画像の転換率改善ポイント
サブ画像からの転換率を改善するには、訴求ポイントを絞ることが大切です。上記の例では、ホームベーカリーのサブ画像を変えたことによって転換率が1.62倍に上昇しました。
もともとは健康や節約という観点で「おいしいパンを食べたい」というニーズがメインだったため、左の画像を使用していました。しかしコロナ禍により、「家族との時間を充実させたい」というニーズが高まっていることがレビュー分析によってわかったのです。実際に画像を差し替えたところ、転換率が大きく向上する結果となりました。
SEO改善ポイント
商品ページのつくりこみにおいては、SEO対策も重要です。特に「キーワード選定」にはこだわりましょう。
まず、狙いたい市場で入れるべきキーワードを把握し、商品ページやタイトルなどに盛り込みます。選定方法としては、Amazonでの検索時に表示される「推奨ワード」を参考にしたり、レビューを分析したりします。Googleトレンドなどを使った選定も効果的です。
キーワードを盛り込んだあとは、インデックスされているかどうかを「ASIN(商品登録番号)+キーワード」で検索し、確認しましょう。うまくインデックスされていれば、商品とキーワードがひもづけられ、検索時に表示されるようになります。
集客(広告運用)をしよう
Amazonで売上を上げるためには、広告運用による集客が大きなカギを握ります。広告投資をベースとした収益構造や、広告の選定方法について解説します。
収益構造について
Amazonでの販売拡大をめざすなら、「初期は赤字を出してでもまず検索上位を獲得する」ことが大切です。商品の発売後、最初の3ヶ月〜半年は赤字のままでも販売実績を積み上げていきましょう。Amazonでは、売れれば売れるほど検索結果で上位に表示される仕組みになっているからです。
上記の資料は、Amazon販売の収益モデルを表しています。初期フェーズにおいては広告のみで売上を確保しているため、赤字の状態です。しかし、2ヶ月目からは販売実績によって検索結果の上位に表示され始め、徐々に「自然検索やレコメンドによる売上」が増えていきます。
そして4〜5ヶ月目には広告投資の回収が完了し、黒字化します。それ以降は広告コストを一定に保つことで、商品が売れれば売れるほど利益が出る構造になるという流れです。
この収益構造を前提として、初期フェーズの広告投資を検討しましょう。
広告の理解
Amazonには、スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告など、4種類の広告があります。それぞれの特徴やメリットを理解したうえで、販売する商品・ブランドや取り組みのフェーズに合わせて広告を選びましょう。
スポンサープロダクト広告の活用
Amazon販売においてもっとも多く利用されているのが、私たちもおすすめする「スポンサープロダクト広告」です。スポンサープロダクト広告では、検索結果や商品ページ内に広告を表示することで自社商品の露出を高められます。特に、自動で掲載先が選定される「オートターゲティング」という機能が優秀です。
最初から複数の広告に手を出すのではなく、まずはスポンサープロダクト広告の運用から始め、売上の拡大にあわせてほかの広告にも着手するとよいでしょう。
売上を最大化させよう
売上を最大化させるには、「レビューの改善」「勝てるカテゴリーの選択」という2点が重要です。この2点に悩む担当者の方は多く、「レビューは何件くらいあればいいのか?」「すでに大手が参入している市場でどう戦うべきか?」といったご質問をよくいただきます。
レビューをしっかり分析し、自社商品に合ったカテゴリーで勝負できれば、大手メーカーに勝つチャンスは十分あります。
レビュー改善
レビューを改善するうえで大事なのは、レビュー総数と平均レビュースコアです。
レビュー総数は、同じカテゴリーの1位の商品やベストセラーのレビュー数によって、必要な数が決まります。競合が1,000件のレビューを獲得していれば、最低でも300件くらいは必要でしょう。また、「Amazonおすすめ」になっている競合商品のレビュー総数もチェックしておくべきです。
平均レビュースコアは最低でも4.0、できれば4.5をめざしましょう。以前、2,500件程度のレビューがある競合商品と戦っていたときのことです。ピークシーズンに入り、競合商品の平均レビュースコアが4.0になると、まだレビュー数は100分の1程度だった私たちの商品が一気に売れ始めるということがありました。最終的に私たちの商品の平均レビュースコアは4.5になったことから、4.0と4.5でも大きな差が生まれることを痛感する事例になりました。
勝てるカテゴリーで勝負する
大手メーカーと同じ市場で戦うには、勝てるカテゴリーで勝負することが大切です。そして、カテゴリー選定で重要なのがキーワード分析です。自社商品がどのような市場のユーザーに求められているのか、どのようなキーワードで検索されるのかを分析しましょう。
検索ワードは1語だけでなく、「ミドルキーワード」「スモールキーワード」と呼ばれる2語目、3語目のワードにも注目してください。どのカテゴリーなら勝てる可能性が高いのか、よく分析して見極めることが大切です。
Amazon運用のまとめ
本記事では、Amazonでの販売を最適化する方法として、商品ページや広告運用、レビュー、カテゴリーといった要素をどう設定・改善すべきか解説しました。Amazon独自の検索アルゴリズムやカスタマージャーニーといった前提知識をもとに、施策の実行と改善を繰り返すことで売上の最大化が図れるでしょう。